十五章 登場、グラディス・オブ・イェーツ
シゼルの友達が帰った頃、梨々香が帰って来た。
「ただいま戻りました」
梨々香はシゼルとローラを見て笑みながらそう言った。
「おかえりなさい」
シゼルは梨々香を見て笑みながらそう言った。
「おかえり」
ローラは梨々香を見てそう言った。
「その小さいのは?」
ローラは赤眼、赤と黄のインナーカラーが入った黒髪ツインテール。白いカッターシャツを着て黒色のミニスカートを穿いた微褐色肌の少女を見てそう言った。
「グラディス・オブ・イェーツ」
赤眼、赤と黄のインナーカラーが入った黒髪ツインテール。白いカッターシャツを着て黒色のミニスカートを穿いた微褐色肌の少女、グラディス・オブ・イェーツは社員証を見せながらそう言った。
「この度ラグジェパレス社に就職してくれた卒業生です」
梨々香はローラを見て笑みながらそう言った。
「あ、やっぱりその子引き入れたか」
シゼルはグラディスを見て笑みながらそう言った。
「お久しぶりです。國氷製作所に配属が決定しました」
グラディスはシゼルを見てそう言った。
「知り合いなのか?」
ローラはシゼルを見てそう言った。
「神気学の教授やってた時の教え子」
シゼルはローラを見て笑みながらそう言った。
「単位とらせるのに苦労した生徒だったからよく覚えてる」
シゼルは懐かしそう言った。
「バカなのか」
ローラはグラディスを見てそう言った。
「社会性ゼロよりはマシだと思わないか?」
グラディスはローラを見てそう言った。
「思わんね」
「まったく・・・またクレイジーでマッドな女郎かよ」
グラディスは呆れたように言った。
「バカではありませんよ。むしろ賢いです」
梨々香はローラを見て笑みながらそう言った。
「ただ極端なだけなんです。興味がある分野には秀でていて興味がないとカラッキシ」
梨々香は荷物を置いてそう言った。
「グラディス、みんなにお茶を淹れてくれますか?」
梨々香はそう言いながら椅子に座った。
「はい」
グラディスはそう言うと、お茶を淹れ始めた。
「陛下、三上遊戯の麗奈から試してほしいものがあると」
シゼルはそう言うと、簡単な説明書と携帯ゲーム機を差し出した。
「これは?」
梨々香は携帯ゲーム機を見て笑みながらそう言うと、簡単な説明書と携帯ゲーム機を受け取った。
「ゲーム機です。希望価格は一・五リズだと」
シゼルは梨々香を見てそう言った。
「ゲーム機が一・五リズで買えてしまうんですか?」
梨々香は携帯ゲーム機を見て嬉しそうに笑みながらそう言った。
「そんなに喜ぶことか?」
ローラは梨々香を見てそう言った。
「ゲーム機は一台で百リズも二百リズもするんですよ?」
梨々香は説明書を見ながらそう言った。
「貝スナックを買って雑談した方が安いし幸せだろう?」
「千蘭宮皇国の子供にはその程度の娯楽しかないということです。決して褒められることじゃない」
梨々香は携帯ゲーム機の電源を入れてそう言った。
「・・・そうか」
ローラは少し考えながらそう言った。
「売れると思うか?」
ローラはお茶が入った湯飲みが乗ったお盆を机の上に置くグラディスを見てそう言った。
「駄菓子屋や電気屋を覗くとゲーム機に子供たちが集まっている光景が見れる」
グラディスはお茶が入った湯飲みを各々の前に置きながらそう言った。
「その子供たちが携帯ゲーム機の存在を知れば間違いなく欲しがるだろう」
「あんな簡単なゲーム、すぐ飽きると思うぞ」
「あんた、もっと子供と触れ合った方が良いぞ。数字を並べるだけのカードゲームだって普通の子供には難しいんだ」
グラディスはローラを見てそう言った。
「やってみますか?」
梨々香はグラディスを見て笑みながらそう言った。
「はい」
グラディスがそう言うと、梨々香は携帯ゲーム機を差し出した。
携帯ゲーム機を受け取ったグラディスはゲームで遊び始めた。
「これは夢がありますね。いつか一プレイ一サラするあのゲームたちもいつかできるようになったりして」
グラディスはゲームをしながら楽しそうに言った。
「そうですね」
梨々香はグラディスを見て笑みながらそう言った。




