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十一章 謎の試作戦姫

シゼルとローラは部屋を出て表の工房に行った。

梨々香は作業台と向き合っている。

「陛下、何してるんですか?」

シゼルは梨々香を見てそう言った。

「ん?」

梨々香はシゼルとローラを見た。

「時計の整備ですよ。華凛(かりん) 陽菜乃(ひなの)が私のために作ってくれた時計なのでね」

梨々香は組み立て途中の水晶式時計を見て笑みながらそう言った。

「カリンヒナノ?」

ローラは梨々香を見てそう言った。

「私のご先祖様だよ。この大陸ではヒナ・フィトミア・カーリンって名乗ってたらしい」

シゼルはローラを見て笑みながらそう言った。

「・・・そうか」

ローラはシゼルを見てそう言った。

「時計の整備が終わったら何をするんだ?」

ローラは梨々香を見てそう言った。

「戦姫の試作です。チップセットが出来上がるので」

梨々香はローラを見て笑みながらそう言うと、ガレージに置かれているいくつもの試作戦姫を見た。

「・・・全て試作型か??」

ローラはあまりに精巧な試作戦姫を見て驚きながらそう言った。

「えぇ」

梨々香はローラを見て笑みながらそう言うと、再び時計を組み立て始めた。

「こんな小さな場所でこんな精巧なものを・・・」

「L-61か?」

ローラは試作戦姫を見て興奮気味にそう言った。

「あの中にLシリーズはありませんよ」

「L-51の後継機はもう作らないのか?こんな時代だ。需要はあると思うが」

ローラは梨々香を見てそう言った。

「L-51の後継機はもうありますよ。それに、今の最新鋭機はL-81です」

「あの性能で三世代前か・・・」

ローラは驚きながらそう言うと試作戦姫を見た。

「あれでも色々と省いてますけどね」

「煌桜が完全品だったら今頃月浜は滅んでいたかもな」

ローラは笑いながらそう言った。

「その前に橘花国の財政が破綻しますよ」

「何も省いていないL-51はいくらなんだ?」

ローラは梨々香を見てそう言った。

「十億ディールズリズです」

「一機か?」

「えぇ」

「一機十億ディールズリズなんてアーヴァン王国の財政すら破綻するぞ・・・」

ローラは驚きながらそう言った。

「ディールズと千蘭宮皇国はそんな兵器を数千から数万機運用してるんだからすごいよね」

シゼルはローラを見て笑みながらそう言った。

「中立国にはそんな金があるのか・・・」

ローラはシゼルを見てそう言った。

「あるよ」

「どこにそんな価値があるんだ?」

「千蘭宮皇国にはラグジェパレス社とラグジェパレス系企業の本社とその工場地帯が乱立してるからそこから入る税金で」

「ディールズはラグジェパレス系企業からの政治献金で成り立ってるって感じだね」

急須を持ったシゼルはお茶を淹れながらそう言った。

「その政治献金がなくなったらディールズは一瞬で崩壊するということか」

「するね。まぁ、政治献金を停止するなんてことはないだろうけど」

シゼルはローラを見てそう言った。

「ね」

シゼルは時計を棚に戻す梨々香を見て笑みながらそう言った。

「ん?」

時計を棚に戻した梨々香はシゼルを見た。

「そうですね」

梨々香はシゼルを見て笑みながらそう言った。

「・・・なぜ陛下に問う」

梨々香を見たローラはシゼルを見てそう言った。

「私がラグジェパレス社の社長だからでしょうね」

梨々香はローラを見て笑みながらそう言った。

「ラグジェパレス社のトップ・・・」

ローラは梨々香を見て驚きながらそう言った。

ローラが絶句していると、電子工作機が作業終了を告げるアラームを鳴らした。





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