表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
世界観  作者: うさぎ赤瞳
24/25

|英傑《ヒーロー》に成るために?!

     二十六


 うさぎは、さきがけの天真爛漫に触れて、心にしまい込んでいる、思いの丈を打ち出すことを決めた。


「前に言いましたが、心を解放する理由は、何だ? と想いますか」

「色々と考えられますが、(ぼく)()()を解き放て、ってことなんじゃない? ですか」

「その理由は? って訊いてるつもりなんですがね」

「??」

赤瞳(わたし)が聴きたいのは、心が、宇宙そのものということに、気付いたかどうか? なんですけどね」

「宇宙? だったんですか」

「想像する空間は、限りない、と教えましたよね」

「そう言えば?って、なりませんよ。だって、身体という器の中にある心が、無限大の質量を上回る宇宙とは、考えられないもん」

「ならば、感性という無機質でも、同じように考えなくてはなりません」

「感性?って、無機質だったんですか」

赤瞳(わたし)はよく、人それぞれって言いますからね」

「だったら、紛らわしくないように、小宇宙にしましょう。それならば、類似の括りで、想定内になるはずだからね」

「別に構いませんが、気の持ちよう、ですよ」

「だって、赤瞳さんが云う世界観は、赤瞳さんのもの。(ぼく)の世界観は、赤瞳さんには解らない? はずだからね!、?、・・・」

「今、気付きました? よね」

「解き放つのは、自由ってことかなぁ~?って、閃きました」

「だから、赤瞳(わたし)は、想いから始まった世界って綴って要るのです」

「宇宙の倣わしを、循環の法則っていうのは、そういうことだったんですね」

「宇宙に漂いながら、掬われることを待ち望んで要る理由にも繋げられますからね」

「だから、掬われた者を、賢者(いじん)って想い定めるのかぁ~」

「偉人に成れなくても、掬われる為に、徳を積むのです。いつか? という希望を持てば、努力を続けられますからね。それに、淋しい時は、最寄(ちかく)の仲間との連結も可能ですからね」

「それで、自分を点にして、仲間との線で繋ぐ為に、神々様を利用する訳なんだね」

「それが、感性を育むのに、一番手っ取り早いです」

「その認識を持てない魂が、悪霊と云われ悪さをしでかすんだね」

「本人は、悪意を持っていなくても、道理に反すると(おぼ)しめられます。それを(はた)迷惑と感じられれば、呵責に苛まれません」

「お節介は傍迷惑と承知して欲しいけど、一応、善意なんですよね。呵責という認識は、まず持たないですよ」

「そこに謙虚さがあれば、迷惑に気付けます」

「謙虚さ、っていうけれど、なかなか難しい? んじゃないかなぁ」

「傲慢が蔓延った理由は、謙虚さを持ち合わせなくなったからです」

「それは、赤瞳さんが出した結論なんでしょうが、結論の先をみれば、違う何かが見える? んですか」

「正対すれば、非が解ります。反省できれば、可能性という器も育ちますよ」

「それって、器量のことだよね。育ちには、限界はないの」

「限界を作れば、駄々漏れするだけです。だから、先がまだあると、自身に言い聞かせれば、方法を模索できます」

「それって、表面誇張みたいなこと? なのかなぁ」

「何故、水を例にしたんですか」

「閃いた、だけだよ」

「土にしても、砂にしても、山にすれば、量を増すことはできます。単細胞生物が誕生したのは、嵩ましとは考えられませんかね」

「嵩まし?」

「宇宙の絶対零度は、引っ張られ作用の限界点ですが、宇宙の一員の地球の絶対零度は約四分の一です。赤瞳(わたし)は、層に護られる理由を、嵩まし分を保持する為、と考えているんですよ」

「でも今は、オゾンホールが空いて、護りが弱くなってる? よね」

「その為に重力があります」

「ならば、引力? は」

「月のこと? ですよね。地球の質量と、月の質量を比べれば、力関係は明白なはずです。因みに、月が、地球の層の中に入ることはないですよ」

「手が届きそうなほどの十五夜でも、層の外なの?」

「層の中の湿度が下がり、層が虫眼鏡の役割を果たし、光の屈折を大きく見せているようです。(ある)いは、想い入れが、錯覚の原因かも知れません? がね」

「どうして錯覚? するのさ」

「満月自体が錯覚なんです。天体の光の反射は、限りなく円に近いという錯覚です。放射の反射光が、影を消す作用をします。正確にいうと、月食時に、地球がスケルトンならば、自身の位置(点)と、月の頂点が、太陽の対面頂点と線で繋がる時だけが満月になります」

「それって、理論上? ってことだよね」

「まぁ、それが、赤瞳(わたし)のいう世界観です」

(ぼく)は、獣人だから、錯覚でも、お月見ができれば好い。四季の織り成す風情を楽しみたいし、感性が研ぎ澄まされる世上に感謝したいなぁ」

 うさぎは遠回しに言い、さきがけに生きる意味を教えていた。一重に、純真な心を保つ秘結は、面倒臭い柵を、根気よく(ほぐ)してゆくことだからであった。



     二十七


 うさぎは、さきがけの成長を確認して、

「信長公の残した遺伝子は、秀吉や家康の悪しき呪いで、世の中に出ないための曰くと為りました。代々重ねた遺伝子を解放するのが、(あなた)に託された、使命です」

「曰くを灌ぐんじゃ? なかったの」

「天命家の曰くを灌いで、徳を積める者のひとりに、大門家があります」

「どういうこと? なの」

「大門家は、乙女を割った姉妹の末裔です」

「姉妹ってことは、親戚ってこと? だよね」

「織田信長の妻は、斉藤家の娘の胡蝶さんです」

斎藤道三(まむし)の嫁の血筋に、大門家の血が流れて要るのかなぁ」

「正解です」

「だとしたら、曰くと曰くが重なって、(ぼく)に白羽の矢が立ったってこと? だったんですか」

「だから、やり直しが(くだ)ったのです」

「だとしたら、それを教えるために、赤瞳さんに導かれたことになる。それって、卑弥呼様の策略ってこと? なの」

「かも知れないですし、三妹さんの意を汲んだ結果でしかないはずです」

(ぼく)に、三妹様の血が流れて要る? の」

「神々は、心に宿る虫ですから、遺伝子の継承はできません。考えられるのは、想いが込められて要るからでしょうね」

「想い? だから願いが叶ったの」

「でしょうね」

「だとしたら、赤瞳さんは、それを承知で、手を貸した訳? だよね」

「そうなりますね」

「そうなりますねって、それが、赤瞳さんの徳に繋がるの? (ぼく)には、徳を積むことが、ただのお節介に想えるなぁ」

「傍迷惑? ですか」

「じゃないけど、徳=得するイメージが、今の世界観? なんだよね」

「個性は、なくて七癖あって四十八癖ですから、知識で上書きして、訂正していくしかないですよ」

(ぼく)はそれで、儲けものだけど、赤瞳さんはそれで良いの」

赤瞳(わたし)は、疑問という柵を()(ほぐ)したいだけです。それで、世知辛い世の中が(なご)むなら、住み良くなるはずですからね」

「?、赤瞳さんには、欲はないの」

「ないこともないですが、お他人様の、満面の笑顔に代わるものはない、というのが赤瞳(わたし)の持論なんです。つられて笑う世の中ならば、愉しいとは想えませんか」

「想うけど、骨が折れること間違いない? よね」

 うさぎはそれを、笑って誤魔化した。さきがけもそれで、つられて笑っていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ