表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
世界観  作者: うさぎ赤瞳
15/25

昔話しで癒されて

    十六


 想い通りにいかず、さきがけが悲壮感を漂わせ始めた。

 なんちゃって科学者と自負するうさぎは、手に取るように理解して切り出した。

「休憩にしましょう」切り出したものの、どうしたものか決めかねていた。

「まだやれるよ。もうちょっとで掴めそうなんだ」

 さきがけは何か解らないものを掴める気になっていた。それで、うさぎが諭し始める。


 昔々のことですが、あるところに、うつけ者と言われる若者が居ました。その若者は純真な心のままに成長して、人に好かれる気質の持ち主です。それが証拠に、町下の同年代と気さくに付き合う武家の子息です。何れは跡取りとなり、領主となる人物でした。

 うつけ者と言われることに不快感を抱く両親はことある毎に叱咤して、その性格を嗜めます。想いがずれることは明白で、何時しか跡取りを諦めるようになっていました。うつけ者は気のない振りをして、町下で得た情報でお家の一大事を救います。友を大事にして、嘘で塗り固めた天下にもの申すための力に固執します。治安の乱れた天下を世直しするつもりで立ち上がったのです。言わずと知れた第六天魔王こと、織田信長公です。


 彼の思考で最優先は存命に尽きますが、無理難題を言い渡される家臣は、視ている未来をずらしてゆきます。孤独を甘んじて受け入れたことが、彼を第六天魔王にしてしまったのです。

 戦国乱世の悲劇の主人公を演じたのですが、上杉謙信が毘沙門天を名乗っていますので、羅漢の伝来はすでに行き渡っていたのでしょう。乙女さんの従者に武蔵坊弁慶という豪傑がいたので、解りますよね。


 信長公の武勇伝のひとつである桶狭間の合戦は色々な説があります。性格を見れば隙をついたとはいえ、正面突破が濃厚ですよね。ですがその好機を察知したのが卑弥呼さんで、思念で送っていたとしたら、成功が確約された上で遂行された、になりますよね。運という女神様に後押しされたんですから言うまでもないでしょう。


 本能寺で討たれたという曰くも、繋げられます。正確には、浅井長政を打ち破った秀吉が、その手柄の褒美に、お市の方様を所望しています。ずる賢いさるを身内とするのを拒みました。そのやり取りで暗殺されて、影武者を立てて正当な後継者に治まる、というのが筋書きだったのでしょうね。それを知った明智光秀が、主君に汚名を着せることに繋がるのを恐れて、成敗したということも考え得るはずです。


 業火で焼くことは、世の倣わしですからね。土に帰すことは、焼かれない土に埋葬することです。それは西洋も同じ考えのはず。人が地獄に墜ちることを嫌う風習は、仏教でも教えていますよね。神の教えとみるべき儀式ではないでしょうか。


 教えを保護にした高野山を焼き討ちしたことは、公然の事実です。本当に謀反を起こしていたら、光秀の晒し首が記述に残っていないと不自然です。後に太閤になっているんですからね。

 絶対的権力を得たことで、自らの不始末を消すことに執着したようです。汚点のある人生を憧れないことに気付いている節は、至るところに露見しています。


 不憫な想いをさせないための叱咤を理解していません。家康は、その寝首を欠くために、目には目を歯には歯を実行しています。好機を手にするまでの行いを、三猿にしていますからたどり着けますよね。


 天敵武田軍を撃破できた恩返しが、亡き信長公の仇討ちだったのです。兄と慕っていたから、義侠心が生まれたようですね。今川という籠から解き放ってくれたことの恩返しのはずです。棚からぼた餅に映ってしまったことだけが、名残りに受け取れます。


 様々な説を繋ぎ合わせると、違う物語ができるのは、そこに神々が絡んでくるからです。八百万(やおよろず)の神々がいることは、日の本の国の誇るべき逸話です。神々の御加護に大中小があることに気付いて下さい。嘆く前にするべきことは、想いを合わせることです。


 死を乗り越えることができない以上、託すことで繋げることを肝に銘じて下さい。想いが繋がる未来(さき)が色鮮やかになるのです。その未来を見届けるために、魂は永遠なのです。人が駄目なら、獣人へと移行されるだけなんですからね。


「もしかして、卑弥呼様が言った、何時の時代にも生存していますって、生き証神ということだったのかぁ」

「それを自慢とは想っていないはずです。人が肉体で繋がると錯覚するのは、魂を信じられないからです」

「魂は見えないもんね」

「実体を持たない神々に縋るのは、人間の習性ですもんね」

「錯覚って簡単にいうけど、第六感のことだよね」

「心をなくした証しかも知れません」

「それを教えるために、信長公が天界の魔王と形容したのかなぁ」

宇宙(そら)は、昼夜関係なく視ていますからね」

「神様がいつでも見守っている証しなのかぁ」


「神さんだけでなく、創世主も視ています」

「なんで視ているって分かるの」

「期待されているからです。結末を見逃したら、期待する意味がなくなりますからね」

「それが千里眼かぁ。思念の次に覚えることにしよう」

 さきがけが、気分転換できたようで、笑顔を見せた。


 童話や昔話しに隠された癒しに気付いていたかは謎だった。

 親が子に教えるか、お他人様が教えるかの違いはあるにせよ、繋がることで生まれる絆は、この世の循環を意味している。そこに(なさ)けが絡まれば、より頑丈な絆になる。

 より強固にするために、想いを重ねて欲しい。繋がりが可能性を無限大にするまで。永遠に続くためにできることが、そこから始まるのだから。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ