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魔王らしくない魔王様  作者: 説那


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天仕リシア

 私の名はリシアになった。今、私を助けてくれたアルフォンスが、記憶を取り戻す為に、彼の娘に会ってはどうかと提案してくれたところだ。


「ただ、問題もいくつかある。」

「問題ですか?」

「そう。まず、私の娘が今どういう状態にあるかが分からない。私は娘と顔を合わせたことがない。娘がまだ妻のお腹の中にいる時に、私は離れざるを得なくなった。娘であることは知っているが、妻からの手紙も途切れてしまっているから、もしかしたら、私が知る居場所にいないかもしれない。」


「それはありえそうですね。」

「あと、魔力を相手に与える方法が特殊だ。魔力は命の根幹にまつわるものになるので、手っ取り早いのが口づけによる方法だ。」

「口づけですか・・?」

 私は顔に熱を帯びるのを感じた。

「娘が縁もゆかりもない異性である君に、口づけで魔力を与えてくれるものかどうかわからない。」

 普通は、嫌がるだろう。特に相手は女の子だし。


「さらに。」

「まだ、あるのですか?」

 彼は、再度私が持っているペンダントを指差す。

「それは、婚姻の証かもしれない、ということだ。」

「は?」

「人間は婚姻する時に、婚姻の証として、首から下げる装飾品を交換する。かくいう私も妻と交換して持っている。」


 彼は自分が身につけているペンダントを取り出して、私に見せてくれる。宝石の色が違う。私が持っているものは乳白色だが、彼が持っているものは深い青だった。

「婚姻の証についている宝石は、皆違うのですか?」

「婚姻の証は、交換する者がそれぞれ作る。通常は石屋や金物屋に依頼する。もしかしたら、予め持っていた守護石を婚姻の証に使った可能性も否めない。」

「・・そんなことをしたら、自分の子どもに守護石を渡せないのでは?」

「守護石は天仕であれば、体内から生成できる。」

「・・・。」

 ちょっと分からなくなってきた。頭の中でアルフォンスと話したことを整理する。


 もし、この首飾りの宝石が、私が予め持っていた守護石なら、私は天仕で、守護石2つが対になっているから、相手方も天仕。この場合、相手方が自分とどのような関係にあるか分からないが、相手方が天仕ということは、多分記憶を失う前の自分も知っていたと思われる。魔力を流して、合図を取っていたのだから、お互い魔力を流した時に現れる守護石特有の現象を見ているはずだ。それに守護石は天仕しか持っていないはずだから。


 この首飾りが婚姻の証だとすれば、私は婚姻していて、この首飾りは妻から渡されたことになるから、妻が天仕。で、守護石2つを対にしたのは、多分記憶をなくす前の私だろうから、私も守護石を妻に渡したのだろう。だから、私も天仕か。

 私が天仕なのはほぼ確定。問題は相手方が、私の妻かもしれないということか?妻だったら、逆に話が早いのではなかろうか。私が天仕であることも知っているだろうし、私自身が何者かも知っているだろう。


「守護石以外の石と対になっている可能性はありますか?」

「守護石は、一般にある宝石とは違い、天仕が体内から生成するものだから、うまくいかないだろうと思われる。」

「これが婚姻の証だった場合、これから私の身元を特定する方法は?」

「婚姻の証に使用する宝石は個人によって違うが、宝石に個人を特定する機能は持たせていない。守護石を使っているのは珍しいが、見た目は他の宝石とあまり変わらないから、これから君の身元を特定するのは難しいだろう。」


「・・すると、ひとまず天仕である娘さんを探して会うしかないですね。」

 魔力を融通してくれるかどうかはともかく。と私が言葉を続けると、アルフォンスは軽く頷いた。

「体力が回復するなど、いろいろな準備が調ったら出発するといい。ここからは遠いぞ。」

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