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魔王らしくない魔王様  作者: 説那


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救出者アルフォンス

 私の名はアルフォンス。今は、記憶を取り戻したいと願う彼に、私の昔話をしている。


 私は人間でなかったが、同種族内でのいざこざにより、人間の住むこの地に移住した。そこで、一人の人間の娘に会った。

 彼女は残念ながらとても虚弱で、長くは生きられなかった。だが、私の持つ命を彼女に与えることで、彼女の虚弱を治し、長生きできることが分かった。


 私は人間ではなかったので、自分の命を他者に与えることができた。そして、私の種族の寿命は人間よりは長かった。少しくらい与えても影響はないし、生きながらえた後一緒に死ぬこともできるかもしれないと思った。

 彼女は命を長らえた。そして私の子どもを身ごもった。子どもが産まれたら、家族3人で幸せに暮らしていこうと思っていた。


 だがその幸せは長く続かなかった。

 私には人間の血が流れていた。他種族の血が混じっていることは、私の種族にとっては狩られる対象だった。そのため、実際に私も、そして妻も命を狙われた。私はもう家族の側にいることができなくなった。

 私は死んだものと見せかけ、家族の元から姿を消した。


 妻には私の元に届く手紙を残したので、彼女が亡くなるまでは定期的に手紙をくれた。そう、私を残して妻は旅立ってしまった。結局、私の命では、彼女をほんの少し長生きさせただけに過ぎなかったのだ。私も後を追いたかったが、自分で自分を滅する行為は種族として禁じられているのでね。彼女に分け与えた事で少なくなったこの命と共に、ここで静かに生きている。


「私の名はアルフォンス。君もしばらくここにいるなら、名前がないと不便だな。」

 私は、顎に手を当てて考えた後、彼の顔を見つめた。

「リシアと呼ぼう。君の容貌はなぜか私の姉を想起させるのでね。姉の名前からとってみた。」

「リシア・・わかりました。」

 銀灰色の髪、桃色の瞳。あの2人の色は全く受け継いではいなかったが、彼の容貌は、なぜか私の姉を思い出させた。そういえば、姉は元気に彼の元で過ごせているのだろうか?


 少しそれた考えを追いやって、私は彼に向かって言葉を続けた。

「君の記憶を取り戻す方法なんだが。君が首に下げている装飾品を見せてもらえないだろうか。」

 元々リシアが着ていた服はボロボロで、そのままだと体調が悪化するからと、この部屋に運び込まれた時に、服は着替えさせていた。その時に私は、首に下げていた装飾品を見ていた。

 リシアは首飾りを外し、私に差し出した。


 私は、首飾りの先に着いている宝石を見つめ、指先を添えた。

 宝石が光り、それを中心に、はらはらと白い羽が現れては消えていく。

「それは・・?」

「これは守護石だな。」

 私は指先を外すと、彼に首飾りを渡し、宝石部分を握るよう言った。

 彼は、言われた通りに宝石を握ると、驚いたように言った。


「なんか、すごく身体が温かくなってきたのですが。」

「私が少し魔力を流したので、相手方に気づかれてしまったようだ。その熱は相手方が流してきている魔力だ。」

「相手方って?」

「そのペンダントは、もう一方の石と対になっているのだろう。その石を持っているのが相手方。石からあふれた魔力が君に流れ込んで、君の回復をより促したと考えられる。」


 私は、彼が持っている首飾りの宝石を指差した。

「守護石は私の種族しか持っていない。石を持っている者をその名の通り守る。基本お守りとして持っていることが多いが、子どもができると、その子どもを守るために石を渡す。その石を君がもっているということは、君の親が私と同じ種族の者なのだろう。」

「だから私は人間ではないと。」


「そうだな。それもある。しかし、守護石2つを一対にして、魔力を流して合図をとるというのは、考えたこともなかった。どちらにせよ、その相手方を探して魔力を与えてもらえば、合わせて記憶も戻る可能性が高い。守護石を持っているということは、魔力を与えることができる天仕てんしであるということだから。」

「天仕ですか。。」

「そう、私の種族は天仕だ。そして、君も多分天仕なのだろう。私が魔力を与えることができれば、話は早いのだが、私は妻に多くを与えすぎていて、もう誰かに何かを与えることができないのだ。」


「でもどこにいるかわからない相手方を、どうやって探せばいいのでしょう?」

「相手方かどうかは分からないが、私が居場所を知っている天仕は一人いる。」

「それは・・?」

「先ほどの話にあっただろう?私の子、娘だ。」

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