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魔王らしくない魔王様  作者: 説那


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信託者アメリア

 私はアメリア。現在、テラスティーネ様と今後の件に関し、打ち合わせ中です。


 テラスティーネ様が、真剣な眼差しで、こちらを見つめてきました。

「それで考えたのだけど、聞いてくれる?」

「どうするの?」

「魔力を持つ人が入れないように結界を張ろうと思うの。ユグレイティの地全域に。」

「ユグレイティの地全域?物凄く魔力を消費するわ。そんなの無理よ。」


 現在も侵入検知の結界は張られています。魔力の持つ魔人の侵入を検知した時には、対応できる者がその場に行って確認をし、対処します。基本は追い払います。この地の不法滞在を、カミュスヤーナ様が許していないからです。でも、今はカミュスヤーナ様が不在ですから、結界は消えていないものの、侵入検知できる者がいません。そのため、あまり役割を果たせていません。


「私が眠れば、最低限の生命活動に必要な分以外は、すべて魔力を結界の維持に当てられるから、多分大丈夫。どちらにせよ、人員が少ない今では、これ以上干渉が増えると対処しきれないわ。私の中にいるカミュスヤーナ?に頼るわけにはいかないし。カミュスヤーナが戻るまでは、この結界でしのいでいこうと思ったの。どうかしら?」

「ユグレイティは他の地と交易もないし。・・・確かにそれが一番いい方法かも。」

「よかった。そう言ってもらえて。」


 テラスティーネ様が私の顔を見つめて微笑みました。それからふと顔つきをかえて、私に言いました。

「それで、アメリアにお願いがあるの。」

「何かしら?」

「もし、私は眠っている間にカミュスヤーナが亡くなったことが分かったら、私を殺してくれないかしら?」

 テラスティーネ様の青い瞳に宿る光は真剣でした。


 目の前には水色の球形の物体が鎮座している。

 その球形の中には一人の女性が目を閉じて浮かんでいる。

 長い水色の髪がその体を覆うように流れている。

 この水色の球体は彼女を守る結界だ。


 彼女はこのルグレイティの地に広域結界を張った。そして、眠ったままでは自分の命を維持できないことが分かったので、生命維持のため自分自身にも結界を引いた。

 カミュスヤーナ様が戻ったら、託された首飾りに着いた宝石で彼女の結界を解く。その後彼女にカミュスヤーナ様が魔力を注ぐことで、彼女は目覚める。


 もし、カミュスヤーナ様が死んでしまい戻らないことが分かった時、私は彼女に張られた結界を解いて、彼女を放置するよう指示されている。彼女の生命を維持していた結界がなくなれば、彼女はそのまま永遠の眠りにつく。

 私の手の中のペンダントの宝石が光って、ほんのり熱を帯びた。でも私はそれに応えられない。


 このペンダントは用途を伝えずにアシンメトリコに託そう。


 度々光る宝石にカミュスヤーナ様から彼女への思いを感じる。でもそれに応えられず持ち続けているのは私には耐えられそうもない。それにいつか光ることがなくなってしまったらと思うと。。

 彼女もただ待ち続けるのに疲弊したのだろう。そして、宝石から反応が返らなくなるのを恐れたに違いない。


 カミュスヤーナ様。もう合図は返せません。早くお帰りを。

 私は部屋を出て、その鍵をかけた。

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