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魔王らしくない魔王様  作者: 説那


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呆然者アメリア

 私はアメリア。魔王ゲーアハルト様が、来訪されている部屋に向かっています。


 私が部屋に向かうと、部屋の扉は開きっぱなし。扉横の壁のところには、叩きつけられたであろうセンシンティアが倒れていました。棚の一つは破壊され、卓の奥にはテラスティーネ様が倒れています。ゲーアハルト様は館を出て行かれたようです。


 まず私はセンシンティアに声をかけました。

「センシンティア。起きられる?」

「う・・。」

 センシンティアはその橙の瞳をうっすらと開きました。


「アメリア・・。」

「何があったの?テラスティーネ様も倒れているけど。」

 センシンティアは上半身を壁にもたれ、咳き込みました。

「ゲーアハルト様がテラスティーネ様に手を出されたので、止めようとしたのですが、飛ばされました。」

「まぁ、当たり前ね。で、テラスティーネ様はなぜ?そしてゲーアハルト様は帰られたの?」


「それが飛ばされて、身体を壁にたたきつけられてから、意識がなくて。」

「テラスティーネ様が起きてから聞くしかないわね。テラスティーネ様を寝室に運んでくれるかしら?動けそう?」

「大丈夫です。」

 センシンティアが頭を軽く振りながら起き上がります。テラスティーネ様の元に行き、額と口の前、手首に手を当てて様子を確認しました。


「熱はなさそう。脈は若干早いけど。」

 センシンティアが、テラスティーネ様の背中と膝の後ろに手を当てて、横抱きに抱えます。

「じゃあ、行きましょう。」

 センシンティアに次いで、部屋の扉を閉じて、テラスティーネ様の寝室に向かいました。


「・・アメリア?」

 飲み物等の準備をしていると、寝台に寝ているテラスティーネ様が起きて、声をかけてきました。

「気分は悪くない?これ、飲んで。」

「ありがとう。」

 テラスティーネ様は寝台の上に上半身を起こすと、渡されたグラスの中身を飲み出しました。


「で、ゲーアハルト様と何があったのかしら?」

 寝台の横の椅子に座って、小首を傾げて問いかけると、グラスから口を離して、テラスティーネ様は私を見上げました。

「話している最中に、近くに歩み寄られて顎をつかまれて、視線を合わせて魅了の術をかけられそうになった。」


「それで?」

「センシンティアがそれを止めようと、駆け寄ってきたのを、ゲーアハルト様が突風を当てて、吹き飛ばした。」

「それで?」

「壁にセンシンティアが叩きつけられたのを見たら、カミュスヤーナが私の身体を使って、ゲーアハルト様の手を私から外して。私やこの館、ユグレイティの民、土地に手を出したら容赦しない。お引き取りを。と脅して。」


「・・・。」

「ゲーアハルト様が帰らなかったから、顔に向かって熱波を放とうとして、とっさに私が軌道をそらして、そしたら後ろの棚が壊れて。」

「さすがにゲーアハルト様はお引き取りになり、貴方は倒れたと。いつもながら、カミュスヤーナ様半端ないわね。」

「やりすぎ。」

 テラスティーネ様の目尻に涙が浮かんでいます。


 カミュスヤーナ様が行方不明になって、数多くの来訪者をテラスティーネ様が対応することになりました。その内、テラスティーネ様や他の者に危険が及ぶと、カミュスヤーナ様が、テラスティーネ様の身体を操って追い払うようになったのです。問題はその時のカミュスヤーナ様はとても好戦的で、短気であること。テラスティーネ様曰く、やりすぎなくらいの対応をされます。とても魔王らしい対応を。テラスティーネ様は度を過ぎないよう調整?干渉?しているようですが、たいていその後は倒れてしまわれます。


 見た目では、その時だけ、テラスティーネ様の瞳が、青から赤に変わるらしいです。私はまだ見たことがありませんが。

「カミュスヤーナ様もそんな形で追い返すなら、早く戻ってくれればいいのに。」

 おかげで、テラスティーネ様が対応する間、センシンティアが護衛するだけで済んでいます。何かあっても、カミュスヤーナ様が何とかしてくださるから。


「一時的に身体の制御は奪われるけど、本人の意識と交信はできないから、どこでどうされているのかはわからなくて。」

「でも、カミュスヤーナ様が貴方の身体を使う頻度が高くなっているわ。このままだと貴方の身体がもたないかも。」

 魔王カミュスヤーナ様の存在での牽制が効かない。そのため、ユグレイティの地への干渉が徐々に増えています。それはカミュスヤーナ様が戻らない期間が延びるだけ、干渉も増えます。

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