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第二話 ドキッ、裸だらけの大本営会議 ポロリは無いよ

視聴率100%!なお帝国臣民は強制視聴。

  1945年七月五日、皇居、御文庫附属庫にて異様なる御前会議が執り行われた。

議題は、先の沖縄失陥、そして現在帝国が見舞われている異常事態についてであった。

 

 御前会議は御前の名前が示すとおり天皇臨席で行われるものである。

 当然、そこに出席する人間は、当然日本の戦争指導の軍官トップであり、皆一様に威儀を正して居並んでいる。

 

 異様なのはまず場所である。すべての椅子、机は取り払われ出席者全員が床に直に座っている、唯一、天皇のみが急ごしらえで作られたコンクリート製の台に腰を落ち着けていた。

 

 次に異様なのは出席者そのものであった。皆一様に筋肉の塊でありその巨大と言っていい肉体を窮屈そうに丸めて座っている。何よりも皆全裸であった。

 

 いや全裸は語弊がある、陸海軍代表は小さくなった軍帽を被ると言うより何とか乗せ、鈴木貫太郎首相以下閣政府出席者は、素肌にネクタイを墨で塗っていた。全員なんとか威厳を保とうと真面目な顔をしているところが滑稽だ。

 

 今まさに崩壊しつつある帝国とは言え、なんとも情けない姿だ。出席者一同を見回し天皇は胸中で自嘲した、その瞬間天皇の脳内には無数の同意の声が響いた。

 

 その声は今目の前にいる出席者の声であり、今まさに彼自身に繋がっている臣民の声であった。

 

 そう、この声こそが、今まさに帝国が見舞われている異常事態であり、とある来訪者が列島の人間にバラまいた有難迷惑の所業の結果であった。


 時はしばし巻き戻る。

 


 

読んでくれて有り難うございます。

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