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ファントムナイト  作者: 愛媛のふーさん
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白銀の騎士

 パーティーメンバーと合流して、野営地迄帰って撤収作業を終え帰還の途についた。アリスちゃんに私は聞いたわ。

「アンガス伯爵家縁の教官、騎士の。いたかしら?」

「居ないニャン。其れにアンガス伯爵家縁ならパステルにゃんが当てはまるし、パステルにゃんが一番詳しいはずにゃん」

「そうよねぇ」

「変にゃ事聞くにゃん。にゃんか有ったかにゃ?」

「大した事じゃないの。見かけた気がしただけ」

「見かけたにゃ?見間違いじゃないかにゃ」

「だよね」

 往路でモンスターや野獣の討伐は大規模に行なわれているため、復路は波乱のない静かな単調なものであったわけ。だからアリスちゃんとお喋りしてた。無論さっきの暗殺者への警戒はしてたわよ。

 暗殺者の襲撃は無くて何事も無く無事に学園に帰り着いた。

「ランニングマッシュ売りに行きたいわね。皆で行こう?」

 クリステルちゃんの提案に一堂全員頷いた。学園付属のギルド買い取り所にランニングマッシュ持ち込むと何と金貨86枚になったわよ。一人頭金貨14枚と銀貨33枚。割り切れなかった銀貨2枚で、紅茶とアップルパイ人数分買ってお茶をするの。

「臨時収入を何に使おうかな。一年分以上の小遣いだからなぁ。剣新調しよっか」

ケイン君は楽しそうにそんな事を言いながらパイをぱくつくの。

「私はアクセサリーでも買おうかな」

「お揃いで買うニャン」

「フラウ領の真珠のピアスなんていかが」

我がフラウ領は真珠が取れるのである。領内の広大なサウス湖に自生する二枚貝は、高い確率で真珠を内包する。数少ない地場産業なので宣伝はぬかり無くするわね。

「良いね。パステルのつてのなら良い品が手に入りそうだし」

「ご用命お待ち申し上げます」

 懐具合と腹具合良くして解散したわ。アリスちゃんと連れ立って馬車乗り場に行って迎えの馬車に乗り込んだ。帰路に着き半分程度過ぎた時、襲撃を受けたの。

「お嬢様出ないで下さい」

家臣が御者台から声をかけ迎撃する。家臣たちは果敢に戦うが、多勢に無勢で四人の内二人怪我したみたいなのよ。加勢したいけど標的は私。出るのは悪手、我慢する。賊の手が馬車のドアにかけられたとき、ここ迄かと思ったんだけど賊が切り捨てられたのですよ。取り囲んだ賊が次々に斬られる気配がするのね。家臣たちに加勢が有った様だ。

「ご助成感謝します」

そう声をかけてドアを開けると演習地で見た白銀の騎士が居た。

「アンガス伯爵家縁の騎士の方ですか?」

(あるじ)よ。我が主よ。我が仕えしは家では無く個人。主のみ」

「私が主??アンガス伯爵家の家紋纏ってるのに?」

「纏し家紋は先代の主の家紋。改めて新たな家紋纏わん」

「先代?お祖母様の事?お祖母様に個人的に仕えてた騎士?一体何なの」

「我が名はファントムナイト。幽玄の騎士成り」

何となく人間では無いと理解するわ。厄介な事になるわね。今はそれよりも怪我した家臣たちよね。

「怪我人を手当出来る所へ連れて行きましょう」

「主よ。我が癒やそう。パーフェクトヒール!」

 回復系最上位呪文であっと言う間に回復したわね。

「嘘?!兎に角ありがとう。あれ、居ない!?」

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