とある縁談
新しく剣と魔法とスキルの世界を文体変えて書いてみました。大好きなラノベの世界を縦横無尽に駆け巡りたいです。自分としては文体変えて2シリーズ目。がんばらないで書きます。
「えー。え縁談。私に!?」
私は、パステル フォン フラウ。フラウ男爵家のひとり娘14才です。兄弟は跡取りの弟、ラインハルト10才のみ。父、現当主アーダルベルト32才と母カタリナ30才との間の子だ。我が男爵家は国の端に位置してる貧乏領。とにかく男爵としては最底辺なのよね。なので社交界でも誰も積極的に相手にしない。なので縁談なんて格下の准男爵か騎士爵の箔付け狙い位しか無いと思ってた。
「なのに、なのになんでジークフリード様!!」
因みにジークフリード様とはジークフリード フォン ベルファスト16才。この国ベルファスト皇国の第三皇子だ。確かにこの国の貴族社会では、2歳差位の夫婦が理想的。うん。条件はクリアしてる。王立学院で確かにジークフリード様とは同じパーティーで実習したことは有る。でもそれだけだ。たまたま教授の推薦で皇子様のパーティーのバード(吟遊詩人)の穴埋めに一度選ばれただけ。この世界は魔獣やモンスターが跋扈する世界。当然それらに対処出来なけば生きていけないのよね。だから皇族貴族平民問わず戦う術を、ほとんどの人が身につけている。だから軍隊は子供と老人を除いて皆兵とすることも可能。そのせいで国同士の戦争に成ると取り返しがつかないの。だからこの1500年国同士の戦争は無く平和なのは良いことよね。おっと、話しがそれちゃった。皇子だのパーティーのバードに選ばれた話しだったわね。そりゃパーティーメンバーだからジークフリード様と話す機会はいっぱい有った。でも当たり障り無い話しか戦術的話しのみだった気がするのよね。プライベートな話しはナッシング。容姿も貴族としては平々凡々。バードとしては私の学年ではトップだけれど、天才と称されるものは無いはず。何がお気に召したのやら?我が家に政治的力は無い。皇位を兄上達と闘わないと宣言する代わり位しかフラウの名に意味は無いはずね。
「お父様!間違いなのでは?」
「しかし、陛下直々に皇子絶っての望み故叶えて遣りたいとのお言葉を賜った」
「しかし、望まれる心当たりがありません」
「姉上は皇族に嫁がれるのですね。我が家の誉れです」
「黙りなさいラインハルト。そう簡単な話ではないのです。そもそも皇族に嫁ぐお金がないのは周知の事実。お父様もしや位打ち!ジークフリード様に知らず粗相を働いていたの私?」
「そうではないよ。この婚姻は家は黒字、大幅なね。パステルを純粋に見初められた様だよジークフリード様は」
「黒字。持参金と嫁入り道具で赤字のハズ」
「それは過分の支度金が皇家のみならず皇子様の母君の生家から送られるから差し引き黒字なのだよ。なんでもお前との子供を養子に取るからと」
「はぁ」
こりゃ本気で求婚されてるっぽい。見初められた様だよ。でも、何処で?ま、本人に聞くっきゃないよね。覚悟を決めた。
「それではお受け致したいともいます。そもそも皇命で断わる選択肢は無かったのですが。お父様」
「安堵したよ。パステル」