butterfly
Butterfly
——それが、たとえ神の領域を侵すことになったとしても、それでも、それを手に入れたかった。
「治験?」
「ああ。新しい抗がん剤のな」
どこまでも続くかのように澄み渡った空を見上げて、その男——エミリオは微笑んだ。
ふわり、と風が吹いて、彼の蜂蜜色の髪をふわりと舞わせる。
この高い空と同じように澄んだ、彼のその蒼い瞳に柔らかな雲が映りこんだのを見て、ケルンは小さく吐息をついた。
「……君は本当にそういう面倒な事が好きだな」
「まあ、実際には教授からのお達しで……って側面が大きいんだけどね」
ケルンの問いにそう答えると、エミリオは少々照れたように笑う。
「それでも、この研究でいくらかの人の命が救えるなら、それも捨てたもんじゃないなとは思う」
「……そう言うのを面倒好きというんだ」
呆れたようにケルンがいうと、エミリオは軽やかな声を立てて笑う。
「ああ、確かにそうかもしれないな」
その声が心地よくて、ケルンは思わずその瞳を閉じる。
柔らかな風がそよいで、ケルンの頬を優しく撫でた。
「どこのだい?」
「セントラルケミカル」
セントラルケミカルといえば、製薬会社の中でも最大手と言える。
そこから発生する利権の少なくない部分は、彼の指導医である教授の下へ、研究費として流れるのであろう。
「そうか、あの教授なら食いつきそうな話だね」
ケルンはナマズ顔の教授を思い浮かべ興味なさ気にそう呟くと、冷めかけたコーヒーを一口すすった。
エミリオの指導医であるナマズは心臓外科医であり、実際の抗がん剤治療などは行わない。
しかし、彼の同期である癌専門医には、恩を売りたい事情が山ほどにあるのが医局の現状だ。
研修医を派遣して少しでも恩を売れるならば安いものだと考えている事は想像するにたやすい。
「まあ、そう言うなよ」
エミリオは相変わらず優しげな笑みを湛えてそう返すが、ケルンはその顔を一瞥しフンと鼻を鳴らす。
「抗がん剤の新薬なんて、わずかばかりの成分が違うだけで、基本の成分は何も変わりはしないものが大半だ。実に馬鹿げていると思うけどね」
ケルンの言葉に、僅かにエミリオの瞳が揺れる。
『新薬に賭けましょう!』などと甘い可能性をチラつかされ、副作用の強い抗がん剤の投与へと誘導される患者の事を思えば、心が痛まないでもない。
そもそも、この抗がん剤に関しては、既にセントラルケミカルの本国であるアメリカで臨床実験は済んでいる。
つまり、アメリカでは既に認可が下りているという事になり、逆に言えば既にその臨床結果からこの薬剤の薬価が既存の薬剤と大して変わらないことが判ってきているということになる。
しかし、新薬の認可には、その国独自の治験が必要不可欠なのも事実なのだ。
エミリオは初めて、小さく溜息をついた。
「……っと、いけない。今日はオペの日だった。そろそろ行かないと」
「今日の執刀は?」
「ナマズ教授」
エミリオはそういたずらっぽく答えると、残ったコーヒーを一気に飲み干しカップをダストボックスへと放る。
「まあ、がんばって。あの教授のオペなら、あまり参考になる事がないだろうけど」
ケルンの皮肉に苦笑すると、エミリオは小さく手を上げて屋上を後にした。
『今から、MIDCABによる冠動脈バイパス手術を開始します』
優雅なクラシック音楽にのって、低い落ち着いた声が聞こえる。
特殊な光学顕微鏡を装着しているため、ハッキリと容貌は見えないが執刀医は精悍な顔つきの四〇代中盤の東洋人の男だ。
『橈骨動脈グラフト 採取開始します』
まず、第二助手の医師がそう発すると、機械出しの看護士が滑らかな手つきでメスを差し出す。
『開胸開始』
第二助手の手つきを確認すると、執刀医は低い声で自らもそう宣言した。
声と共に、男はコンプレッセンから露になった胸部の皮膚をツ、と切り開いていく。
ポピドンヨードによって黄色く染まった皮膚から鮮血が溢れ、胸筋が露になると、慣れた手つきで更にメスを進め、やがて心臓が露になると、その脈打つ心臓を固定する。
『グラフト採取、完了』
第二助手の医師が目配せをしてそう報告を終えると、臨床工学技師はそれにゆっくりと頷く。
『人工心肺を……本当に起動させないのですか?』
緊張した面持ちの臨床工学技師の言葉に、執刀医は頷き、凛とした声音で肯定の言葉を述べた。
『……オンビート でいく』
一瞬の後、スタッフ全員に緊張が走るが、執刀医がそれぞれの顔をゆっくりと見回すうちに、その動揺もぴたりと収まってゆく。
『人工心肺は使わず……このままでいく』
対面をはる第一助手が力強くそれに頷くと、外廻りのスタッフまでがそれに習う。
『これより、血管縫合に入る』
ぼうっと光る画面を見ながら、エミリオは思わず感嘆の溜息をついた。
先ほどのナマズ教授の手つきとは訳が違う。
はっきり言えば、ナマズ教授とてここ、ハイデルベルク大学の教授を出来るほどの腕の持ち主である。
それなりに経験をつみ、当然ながら専門医としても一流といっても差し障りは無い程度の腕は持っているはずだった。
しかし、その教授の腕がまるで赤子に見えるほどに、この執刀医の手技は完璧だった。
エミリオは、テープが擦り切れるのではないかと思うほど、繰り返しそれを見る。
オペの執刀医はジョナサン・王……ここ、ハイデルベルク大学病院でもゴッドハンドと呼ばれた前・胸部心臓外科教授だった。
溜息が出るほどの美しく鮮やかな手技。
何もかもが神業と呼べるものだった。
エミリオは白衣のボタンに付いた手術用の糸をクルクルと編みながら、本日何度目かになる再生ボタンを押した。
「……エミリオ?」
「ん……はい?」
再度、この感嘆たる技術の世界に入り込もうとした時、当直室の外から聞きなれた声がかかる。
「何してるんだい、もうそろそろ回診の時間だと思うけど」
「え?」
呆れたように、当直室へ顔を覗かせた聞きなれた声の男——ケルンが溜息をつく。
「全く……君、ナマズ教授に治験の回診押し付……頼まれたんだろ?」
「……あ」
ケルンの言葉に「しまった」と言う表情を浮かべ、エミリオは勢いよく立ち上がる。
「ありがとうケルン。回診すっぽかすところだった!」
エミリオはいそいそとビデオを取り出しデッキの電源を落とすと、うーんと伸びをする。
「疲れてるんじゃないかい?君がそんなミスをするなんて」
ケルンの言葉に苦笑すると、エミリオはビデオをケースにしまいながら首を回した。
「下っ端の僕たちが忙しいのは、今に始まった事じゃないだろ。ま、今日に関しては念願だった王先生のビデオを手に入れられて興奮してたってのが大きいんだけどね」
相変わらず、クルクルと糸を編みながら簡易ソファから立ち上がる。
「そう?ならいいけど……。最近顔色が悪い気がするから。無理するなよ」
「ああ。ダンケ、ケルン」
軽やかにそう笑うと、エミリオは白衣の裾を翻し病棟へと歩き出す。
そんな同僚の後ろ姿を見送りながら、ケルンは小さく溜息をついた。
「……気分、悪いかい?」
十四歳の少女は、顔を真っ青にしながら必死で嘔気と戦っていた。
彼女の細い体が震えるたび、ニット帽の柔らかなボンボンが揺れる。
「……もう、いや……あたし、……どうせ死んじゃうのに……」
そ知らぬ顔でとうとうと落ち続ける点滴を弱々しく睨むと、再びケホケホと咽る。
目じりには涙が滲み、足元には彼女が入院時に持参した大好きな熊のぬいぐるみが無碍に放られていた。
「何を言うんだ、マリア……」
「あたし、知ってるの……」
少女マリアは、真っ白のシーツを握り締めて震える。
「どうせ、このお薬だって……効かないんでしょ……ウッ……」
その、濃い色の瞳に映るのは、深い闇の色。
エミリオは思わずマリアの背をさすると、きつく唇をかみ締める。
「もう嫌なの……治らないのに…ケホッ…こんなに苦しくて……お願い、もう……楽にして……」
マリアの言葉に、エミリオはただ彼女の背をさすり続ける事しか出来なかった。
新薬が、効く保証もない……恐らく、今までの抗がん剤と成果は殆ど変わらないだろう。
しかし、効かない保証もないのだ。
効かない保証がない以上、彼女の両親が治療を望む事は当然で、それを止める権利は自分にはないのだ。
ようやく彼女が寝静まった深夜、エミリオは彼女の頬の涙をそっと指でぬぐうと、ぐったりと疲労の溜まった身体を引き釣り当直室へ踵を返した。
冷たい水で顔を洗い、洗面台の鏡に映る自分の顔を眺める。
疲労と落胆に包まれた、くすんだ肌色、僅かに黄色く濁った結膜。
ぽたぽたと頬を流れ落ちる水滴を乱暴にタオルで拭うと、ぴしゃりと頬を打つ。
——疲れたなんて、言っていられない。
今日見た、ゴッドハンドのような医師になるまでは……いや、自分が助けられる患者を一人でも多く救うために……へこたれている場合などではないのだ。
シクシクする胃の傷みにソロンをコーヒーで流し込むとソファへと倒れこむ。
僅かな間にもトロトロとした泥のように濁った眠気がエミリオを襲うが、エミリオはその眠気を追い払うように首を振った。
まだ、今日の治験患者のデータの整理が済んでいないのだ。
エミリオは気合を入れて立ち上がると、それでもゆっくりとした足取りで医局へと向かう。
彼が倒れたと言う知らせがケルンの耳に届いたのは、それからたった数時間後のことだった。
「……まったく!だからあれほど言っただろう」
「あぁ……まったく面目ないよ」
本当に気落ちしたようにその長いまつげを伏せると、恥ずかしげにその柔らかな蜂蜜色の髪を掻き毟る。
「胃潰瘍で倒れるほどストレスなら、治験なんてやめてしまえ。利権だの何だのと、君には向いていないんだ」
ケルンは器用に見舞いの果物を剥きながらそう突きつける。
そういう生臭い事は、この優しすぎる男にまったくもって向いていないのだと、心底ケルンは思う。
「……何も言い返せないなぁ」
ノリの効いた白いシーツに写る木々の陰を眼で追いながら、エミリオはそう溜息をついた。
その手は、相変わらずベッドのパイプにくくりつけられた縫合糸を編み続けている。
横のテーブルには、心臓解剖図と、縫合糸によって縫われたティッシュと持針器が置かれていた。
「別に、君を無能だとか言っているんじゃない。ただ……君には患者と向き合うとか、そういった事の方が合いそうだ、という事だよ」
そういいながら差し出されたりんごをようやく縫合糸から手を離したエミリオがゆっくりと受け取る。
シャリ、と静かな音を立ててりんごを頬張ると、エミリオはそこで初めて柔らかな笑みを浮かべた。
柔らかでふんわりとした上品な甘みが、口に広がる。
「……うまい」
「当たり前だ。奮発したからね」
エミリオの滑らかな白い頬に、さわさわと揺れる新緑の若葉の影が揺れる。
——『どういうことです、倒れたとは』
ケルンは、溜息をつきながらそう、先輩医師に聞き返した。
「ああ、だから言ったのに」だとか「やはり無理にでも休ませておけば良かった」など、後悔の心が頭を過ぎるが、今更言っても仕方が無い。
ケルンは読んでいた学会誌から瞳を上げると、先輩医師のほうへと向き直る。
瞬間、先輩医師の表情からふとした違和感が読み取れたが、その違和感をケルンは本能的に頭から追いやった。
スウ、と体温が引いていき、血圧が下がるのをひんやりと感じる。
その後の覚えている単語といえば『黄疸』『吐血』そして——。
「明日、オペなんだろう?」
ケルンは軽く頭を振って嫌な考えを振り払うと、やんわりとそう質す。
「うん」
エミリオは病棟のベッドに横になりながら、青い空をのぞいていた。
「医者が、病院の当直室以外のベッドに世話になるなんて、恥ずかしいなぁ」
「……それが、医者の不養生というんだよ。今後は気をつけることだね」
「まったくだ」
小さく笑うエミリオの顔をそっと仰ぎ見る。
「特に君は-D-なんだから……」
もともと色白であった彼の肌は、術前貯血のために蒼白といっていいほどで、まるで、血管さえも透けて見えてしまいそうなほどだ。
「うん」
「………」
まるで、薄い氷の上を渡るような脆弱な沈黙。
しかし、それはケルンにとって永遠にも続くような沈黙でさえあった。
「頑張れ」
「ああ……」
それは、ケルンが生まれて初めて心から神に祈った瞬間であった。
月明かりに照らされて、静かに眠るエミリオの顔を、ケルンはただ見下ろしていた。
風でカーテンがふわりと揺れて、エミリオの白い肌に影が落ちる。
時々僅かに動く長いまつげや、シーツの胸辺りが小さく上下することで、ようやく彼が生きている事を実感できた。
彼が手術室に消えてから、三〇分あまり。
不意に『手術中』のランプが消えた。
開腹オペで三〇分など、いくらなんでも早すぎる——。
いやな予感でドクン、ドクンと心臓の音がやけに煩くて、ケルンは指先が白くなるほど拳を握り締める。
膝がガクガクとして、それでも頭の片隅で『ああ、膝が笑うというのはこういうことなのか』と冷静に考えている自分に苛ついた。
唇がやけに乾いて舌がしびれたように動かない。
スウ、と手術室の扉が開き、執刀医の姿が現れると、ケルンはもつれるような足取りで彼の元へと向かった。
「先生……」
執刀医はケルンの姿を眼に留めると、何も言わずに首を降った。
——縦ではなく、横に。
「あ……」
そのまま、執刀医はケルンの肩を軽く叩き、足早に歩き去る。
「……全身に転移してる。もって……三ヶ月だ」
第一助手の男が低い声でそういい、同じようにケルンの肩を叩く。
ケルンは何も言えず、その場にくず折れた。
次第に遠ざかる彼らの靴音だけが、妙に耳に響いていた。
今、こうやってエミリオは生きているのに。
数ヶ月したら、それが嘘のように止まってしまうなんて。
ケルンの脳は、それら総てを拒否していた。
目まぐるしく回る様々な思いに、自分自身の立ち位置すらわからなくなってしまうほどの眩暈。
人の死など、医師になって当たり前のように目の当たりにしてきた。
それが、今回に限ってなぜこんなにも重苦しいのか。
ケルンはそんな事すら判らなくなってきていた。
——なぜ、彼なのか。
——なぜ、今なのか。
例え、それが神の領域を侵すことになっても。
例え、それが悪魔に魂を売り渡す事になるのだとしても。
彼を助けられる術を手に入れられるのならば、どんな事でもしたかった。
「抗がん剤治療⁈あのセントラルケミカルの新薬の⁈」
思いがけないエミリオの言葉に、ケルンは信じられない思いでそれを聞き返した。
「うん。今回の僕のケースは、この新薬の治験のケースにぴったりだからね。僕から……ナマズ教授に申し出た」
ケルンの言葉に事も無げに言ってのけると、エミリオは清々しく笑った。
その顔からは血の気が引いて青ざめてはいたけれど、驚くほどに美しい笑顔だった。
「……馬鹿な事を言うな!そもそも、君は癌ではなく胃潰瘍なんだぞ」
今にも点滴のチューブを引き抜かんとするケルンをやんわりと手で制すると、エミリオはふわりと吐息をつく。
「ケルン……ありがとう、気を使わせてごめん。でも、僕知ってるんだ。自分の病状の事」
「何……?」
「これでも一応……医者だからね」
『違う、胃潰瘍なんだ』と言いかけて、ケルンは口をつぐむ。
それを認めたくないのは誰よりも自分なのだと、今更ながら気づき心の中で自嘲した。
「たった一人で頑張っているマリアに、少しでも勇気を与えたい。僕は……王先生のような、大勢の患者を助ける外科医にはなれなかったけど……それでも医師として、たった一人でも救える患者を救いたいんだ……ッ……ウッ……」
そういいながらも、這い上がってくる激しい嘔気にエミリオは思わず顔を背けた。
ケルンはエミリオの肩を支え、震える手で背を撫でる。
その肩は想像以上に細く、彼の衰弱振りをうかがわせるのに十分だった。
「……エミリオ、無理するな。少し、休むんだ……」
「……っ大丈夫……クッ……後……もう一つ……」
エミリオはそういって弱々しく笑うと、ケルンの白衣をしっかりと握り締める。
「何だ……?」
「僕は、結局君になにもしてやれなかったけど……たった一つ、僕にあるものを貰ってくれないか……?」
「……な、何を言って……」
「僕の血……『-D-』の血液……。術前貯血で貯めた僕の血を……取っておいて貰ってあるんだ……」
ケルンの脳髄に、青い電流が走る。
「……君はっ!何をバカな事をっ……!」
「君の研究は血液だっただろ……?ははっ、なかなか無いぞ、自由に使える六〇〇ミリもの-D-の血液なんて……」
小さく笑いながらエミリオはその長いまつげをふわりと揺らす。
「だから……君はたくさんの患者を助ける、医師になってくれ。僕の出来なかった……」
ツ、とその空を映したような青い瞳から、まるで水晶のようなしずくが溢れる。
「僕の果たせなかった……大勢の人を救う医師に……」
それから三ヶ月。
「ああ……空が綺麗だな……」
最後にそういい残し、それ以降、その彼の空よりも青い瞳が開かれる事は二度と無かった。
空を、見上げる。
柔らかな雲が緩やかな流れに乗り、流されていく。
冷めかけたコーヒーを流し込み、ケルンはその涼しげな眼を閉じた。
——空には、一匹の鮮やかな蝶が優雅に舞っていた。
【用語解説】
①ミッドキャブ……胸骨を切らず胸を5センチ程度切開し、そこから心臓の一部を視野におき、人工心肺を使わず拍動をさせたままでバイパスを行う手技。
②グラフト……狭くなったり閉塞している冠動脈の先につなげるバイパスとなる別の血管。
③オンビート……人工心肺を使用せず、心臓を停止させずに手術を行う技法。オフポンプとも言う。
④ソロン……顆粒状の胃薬。
⑤バーディーバー……抗D抗体以外のRh式抗体とは反応せず、しかし抗D抗体による凝集は普通のRh(+)の血球よりも強い。その為バーディーバーの患者に通常血液を輸血すると、欠如している抗原に対応する抗体が容易に産生されて副作用が起こる、特殊な血液型。
⑥術前貯血……類まれな血液型を持つ患者の手術の場合、抗原抗体反応を起こさないために、自己血を採取し、それを手術時に使用する。