第四の彩
「ふむ。こんなもんかな?」
柳色の髪をかきあげ、眼鏡をなおす。
スナイパーライフルを手入れし終わった柳は報告書を作成していた。
報告書を作成。次に各部隊大尉に確認。最後に元帥に確認をもらうと手続きは完了である。
「お。おつかれ〜。」
自室を出ると〈『中』藤谷隊:隊長、藤谷 初〉が通りかかった。
初には近接の隊長に兄がいる。
「初さん。お疲れさまです。」
軽くお辞儀をする。
「どこ行くの?」
「大尉室です。」
歩きながら柳たちは会話を進める。
「報告書?」
「はい。」
「僕も大尉に用があるんだ〜。一緒に行こ〜?」
「はい。ぜひ。」
コンコン
「どうぞ。」
「失礼します。」
初と別れ大尉室。
「柳くん、帰ったのね。お疲れ様。」
アンティークの机に書類を広げ、千歳を迎えるのは〈遠距離部隊:大尉、焚野 紫苑〉。
紫苑色の髪を三編みハーフアップにして後ろはリボンの付いたバレッタで留めている。
「ありがとうございます。報告書を作成しましたので確認とサインをお願いします。」
「えぇ。そこに座って待ってて。」
「はい。」
この部屋にソファはない。その代わりにテーブルとイスがある。
よく、遠距離部隊でミーティングというお茶会を開いているためだ。
ダダダダっ!バンっ!
「紫苑ー!ちょっと訓練に……あれ?千歳やん。おかえり〜。」
「ただ今戻りました。」
「瑠璃さん、ドアはノックしてから開けてください…。」
ふぅ…と焚野がため息をつく。
駆け込み、大尉室に入ってきたのは〈神宮寺隊:隊長、神宮寺 瑠璃〉。
瑠璃色をした天パを長く伸ばしている。タレ目が眠そうな印象だ。
「ごめんねぇ〜。ちょっと見てもらいたいところがあってん。」
「これが終わってからでもいいならいいですよ。」
「ホンマ!?おおきに!先に練習場に行ってるわ!」
ダダダダっ!
「あ、嵐のようだ…。」
「元気そうでなによりです。」
焚野はうんうんと頷く。
「はは……。」
「はい。大丈夫です。では、元帥に渡しておきますね。」
「はい。ありがとうございます。」