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消えた世界で彼らは鮮やかに戦う  作者: 太刀風 紫雨
3/5

第二の彩

ギギィ…ガコンッ


重い扉を開け、カンカン…と鉄製の階段を降りていくとそこには都市があった。

地下シェルターと言うには大きすぎるかもしれないが、かつての世界からすれば

ちっぽけなものだった。




「おかえり〜」

怪我(けが)したやつは後で処置室(しょちしつ)来いよ〜」

「お疲れさまです!」


三隊を迎える声が響く。



「「「東雲隊、坂城隊、柳隊、ただ今戻りました!」」」



声を(そろ)え、迎えてくれた仲間(家族)に無事帰ったことを伝える。


「任務ご苦労さま〜。」


皆の中から一歩出てきた女性は珊瑚(さんご)色の髪をハーフアップにまとめている。

元帥(げんすい)が待っているわ〜。隊長たちは報告をお願いしますね〜。」

ふわんとした喋り方で元帥の部屋へ行くようにうながす。





コンコン

「入れ。」

「「「失礼します。」」」

声を揃え返事をする。

ガチャ…金属のドアノブを回し扉を開ける。

部屋には執務(しつむ)用の机と椅子、ソファ、整頓(せいとん)された本棚があり、(チリ)一つ無い。掃除が行き届いている。


その空間で椅子に座っている黒髪の男性は〈元帥:黒瀬(くろせ) (はじめ)〉だ。

その前に呼ばれた三名は並ぶ。


「東雲隊、」

「坂城隊、」

「柳隊、」

「「「ただいま帰りました!」」」


元帥室へ促した女性は元帥の左側につく。

彼女の所作は柔らかいが一部の隙もない。

流石(さすが)は〈大佐(たいさ)園宮(そのみや) 珊瑚(さんご)〉と言ったところだ。


「おかえり、ご苦労だった。軽く報告をしてくれ。」


「では、私が。」

〈東雲隊、隊長:東雲(しののめ) 慶心(けいしん)〉がそう言って前へ進み出る。

「では、慶心頼む。」

「はい!今回の任務ではまず、重症者は出ませんでした。今回怪我をおった隊員は処置室に行っております。」

「そうか。それは、良かった。では敵の数は。」

「敵の数は後に出現したものも含め全部で6体…」

「7です。小さいのがおったんですよ。」

というのは〈坂城隊、隊長:坂城(さかき) 牡丹(ぼたん)〉。

「……うむ。なるほど。近頃『空帰(からき)』の動きが活発化しているように感じられるな。」

「はい。ここ最近では一番多い数だと思われます。」

「…千歳、高台から見て何かいつまでとは違うことはあったか?」

「いえ、特になかったと思います。」

名前を呼ばれた〈柳隊、隊長:(やなぎ) 千歳(ちとせ)〉はそう答える。

「偶然ならばいいのだが…。」




元帥と隊長たちに沈黙(ちんもく)が流れる。

「うむ。とりあえず任務ご苦労。報告書は後でもいい。しっかり休め。」

「「「はい!」」」




















パタン…。

「園宮。」

「はい〜。」

「規則性を見出だせるかもしれん。報告書を見てデータを作成しておいてくれ。」

「早急にご用意いたしますね〜。」




















隊長たちと大佐である園宮が出ていった部屋で黒瀬はふぅ…と一人、息をつく。

「まだまだだな…。これからだ。この組織も、……自分も。」



















「では、うちは湯浴(ゆあ)みに。」


「僕は銃の手入れを。」


「オレはとりあえず処置室に行くか。」



では。と元帥の部屋を出た三人はそれぞれ別方向へと別れていく。


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