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消えた世界で彼らは鮮やかに戦う  作者: 太刀風 紫雨
1/5

プロローグ



初めは、たったひとつの汚れだった。        



それは水に墨を滴下したように徐々に…徐々に…しかし確実に、広がっていった。    

              

かつて、何もなく白かった世界。人々は文明を発明し、国を造り、赤…青…緑…様々な物の色で、世界を満たしていった。


国では各々の文化が発展し、街には鳥がさえずり、人々の声が交わっていた。




その世界の名は「キャンバス」

















……世界は鮮やかな色を失い、暗闇に包まれた。


古に「キャンバス」と決められた名前が、今ではこう呼ばれている。


















       『色のない世界』




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