自己紹介という鬼門
クラス替えの結果はまぁまぁだった。
見事に霧島と離れた。今年も静かに過ごせそうだ。
そんな安堵していた時間もつかの間。とても重要かつ、クソめんどくさいイベントがある。危険度58くらい。
新年度には付き物“自己紹介”である。
これによって今年1年がどうなるか決まる。
怖ぇ…怖ぇよぉ…
ちくしょう!!こちとら普通授業の発表ですら緊張で吐瀉物噴出しそうなるのに…
何が自己紹介だよ!!自分は嫌悪する存在であって、紹介するもんじゃねえだろ!!
“自己哨戒”ならいくらでもやってやるが…
……そんなつまんねぇことは今はいい!!
どうしよどうしよどうしよどうしよどうしよどうしよどうしよどうしよどうしよどうしよどうしよどうしよどうしよどうしよどうしよどうしよどうしよどうしよどうしよどうしよどうしよ
「次は…小林 裕也ー」
「はい」
やべぇー何も考えてねぇ…
僕の前は陽キャしかいなかったから持ち前のトーク力でクラスを笑いの湖にした。海ほどじゃない。そんなに面白くなかったし。…ってそんなことはどうでもいい!!
考えろ…
…………っ!!これなら!!
「元1組小林 裕也。趣味は…人間観察です。このクラス良くしようって気は無いし、悪くしようって気もないです。
まぁ…持ちつ持たれつ、公平にいきましょうや。よろしく」
……教室がざわついている。そりゃそうだ。人間観察が趣味の変人が持ちつ持たれつ、公平にとか言い出したんだから。
少し周りを見渡すと、井上がすごく笑っていた。陽キャ共の時の数十倍くらい。
そんな笑えたか?まぁ良い。
あの自己紹介には別に意味がある。あの中には、アニメ好きなら誰でも知っているアニメのセリフを織り込んでいる。つまり、同士探しも兼ねてたってことだ。これに反応して少しでも同士が増えるといいのだが…
ちなみに、セリフを織り込んでいるとはいえ嘘は言ってない。人間観察は好きでよくやるし、クラスを良くしようとも思わない。まぁ、ちょうどいいセリフがあったってだけだ。
その後、
「あなたのお命頂戴しに参りました。」
……なんか来た
はい。やっとこさ話が進みました(笑)
今回は、慌てふためく小林の話です。
前回や前々回は少し重めの話でしたが、全体的には明るめの作風にしたいと考えておりますので今後ともよろしくお願いします!
感想等ありましたら遠慮なく書いてってください!