ルーツ
「はぁ…」
僕は、新しいクラスへと赴いていた。
今日は、4月10日。
新しいクラスの全員が顔を合わせることとなる。仲がよかった者同士は歓喜し、初めて同じクラスになった者同士は、相手と共通の趣味が無いかと模索する。
だが僕は、進んで交流しようとは思わない。人見知りだし、少し疑心暗鬼な所もある。その上、僕は厨二病だ。
何故こんなお粗末な人間になってしまったかって?それを語るには、僕の人生を遡る必要がある。
ー約10年前(小林 年長)ー
「裕也!!勝負だ!!」
「受けて立つ!!」
幼稚園生の頃は、皆戦いごっこなどに没頭していたのではないだろうか?
自分はそれが好きでよく遊んでいた。今でも面白いなと感じてしまうのが本音だ。
そんな戦いごっこをしている僕らのグループは、今じゃ考えられない事だが、クラスの最上位カーストに位置していた。
そんな僕らのグループは、おままごとをしている女の子グループと遊んでいた。
おままごとと戦いごっこを組みあわせたなんとも工夫した遊びで。
そんな感じで遊んでいく中で一人の麗華ちゃんという女の子に恋心を抱いた。そして驚くべき事に彼女もそうだった。いや、そうだと思っていた。
彼女は、僕にバレンタインチョコをくれたり、「好き」という言葉を綴った手紙もくれた。素直に嬉しかった。
しかし、幸せというのはそう長くは続かなかった。
ある日の弁当の時間僕は彼女を探していた。そんな時ある子にクラス全体に聞こえる声で
「麗華ちゃんって裕也君のこと好きじゃないって!」
と言われた。
彼女は、それを否定するどころか蔑むような目で僕を見ていた。
別に付き合っていた訳じゃないし、幼稚園児のなんてそんなもんだろう。
しかし、当時の自分の心をへし折るには、十分だった。
本当は泣き出してしまいたかったが、ぐっと堪え
「そっか」
と、素っ気なく言い、1人で飯を食い、
足早に教室を去ったあと、幼稚園の倉庫の隅で号泣した。
今思えば、最初から両思いなんかでは無く弄ばれていたのかもしれない。
その後、僕の性格は荒んでいたと思う。
いつものグループで煽られ、6対1で喧嘩した事もあった。結果は圧勝だった。体格に恵まれ、喧嘩もそれなりに強かったからだ。
そんな生活を、卒園するまでの約2ヶ月していた。
そんな中で2つの考えにたどり着いた。
「人を簡単に信じてはいけない」
「自分には魅力なんてものは無い」
はい。
見事に進みませんでしたね(笑)
今回は、過去回想という感じでございます。小林のひねくれのルーツ(起源)ですね。実話も混じってたり混じってなかったり…
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次回もよろしくお願いします!!