入学式
『えぇ、これより北上中学校入学式を開会いたします。』
始まってしまった…。ここから約2時間動いてはいけないなんて、1種の拷問だと思う。しかも、クラスごとで横並びになるため、1組である僕らは、1番前の列なのである。
そう、つまり僕は、先生に一番監視されやすい列なのである。
クソッ、寝れねぇじゃねぇか…
そんなことを考えていると隣にいたやつが、僕にもたれかかってきた。
こいつは、中澤 亮
僕が嫌いな連中の1人だ。僕のことを厨二病だと言って煙たがったり、女好きだと罵って来たりするようなやつだ。
僕は、自分を厨二病だと思ってるし、女好きというよりフェミニストに近いと思うんだが? とか考えててあまり気には止めていなかった。
だが奴は僕だけでは飽き足らず周りの人に誰彼構わずちょっかいを出そうとしてやがった。それを防ぐべく、ちょっとガツンと言ってやった。そしたら、僕のあることないこと言いふらし始めた。僕に軽蔑の眼差しを僕に向けさせ僕の“普通の生活”を邪魔しようとしたのだろう。たぶん…
まぁとにかく、もうこれ以上関わりたくなかったから、それからは放置してたのだが…
なんでこいつに寄りかかられなきゃいけないんだよ。
…まさか!?
やはりそうだ。少し熱がある。
どうやってこいつを運ぶかな…ってなんで助けようとしてんだ!?僕には、助ける義理なんて無いはずだ。
まぁ…でも調子悪いの見ちまったしなぁ
うん、心配だし連れていこう!
べ、別に、入学式サボりたいってわけじゃないんだからねっ!!
うん、小林君嘘つかない
…やっぱり頭の中でずっとこんな感じって…厨二病だなー
僕は、先生にことわって保健室まで中猿君をおぶってった。あれ?梨汁君だっけ?まぁなんでもいいや。
その中セガールを届けて戻ってきたら、ちょうど、校歌を歌う直前くらいだった。
…まだ1時間くらいある。
しゃーねー、頑張るっきゃねぇか。
その後、僕は、校長の話、PTA会長の話など諸々の約1時間の苦痛に耐え、入学式を終えたのだった。
今日は、あとクラスの発表だけらしい。
体育館に貼りだされ始めた。
僕は、嬉しいような、悲しいような複雑な気持ちに見舞われた。
「こばちゃん!! またよろしくね!」
彼女は、やはり笑顔だった
今後ともよろしくお願いします。