彼女は?
僕はK1号たちを撒き、自分の教室に戻った。あいつらは、金原が何とかしてくれるだろうと考えながら。そして、ドアを開け中に入ろうとすると長髪の女の子が声をかけてきた。制服のリボンの色からして1年生だろうか。彼女は僕の名札を確認すると放課後、校舎裏に来て欲しいという旨を僕に伝え走り去ってしまった。
……なんだこれ?ドッキリかなにかか?女子の後輩なんて知らないし、ましてや“放課後校舎裏に”なんてコテコテの告白フラグなんて僕には似合うはずもない。
まぁ取り敢えず、あの子のことを調べてみないとな。
感じからして目立つタイプじゃ無さそうだ。少し同類の匂いがした気がするんだが…まぁ今それは良い。
うーん、情報が少な過ぎる。こんな時は
ー2年2組ー
「あ、霧島呼んでもらえる?」
僕は、近くにいた女子に声をかけた。するとそいつは
「なんの用?」
と、すごい剣幕で睨みつけてきた。
しくったな。なんで女子に声かけちまったんだ?
「いや…聞きたいことがあんだけど。」
「あんたみたいな奴が霧島君と話そうなんておこがましいのよ。」
なんだこいつ?…あー、あの噂のせいか。はぁ…面倒臭ぇ
「あー分かった、分かった。ったくこれだけはしたくなかったんだが…」
「な、何!?私を殴る気!?」
と、彼女は顔を隠した。
んな事するか馬鹿。それにそれだと腹がら空きじゃねぇか。
「霧島集合!!」
僕は教室どころか廊下中に響き渡らんばかり大声で叫んだ。応援団のように体をそってね。
すると、廊下にいる全員が僕に驚いた様子で注目した。はぁ…だから嫌なんだよ。
「はーい!!」
それと同時に僕に負けないくらいの大声で霧島が返事をして教室からてできた。
まさに神対応!さすがイケメン!
「どしたのさ?珍しい。」
「悪ぃな。ちょいと聞きたいことがございましてね。」
そんなことを話しながら何も無かったかのように僕らはその場を後にした。
僕らは、空き教室に場所を変えた。ここなら誰も来ないからね。
すると、霧島が
「あ、お前あの噂」
「おん」
「大変ね…」
「まぁな。そのせいで大声出す羽目に…」
「あらら」
やっぱり、こいつは良い奴だな。真偽を聞かなくても分かってやがる。
「んで、今日は何用だい?」
「ん、それがさ」
少年事情説明中…
「なるほどね…」
「お前の知ってるやつでこんなのいない?」
「さすがに情報が少ないな…」
「やっぱり?」
「似顔絵とか描けないの?」
「ちょっとやってみるわ。」
似顔絵製作中…
「うん、やっぱり分からん」
「だろうな」
「でもなかなか上手い。おかげで3人くらいに絞れたわ」
「お、さすが」
そう、こいつはほぼ全校生徒の顔と名前を覚えているのである。キモイと言いたいところだか、こいつなりの努力なんだろうな。誰とでも話せるようにっていう。
「んで、そのうち1人は今日は欠席らしい。」
なんでそんな事知ってんの?やっぱ前言撤回、キモイわこいつ。
「で、あと2人か…」
「なぁ、その子の特徴とか他にない?」
「うーん、メガネなし両目一重で身長約160cm弱、恐らく利き手は右で…」
「分かった分かった。ったくその一瞬の出来事でよくそこまで鮮明に分かるな。さすが趣味人間観察。」
「うるせ。で、絞れたか?」
「うん、多分それは1年4組の篠宮 愛さん。」
「おー」
「大人しい子で休み時間はいつも本を読んでいるらしい。」
霧島は手帳を取り出し彼女の情報を話し始めた。
「ほうほう」
「んで、ここからがすごい重要なんだけどーーー」
ほう…
「霧島」
「ん?」
「もう1個頼んでいいか?」
「おう!そう来ると思った」
知っちまったらやるしかねぇだろ
ー放課後・校舎裏ー
「よう、待たせて悪いな」
「い、いえ」
「んで、なんだいね?用件は。」
「はい…す、好きです!わ、私と付き合ってくださいませんか!?」
はい、楽しんでいただけましたでしょうか?
不要不急な外出は避け、なるべくひろげないようにしましょう!
感想等ありましたら遠慮なく書いていってください!
次回もよろしくお願いします!