あいつは...
ー金原 菫
学級委員長であり成績優秀、スポーツ万能と絵に描いたような完璧超人で学年の人気者でファンが数多くいる。しかし、あいつは乾いている。周りは気づいているかどうかは知らないがあいつの浮かべる笑みは乾いている。それどころか奴が周りに真の感情を見せているところを見たことがない。だからあまり関わるべきではないと思っていた。でも何故か分からなかった。最上位カーストだからということ以外で何かある気がするのだがなんだろうか…
放課後、僕と金原は実行委員の仕事で会議に出た後担当になった仕事である看板作りをしていた。
「小林君、それとって」
「あいよ」
こんな感じで最低限の会話しかしていなかった。こんな状態がしばらく続いた後僕は1つ質問した。
「なんでだ?」
「ん?」
「なんで立候補した?」
「あー、誰もやろうとしなかったからよ。」
「だからって暴力野郎となんてやろうと思わねぇだろ?」
「本当にやってたならそうだろうけどね…」
そりゃそうだわな…うん?
「お前…」
「うん、私は君はそんな事しないって思ってるよ?」
は?
「なんでだよ?僕とお前はそんな親交深かねぇだろ?」
「うん、でもね私は分かるのよ。」
ますますよく分からん。
「小林君、初めて会った時にに君私になんて言ったか覚えてる?」
「さぁ?」
僕と金原は一応同じ小学校だったが話した記憶なんてない。いつの事だ?
「…小学校4年生の時、君に声をかけたら凄い嫌そうな顔しててさ」
その年から厨二病始まってたからなぁ
「理由聞いたらさ…表情が乾いてるからだって」
「……なんか悪いな」
「ううん!正直嬉しくて…」
「は?」
「私さ、周りを少し伺って笑っててさ、小林君にああ言われて初めてちゃんと私を分かってくれたというか真正面から見てくれたというか…」
「んな馬鹿な。僕はそんなカッコイイ人間じゃねぇよ」
「…君が自分のことをどう思っているか分からないけど私からしたら君は私の恩人なんだよ。こんな私でも分かってくれる人がいるんだって…」
「…でも友達100人でおにぎり食べれるくらい造作もないくらい友達がお前にはいるだろ?」
「確かにそうだけどそれは私が作っている金原 菫の友達。本当の私はこんなにも自信が無い。こんなんじゃダメだとは思ってるんだけど…変わらないといけないと思うのだけど…」
彼女のは僕に背中を向けた。その肩は少し震えていた。
僕は残念なことに主人公じゃない。こんなときの対処法なんて知らない。だから
「僕は…」
馬鹿正直に言いたいことを言うだけ。
しっかり休み、免疫を高めていきましょう!
感想等ありましたら遠慮なく書いていってください!
次回もよろしくお願いします!