君は
「んぁ…」
目が覚めたら白い天井が広がっていた。
「知らない天井だ。」
これはお決まりだよね?…記憶が曖昧だ。えっと…
ー1日半前ー
俺の前のクソ男が吹っ飛んでいた。一瞬何が起こったか分からなかったが、井上の声で気が付いた。僕が殴ったのだった。
「あ」
「うおぉぉい!ーーーーー
奴の仲間が駆け寄っていた。なんだ、少しくらいなら人の心あんじゃねぇか。
っ!井上と水川は!?
…何も無いようだ。良かった。
「こ、こばちゃん!」
「大丈夫ですか!?」
「あーあ平気平気。ったくなんつー顔してんだよ。」
「だ、だってぇ…」
はぁんな顔したら美人な顔が台無しだぜ。…なんて俺が言っても…余計傷つくか。
「そんなことよりお前ら怪我は?」
「大丈夫ですよ」
「う、うん大丈夫!」
「ならよかったよ」
「あぁそれと救急車」
「はい、もう呼んでます」
「なら…向こうを先に連れて行ってもらえ」
「な、なんでよ!?こばちゃんの方が重症でしょ!?」
「俺は大丈夫。それに、パンチ手加減できてなかったから下手すりゃ向こうの方が骨折ってんぞ」
「で、ですが…」
「…分かった」
「水川さん!?」
「確かにこばちゃんの方がパンチ強いしね…」
「ありが…」バタッ
ーそうか…それで僕は…
はぁ…
「恥ずかし過ぎんだろクソが!」
嫌な癖も出ちまったしな…
「『俺』とか恥ずかし…」
僕は感情が高まると一人称が変わる。
普段から「僕」以外に「わっち」とか「わちき」、「わし」とかはふざけて使うが「俺」だけは本当に使わない。何故かって?僕が言うと気持ち悪いからに決まってんだろ。
あぁ恥ずかしいよぉ…
「死にたぃ…」バタバタ
トントン「すみません、井上 涼香です。」
なにっ!?何の用だ…って縁切りか…仕方ねぇか。誰も暴力野郎と関わりたかねぇか!よし、キッパリ別れられるように…
「はい、どうぞ」
「っ!失礼します!」ガラガラ
彼女はドアを少し勢いよく開け短い髪をなびかせ、僕に近づいてきた。
「よぉ」
「っ…す…すごく!心配したよ!」
「1日起きなかったくらいで大袈裟だな。」
「大袈裟じゃないよ!」
彼女は本当にいい人だ。今から縁を切ろうって男にまで優しくしてくれるなんて…?
「本当に…うぅ…」
彼女の頬に大粒の水が流れる
「お、おい…やめろよ。切りにくくなるだろ…」
そうだ、そんな…ことされたら勘違いして決意が揺らぐじゃないか…
「切る……って…な…にを?」
「何って」
「ん…お前、俺との関係を…「そんなわけないじゃないっ!!」
「え…?」
「何言ってるのよ!私が君との関係を切る?そんなわけないでしょ!?」
「だって…暴力振るうような奴とは関わらない方が…」
「君はそんなどうしようもない人間じゃない!人のために戦える強い人よ!」
「…」
「そんな君に…わ、私は救われた…」
「そんなこと…「裕也君…」
「!?」
「本当に…ありがとう…そして…」
彼女が何か言おうとした瞬間…聞き覚えがありすぎる雑音が…
「小林ぃぃぃぃ!」ガラガラ
あー
「タイミング悪すぎなんだよこのクソったれ!」
「えぇ!お見舞いに来た奴になんて物言いだよ!?」
「じゃかましい!!何お見舞い来てくれちゃってんだよ!?良い奴だなありがとう!」
「おう!あんま変わってなくて何よりだよ!」
「ふふっ」
「ひひっ」
「ははっ」
その後僕の病室に笑い声が響いたのは言うまでもない。
皆さん!!忘れないでくださいね?こいつら中坊ですよ?所詮はガキですよはい(笑)
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次回もよろしくお願いします!