裏第二十九話 その二
俺はある行動を取った
『逃げる』
『強く抱きしめる』 ←(本編)
>『頭を撫でる』
花が錯乱しているのだ。落ち着かせるならやはり頭を撫でてあげるのが一番だろう。できるだけ優しく、包み込むような優しさをイメージしながら花の頭を撫でる。
花が顔を上げ、遼の顔を窺っている。その表情はまだ何も無い、目もどこを見ているかわからない虚ろのままだ。
しばらくその状況が続いたのだが、急に花の顔が変わった。目は虚ろのままだが、口が裂けるほどつり上がった。笑顔なんてものではないのだが、花自信は笑っているつもりなのだろう。
「うふふ……あはは……あはははははははははははははははははははははははははははははは」
部屋中に響く花の笑い声。まるで何かに憑かれたかと思うぐらい狂ったように笑う。幽霊なんかよりも人のほうが怖いとこの時思ってしまう。
「遼さん! 私を受け入れてくれるのですね!」
受け入れるつもりは無い。ただ落ち着かせようと思ったのだ。それでも花は勘違いをして受け入れたと思っている。
「花落ち着いて! 君は正気じゃないよ! いつもの花に戻って!」
「何を言ってるんですか? 私は正気ですよ。遼さんを好きな気持ちでいっぱいですもの。さあ遼さん、私と子作りしましょう」
そう言って花はものすごい力で遼をベッドへ押し倒し上からのしかかる。動けないように肩に手をを置き体重をかける。そしてキスをする。触れるだけのキスではなくまるで遼を食わんとばかりに貪る。
満足したのか一度顔を離し服を脱ぎだす。豊満な花の胸が目の前に出され興奮できないなんてできるだろうか。
「うふふ、さぁ遼さんも脱いでください。元気になってきていますよ」
抵抗ができない。頭が快感でいっぱいになる。このまま花と体を一つなって快感に溺れるのもいいじゃないか。
そしてそのまま花に犯された。朝になるまで、朝になってもずっと犯され続けた。
ごめんな桜、ちゃんと伝えて上げられなくて。
「桜……」
その時上に乗っている花の動きが止まる。そしてその手が首を掴む。
「遼さん、私がいるのに別の女の名前を呼びましたね。」
その手に力がこもる。花の目は殺意に満ち溢れている。遼は連戦の連戦でもう抵抗する体力は残っていなかった。
「許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない」
力が緩むことはなく、遼が苦しそうにしてもその力は増すばかり。しばらくすると遼は苦しみすらなくなりぐったりする。それでも花の手は離れずない。
遼の息が途絶えてからしばらくすると花は手を緩めた。そしてその顔は殺したことの罪悪感などは一切無く、艶やかな表情をしていた。
「これで遼さんは私の物です。さあ遼さん続きですよ」
花は再び動き出し、屍となった遼を犯し続けるのであった。