裏第三十六話
体が重い。前にもこんなことがあった。またデジャブを感じる。あれは……海に行った日だ。あの時は確か……抱かれている感じがしたのだ。今回は……俺の上に何かが乗っているような……!?
「あら、起きちゃったのね」
俺は一気に目を覚ました。俺の目の前には桜、なのだがマウントを取るような形で俺の上に乗っている。しかもこの前と違うのは桜はちゃんと起きている。浴衣から着替えてパジャマになっているし寝ぼけている感じはまるでない。
「残念。もう少し遼の寝顔を堪能したかったのに」
「桜、重いぞ」
「さっきは羽根のように軽いって言ってなかった?」
起きていたのか!? いつから!? まさか神社から寝たふりをしていたのか!?
「起きたのはさっきよ。でも兄さんと話している声はしっかり聞こえてたのよ」
また感づかれた!? 小悪魔モードの桜には俺の心が丸見えなのかよ!?
「遼、私に失礼なこと考えていたでしょ?」
「そんなことないぞ。桜はいつ見てもかわいいなと思ったんだ」
「うふふ、ありがと♪」
うん、これは嘘ではないよ。思っていたことではないけどね。とりあえずどいてくれないかな?そんなところでモゾモゾされると元気になってしまいます。あと顔がエロいです。
「眠いから俺が起きてからにしてくれないか?」
「起きたら私とエッチしてくれるの?」
「いや、しない」
「なら今からやりましょう」
なぜそうなる!? さっきやらないって言ったよね!? てかこのままだとマジで俺の童貞喪失してしまう! 別に童貞を貫き通すつもりはないがそれは今ではない! なんか今日の桜はやたらと積極的だな。肉食系に目覚めたか? いや、小悪魔が淫魔にランクアップしただけか。やっぱり顔と仕草がエロいです。
「また失礼なこと考えていたでしょ?」
「はぁまたってなんだよ。そんなこと考えてないよ」
「じゃあエッチしましょ♪」
『だからしねぇよ!?』←(本編)
>『はぁ仕方ない。今日だけだぞ』
女の子がここまで言ってくれているんだ。男の俺が逃げてばかりだと女の子に恥をかかせることになる。桜もこんな性格だが、きっと思い切ったことをしてるに違いない。
遼は自分に馬のしている桜の頭に手を回しお互いの顔を近づける。桜も一瞬驚いた顔をしていたが、受け入れられたことに満足感を得たのかにっこりと笑い、そして二人の距離が無くなった。
「ちゅ……んんぅ……ちゅ……」
ついばむようなキスでお互いを確かめ合う。桜も遼の首に手を回し、離れんと主張するかの様に遼の唇を貪る。
「んぅ……はぁ……はぁ……ちゅ……りょう、もっと、もっと激しく……ちゅ」
その言葉で遼の何かが切れた。馬乗りにしていたが、体を入れ替えて今度は遼が上になる。完全に主導権を握るつもりだ。
「桜、もうやめてなんて言ってもやめないからな」
「うん……。遼の好きなようにして」
そして再び重なる唇。さきほどとは違い熱い、濃厚なキス。いやらしい湿った音が桜の部屋に響き渡る。
遼はキスをしながら桜のパジャマを脱がしていく。桜も抵抗せずにむしろ早くしてくれと言わんばかりに体をくねらせてついに一糸纏わぬ姿となった。
「きれいな体だ」
「恥ずかしいけど、遼ならもっと見ていいわよ」
そして遼は桜の体を貪るように舐め回した後、めちゃくちゃ体を交えた。