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神殿にて贈り物 後編

お久しぶりです。

更新がかなり遅くなりました。

リアルが死ぬほどくそほど忙しい。

二人も子供がいるとどうしてこんなに忙しいんだろう。


 そんな会話をしている中で神殿へと向かう。

 そしていただいたのは神からの奇跡というものだった。

「本来ならば修行した者が海王様からいただく奇跡なのです」

「海王?」

 思わず首をかしげて聞き返せば、

「存じませんか? それぞれの魔獣の長にしてこの世界の神です」

 神。

 なんだか壮大な単語が出て来た。

 とはいえ、ゲームだ。神の一人や二人……いや。一柱、二柱ぐらい出てくるだろう。

「海王とは魚族の長です。

 とはいえ、長らく声が聞くことができませんでしたが……」

 そう言っている。

「きっと神殿を取り戻していただいたあなた方になら奇跡を与えてくれるでしょう」

「つまり確実に海王から奇跡をいただけないと……」

 思わず皮肉めいた事を言ってしまった。

 そうつぶやけば、

「……そうなりますな。

 とはいえ、きっと答えていただけるでしょう」

 そう言う。

 どうやら奇跡をいただけないということもあるらしい。

 とはいえ、確実にというわけでもなさそうだ。

 まあ。ゲームのメタ的に考えると奇跡というプログラム。それに一致するタイプでなければ無意味ということだろう。

 正直、海系と相性が良い職業ではない。

 それを考えるとあまり期待できないが……。

 だからといって、「なら止めます」

 と、言うことが出来るほど厚顔無恥な性格では無いのだ。

 なのでおとなしく話を聞くことにした。

 まあ。やって後悔することはないだろうし……。イベントクリア報酬で職業は関係なく良い者がある可能性があるのだ。

 そうしてたどり着いた神殿はなるほど厳かな印象がある。

 全体的に青色系統をしており貝殻などで飾り付けをしている。

 ある意味、ポップというかファンシーな印象があるかもしれないがそれでも厳か。そんな印象を与える場所であった。

「あなた方が水中活動が可能な首飾りを持っていますね。

 それなら大丈夫でしょう」

 そう言われていたのだがそれも納得の場所。水中にあるのだ。

 なので神殿の中を魚が泳いでいる。

 それが余計に神秘的な印象を際立たせていた。

 そう言って向かった先にある神殿でお詣りする。

 すると輝きが放たれると、

【スキル・水中活動Ⅱを会得しました】

 と言うステータスが現れた。

 水中活動。

 その名の通り、水中でも陸上と同じように活動ができるというスキル。

 ちなみにⅡというのがあるとおりスキルの強力さで数字が増えていくらしい。

 最大でⅤでありⅡならばかなり深い水の中でも活動が可能で息継ぎが必要な時間もかなり延びているそうだ。

 Ⅰだとしたら息継ぎが一定時間後に必要だしある程度の深さだと活動に阻害が出るらしい。なるほど加護らしい加護だ。

 そう思っている中で、

『お主らでは……任せられない』

 そんなメッセージが出ていた。

「? 任せられない?」

 妙な言葉にオレらは首をかしげる。

「……これはどういう意味でしょうか?」

 連れてきてくれた神官に聞くと、

「そうですね。海王様が特に評価しているのは水兵系統の職業を持つ冒険者ですね。

 その方々は海王様の眷属と契約されやすいので」

 そう答える。

「なるほど……水兵というか……。

 職業限定のイベントなのかもしれないな」

 そうオレは納得する。

 そういうゲームというかイベントというのはけしてめずらしく無い。

 普通のゲームとかでも職業を選択できる系のゲーム。

 そういうのだと、職業限定とかもあるのだ。

 他にもその職業限定のスキルとかあるからな。

 そういうのを考えると当然かもしれない。

 少し残念だったがそれでも悪くないスキルを手に入れたのだった。

 何しろ水中活動というか水中都市へと行きたいのが本音だ。

 それを考えると水中活動が可能となるスキルは普通に欲しい。

 今後の事を考えてもそれは欲しいと言うのが本音だ。

 そういうことを考えながらもオレたちはお礼を終えた。

 その瞬間だった。

 突如として声が聞こえた。

『プレイヤーの皆様にご連絡します。

 プレイヤーの皆様にご連絡します。

 クリア条件である隠れ里・海が開放されました。

 隠れ里・海が開放されたことにより外へのメッセージ掲示板が開放されます。

 今後、神殿にて『外』へのメッセージを送ることが可能となりました。

 それでは皆様、魔王をどうぞ倒してください』

 そんな声が聞こえた。

 その瞬間だった。

 神殿に今まで無かったパネルが浮かんでいた。

 それはパソコンのようだった。

 いや。本当にパソコンに見えた。

 SF映画などに出てくる空中に浮かぶ画面と空中に浮かぶキーボード。

 そういう感じだ。

 試しに触れてキーボードで文字を打ってみればメッセージが出た。

 どうやらこれでメッセージ掲示板が出来るらしい。

「……神殿に行けばどこでもこれが可能ということでしょうか?」

 そうクレセントが困惑したように言う。

「それもこのゲームの中だけではない。

 現実でも可能ということだよな」

 そうオレはつぶやく。

 一方的だが外への連絡が可能ということだ。

 とはいえ、

「じゃあ。外に」

「本名を書くのは危険だけれどな」

 そう付け足す。

 何者かの悪意が見ていたらどんな行動をするのかはわかっている。

 それがどういう行動をするのかはぞっとする。

 とはいえ、外に連絡をした方が良いと言うことだ。

 そういうことを考えると無視を出来ない。

 義姉とかも心配をしているのだと気づいている。

 そういう風に考えている。

 そう指摘すれば、

「なら良いアイデアがあるぞ」

 そうハヤテが口を開いたのだった。

 ハヤテは社交的だがそれと同時にかなりのゲーマーだ。

 そしてオフ会にも参加する人間である。

「そういったときに確認することがあるんだよ。

 だから当人同士でわかる内容で話し合ったりすることがあるんだよ。

 ゲームでも現実での話をしたりするだろ。

 個人チャットもあるけれど確認とかで合い言葉とか……。

 お互いしか知らないことを書いておいたりする。

 そういうのだよ。

 とはいえ、そういうのでも個人用チャットとかが出来たりした方が楽なんだけれどさ」

 そういう前置きをして、

「本物しか知らないことを書いてメッセージというか連絡をする。

 たとえばこちらは元気とか……。逆に現実の肉体が無事かどうか?

 そういった連絡ができるんだよ」

「なるほど」

 その言葉にオレたちは納得する。

「こっちも助かる方法を探しているとか……。

 少なくとも謎のメッセージについては連絡をした方がよい。

 とはいえ、あまりにも核心を突いたことを書き込めるかはわからないけれど」

「確かにこの現状を創り出したやつ……。

 なんて呼ぶべきかな?」

「……監視者……いや。観測者かな? ……観察者?」

 カエデの言葉にオレはしばらく考えて名前を呼ぶ。

 こちらを監視していると言ったがベータ版の大剣としてだがかなりの人数。

 それぞれが思い思いの行動をしているのだ。

 それをいちいち、細かく見ているわけではないだろうから監視というのは違う。

 第一、何かしてはいけないというようなルールを強要された印象はない。

 観測者というのも違う気がする。

 観測というのは国語辞典で調べているわけではないが……。

 なんとなく観測というのは自由にさせてもらっている気がする。

 だが、こうして拉致というかゲームの世界に監禁されているようなものだ。

 それを考えると観測というのは違う気がする。

 なので、

「観察している感じだな。

 時たまに何かを起こして結果を見ている。

 ……オレたちは実験動物とまではいかなくても観察対象ぐらいにはされているかもな」

 そして不都合なことは排除をしている。

 なので、

「とりあえずこの事件の犯人。

 それを観察者と呼ぶことにしよう」

 やや中二病な印象があるが呼び名ぐらい決めても困らないだろう。

 そういうことで決まったのだった。

「問題は観察者の目的だ」

 オレはそう言う。

「目的?」

「単に人の意識を閉じ込めて右往左往する人間を見たい。

 そういった悪趣味な可能性というのは思えない」

 それにしてはやっていることが大規模すぎる。

 そもそも被害者の数などを考えると単なる悪趣味な行動としては被害が多すぎる。

 その結果としてどれだけ余計なトラブルになるかはわからないわけではないだろう。

 それを考えると確実に何かの目的があると思うべきだ。

「うーん。誘拐とかそういうのとかじゃないかな?

 金銭目的。

 私をはじめとした金持ちとかもそれなりにいるからさ。

 金を出すことで私らを解放させるとか?」

 カエデがそう可能性を口にする。

 なるほど……。目的としては正攻法だ。

 誘拐をして捕まえた相手の食料などを与えるのは大変だし見つからないようにする。それも大変だし誘拐した相手に自分の顔を覚えさせないことや誘拐して監禁していた場所を言われるのも捕まってしまう可能性がある。

 殺してしまったとしても死体の遺棄というのは実は大変だ。

 けれどもこうして意識だけを閉じ込めるとなったら話は別だろう。

 意識を失っている肉体の確保、保護。そして生命維持は全て保護者がやる。

 犯人が何カアをする必要は無いというわけだ。

 けれども、

「だとしても大規模すぎるだろ。

 それにそれならオレたちをこうして確かめて何かをしでくる必要は無いだろう」

 そう静かに言う。

 それならばそれこそオレたちに何かする必要は無い。

 何も無い空間に閉じ込める。

 あるいはこのゲームの場所に閉じ込めるにしても何かしらのことをしてくる。

 そんな必要も無い。

 外部への連絡手段を用意したりと奇妙なことが多い。

 はっきり言って労力に見合う対価が出てくるとは思えない。

「このゲーム会社への嫌がらせ?」

「だとしてもずいぶんと手間暇をかけすぎている。

 それに嫌がらせならばこのゲームそのものにバグを引き起こさせる。

 それだけで十分だろ」

 いくらベータ版とはいえ最低最悪だとしたら対応は違う。

 これだけ大規模なことをしておいてそんな結果だとしたら……。

 それは間違いなく社運が傾く。

 そうこの現状は目的が本当にわからないというのが事実だったのだ。

 とはいえ、

「考えてもはっきりとわかることが無いんだけれどな」

 そうオレはため息をついたのだった。

しつこいようですが本当にリアルが忙しかったりします。

第一子である娘は幼稚園、第二子は動き始めて離乳食が三回。

そして家を建てる話が出ました。

目が回る忙しさ……。

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