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事件当日から六日前 疾風との冒険(二日目前半)

遅くなりました。更新です。

ようやっと、本格的な戦闘を書けました。

「ハヤテ。お前は、どんな道具を持って居る」

「ま、この手のゲームはとりあえずは回復薬と解毒薬に魔力の回復の薬と脱出用の道具だな。まあ、俺は魔力回復は重視していないけれどな」

「俺は、魔力も体力も回復重視だな」

 と、言う。お互いに序盤なら町からそれほど、放れなければ必要のない道具だ。とは言え、冒険を続けて行けばあって困る道具ではないだろう。

 俺も似たり寄ったりだ。と、言うか俺にゲームを教えたのはハヤテなのだから、当たり前だろう。

「お金は貯めておくか」

「そうだな」

 と、俺は頷く。

「この手のゲームはもっと大きめの町に行けば、倉庫とかでアイテムを保管。銀行とかで、お金を貯める事も出来るんだろうな。なんらかの形で死亡(ゲームオーバー)になっても、被害が少ないようにするためだろうな」

 と、言う。

「ふーん」

「他にも課金するのもあるんだが、まあそれは今は縁が無いだろうな」

 と、ハヤテが言う中で噂話を聞く。

「俺のスキルで調べたところなんだが、魔物たちが興奮していて凶暴化している魔物もいるらしいんだよ。興奮していると仲間にするのはほぼ不可能らしいんだ。凶暴化はもっと危険らしいぞ」

 と、言う。なるほど……。

「仲間を作りたいなら、近くの森や山なんかが良いらしいぞ。

 どうする? 行ってみるか? どうやら、地図が販売され始めたらしいぞ」

「危険を去らすつもりはないだろ。

 せめて、レベルを二人とも5以上にしてからが良いだろ」

 と、ハヤテの言葉に俺はそう言う。

「そうだな。確かに、焦ってもしょうがないな。けれど、地図は買っておこうぜ」

 と、俺の言葉に頷くハヤテ。まだ、六日以上はあるのだ。最初の頃はレベルを上げるのもけして難しくないだろう。その上、チームを組むのだ。

「今日はレベル上げを中心にして行こうか」

 と、言う事でレベルを上げるためにまた村の外へと向かう。どうやら、今日は比較的に落ち着いている様子であり、人もまばらだ。

 地図が5Mと安かったのも理由の一つだろう。もちろん、それはこの村の近辺の地図だけである。世界地図と言う村の外を出てさらに世界中の地図と言うのはないが、近くの町や大きな都市や歓楽街と行った場所への地図は250Mと良い値段だ。

 ちなみに、ダンジョンの中の地図と言うのは無い。まあ、当たり前だろう。攻略本などでは、ダンジョンの内部の地図、下手をすれば罠やしかけに宝箱の場所まで解るが、この手のゲームは攻略などの書き込みが生まれる。

 つまり、地図とかそう言うのは定期的に解ってしまうのだ。

 ハヤテ曰く、そう言うのは邪道らしいが……。

 俺がハヤテに連れられて向かったのは、昨日とは違う荒野のような場所だ。俺が昨日、兎と戦ったのは野原のような草原である。

 草が多いしげり、木が所々に生えていた。だが、ここは硬い土と岩や岩石があり所々に巨大な岩があり、あまり見通しも良くない。

「ここでなら、たまに竜が見かけられるらしいんだよ」

「お前、なにげに魔物を仲間にしたいんだな」

 騎士は竜と相性が良かったはずだ。ちなみに、俺は妖精である。

 まあ、初級の町の近くのダンジョンでも無い場所だ。竜と言ってもおそらくピンキリの下の方だろう。ここで、超がつくレア級のメチャクチャ強いモンスターが出て来たら、俺は怒る。そう思っている中、ぶわりと空を飛ぶ三つの影があった。

「なんだ? 行ってみようぜ」

 と、ハヤテが行って走り出すので俺もついて行く。

 少し走った先の岩陰でそれはあった。まず空を飛ぶ三つの影。それは、竜だった。紫色の鱗に鶏のような真っ赤なトサカのようなヒダヒダが頭から映えている。目つきが鋭く背中から蝙蝠のような羽根が生えたやや細身と言うか骨張っている竜。大きさは、五歳児程度の大きさだろう。

 その三匹に突かれたりこづかれたりしているのは、薄紅色のドレスを着た金髪ツインテールの何か……。外見だけなら人間そっくりだが、大きさはどう見ても手の平サイズだ。

 背中からは蝶のような羽根が生えている。

「なあ。どんな光景に見える?」

「他のモンスターを三体で苛める性格の悪い竜」

 ちょっと悲しそうなハヤテの言葉に俺はそう即答した。

 初めてであった竜が性格の悪そうな竜と言うのは、悲しいのだろう。

 とは言え、そんな事を悲しんでいる場合じゃない。

「ちょっと、待った。いくら何でも、多勢に無勢と言うのはどうかと思うぜ」

 と、俺は妖精を庇うように三匹の竜の前に立ちふさがる。

「ま、同感だ。仲間にするにしても、もう少し正々堂々とした奴が好みだし」

 と、ハヤテがそう言うと同時に竜が攻撃をしてくる。

『ベイビー・アロガン・ドラゴン 竜族 レベル3 攻撃意志有り

 HP21/25 MP20/20』

『ベイビー・アロガン・ドラゴン 竜族 レベル2 攻撃意志有り

 HP18/20 MP15/15』

『ベイビー・アロガン・ドラゴン 竜族 レベル2 攻撃意志有り

 HP18/20 MP15/15』

 と、相手のステータスが浮かび上がる。

 そして、後ろを見れば妖精のステータスも浮かび上がる。

原初の妖精の子供オリジン・フェアリー・チャイルド 妖精族 レベル2 疲労

 HP3/10 MP0/20』

 体力も魔力もほとんどなく意識がふらふらとしている様子だ。

 そんな中で、ドラゴン三体が襲ってくる。

「ちい!」

 と、ハヤテが盾で攻撃を防いでいくが、数が多く攻撃が出来ない様子だ。だが、こんな状況のために俺がいるのだ。

「ファイヤー」

 唯一、まともな攻撃魔法である炎の魔法を発動する。伊達に、のんびりとステータスを見ていたわけではない。スキルを発動していたのだ。

 発動したスキルがドラゴンの一体に当たる。レベルが低い方だ。レベルが低い方を倒していくのが、この場合は有効だろう。

「レベルが低い方から片付けるぞ」

「おお。頼む」

 と、炎の攻撃で一体が、動きを止まる。その瞬間にハヤテが剣でもう片方のレベルが低い方を切り捨てる。続いて、俺ももう一度、スキルを発動させている。

「ぎぎゃぁぁぁぁ!」

 と、怒鳴り声が響くと共にレベルが高い奴が内科をした。その瞬間に、俺が唱えていたスキルがかき消えるが、魔力は消費された。

「なに?」

『ベイビー・アロガン・ドラゴンの傲慢な制止が発動されました。

 発動準備中のスキルを無効化が発動されました。抵抗に失敗しました。魔力を消費しましたが、効果は発動されませんでした』

「ちっ。スキルか」

 と、俺は再度呪文を唱え直す。どうやら、かなり実力の高い相手らしい。

 ガンガンと攻撃をしていくハヤテの中で、俺が何度か魔法をする。やがてMPが亡くなってきたので、俺は薬を飲む。噛むと辛いと言って居たのだが、飲み込めば問題が無いはずだ。ちなみに、どのくらい辛いのかを確かめてみるつもりは今はない。

 何回目かのファイヤーを発動して、レベルの低い方を倒した時だった。

『火魔法のレベルが上がりました。火魔法レベル2 【フレイムアロー】を習得しました

【フレイムアロー】 火の矢を放つ魔法。火魔法のレベルによって生み出す火の矢の数が増えていく。初心者からやや脱出した魔法の使い手で火を遠くまで飛ばせる』

「ラッキー」

 どうやら、何度も使っていたおかげでレベルが上がったらしい。

「フレイムアロー」

 俺が唱えた瞬間に、四つの炎の矢が生まれる。全体攻撃にも出来る魔法が放たれ、火の矢が命中する。

「おお。すげえな。裕樹」

「同感だな」

 と、俺も頷く。

 命中距離もかなり広がっており、遠距離からの攻撃も簡単だ。

 どうやら、何度も使う事でレベルが上がるらしい。

 魔法攻撃に弱いらしく、何度か邪魔をされたが魔法のレベルが上がったことも手伝い、ドラゴンを三体、どうにか倒す。

『ユウはレベルが上がった。

 ユウ レベル3 主職/魔法使い 副職/料理人

 HP4/43 MP8/87(+3)

 SP27/34  CP77/84

 PA(物理攻撃力)8 PD(物理防御力)8

 MA(魔法攻撃力)25 MD(魔法防御力)25

 所持スキル

『火魔法』レベル2【ファイヤー】【フレイムアロー】『水魔法』レベル1【アクア】『光魔法』レベル1【ライト】『料理』レベル1『毒物鑑定』レベル1『保存』レベル1 

 装備 頭/見習い魔法使いの帽子 

 武器/見習い魔法使いの杖

 服/見習い魔法使いのローブ

 所持金 160M

 持ち物 ラビット・ステーキ(状態・良好)3 甘い香りがする液体(状態・良好)チリ・ベリーのジュース(良好)2  ドラッグ・ベリーのジュース(良好)2 スパイシー・ベリーのジュース良好)1 解毒薬(ポイズン・ローション)3 下級体力薬(ポーション)5 下級体力薬(ポーション)4 救済蜘蛛の糸(アラニェ・サリュ)1』

 一気にレベルが上がった。

「だああ。大変だったな。裕樹がいてくれて助かった」

 と、ハヤテが言う。

「俺はラベルが一つ上がったけれど、お前は?」

「俺もレベルが上がった」

 ハヤテの質問に俺は答えた。とにかく、一騒動が終わったと言える状況だった。

 そんな中で、ドロップアイテムも現れた。

『ベイビー・アロガンの鱗×3 ドロップ・アイテム 薬剤・材料 希少価値4

 ベイビー・アロガンを倒すと現れる鱗。薬や防具や道具の材料などになる。ベイビー・アロガンを倒せば必ず手に入るがベイビー・アロガンは希少なので滅多に見つからない。

 ベイビー・アロガンの尻尾 ドロップ・アイテム 薬剤 希少価値5

 ベイビー・アロガンを倒す事でまれに現れる尻尾。薬の材料になる。かなり貴重なので、大きな街に行けば高値で売れることがある。

 ベイビー・アロガンの羽根×2 ドロップ・アイテム 材料 希少価値5

 ベイビー・アロガンを倒す事で手に入る羽根。食べれないが、道具や防具の材料に使われる。装飾品として価値は無いが、防具としては優秀』

「大丈夫か?」

 と、俺は道具を確認した後、妖精に尋ねる。

「あ、うん。大丈夫」

 と、妖精は言葉を話す。

 どうやら、人間の言葉が話せるらしい。

「助けてくれてありがとう」

「別に、誰かを助けられるのは良いことだからな」

 と、俺は言う。

 たとえ、架空(ゲーム)の世界だとしても、俺は誰かを助けたい。

 この世に生まれただけで、人を三人も殺してしまうような人間なのだ。

 ならば、せめて存在してしまったのだから生きて居る事を証拠として誰かの役に立ちたい。と、言うのが俺の望みだ。

 たとえ、自己満足の偽善……だとしてもだ。

「あたしの名前は、メロン」

 俺とそして、おそらくハヤテの脳裏には緑色の甘い果実が脳裏に浮かんだだろう。

 その瞬間だった。

原初の妖精の子供オリジン・フェアリー・チャイルドの真名がわかりました。

 契約が可能ですが、契約を持ちかけますか?』

 と、言うテロップが出て来た。

「え? 契約」

 と、俺が思わず声を上げると、

「契約。うん。良いよ」

『契約が承認されました』

 いや、俺は承認していませんが……。と、胸中でツッコミを入れるが勝手に承認される。それと、同時にステータスが浮かび上がる。

原初の妖精の子供オリジン・フェアリー・チャイルド 妖精族 名前メロン

 レベル2

 HP3/10 MP0/20

 PA(物理攻撃力)3 PD(物理防御力)3

 MA(魔法攻撃力)4 MD(魔法防御力)4

 所持スキル

妖精魔法(フェアリーマジック)』妖精族固有スキル。妖精のみが使える魔法。レベル2

【幻想】相手に幻覚を見せる。逃走率、回避率を上げる。

【妖精の歌】相手を混乱させる。一定確率で混乱を起こす。

自然魔法(ネイチャーマジック)大自然に影響を受ける魔法。場所によって使える使えないがきまる。レベル1

太陽光(サン・ヒーリング)】日の光がある場所でのみ発動可能。太陽の光の強さとレベルに比例して体力を回復する。

原初の妖精の子供オリジン・フェアリー・チャイルド

 妖精族。詳しい事は謎のため好物なども謎。』

 と、出て居る。なんだ、詳しい事はなぞって……。と、俺は思う。

 どうやら、俺はかなりレアなモンスターと契約をしたらしい。


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