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逃走冒険者(エスケープ・チャレンジャー) ゲーム世界からの脱出計画日誌  作者: 茶山 紅
事件発生 現実に帰れない現実と新しい街へ
19/54

新しい街にたどり着いて一日目


「着いた」

 と、俺たちは街を見る。

 最初に居た町が村と呼べるほどにレベルが違う。

 石畳みの道にレンガで出来た建物もある。馬車が通っており、いろんな人がいる。

 最初の町が素朴な村ならば、ここはそれなりに立派な街だと断言できる。歩いて居る人達も、それなりに立派な服を着ている人もいる。

「おお。すごいな。やっぱり、クオリティが高い」

「たしかに、すごいな。

 やっぱり都会というやつか」

 と、僕が言う。

「それで、次はどないするん? まだ、日も高いから宿屋に泊まるのもどうかと思うしな」

「冒険者ギルドと言う所にでも行ってみるか?」

 カエデの言葉にハヤテがそう言う。と、言うか……。

「まだ、一緒に行くのか?」

「当たり前やろ。

 旅は道連れよは情けと言うやろ」

「まあ、一緒に行動しても良いと思う。

 また、あんなトラブルが起きないともわからないし……。

 それに、ギルドには言った方が良いのは事実」

「どうせ、みんな行くんなら一緒に行ってもいいはずよね。

 それとも、私達が一緒なのが不愉快?」

「不愉快と言うよりも緊張する。

 美人がいると緊張する」

 僕が即答すると、なぜか全員が黙る。

「……お前、そう言う所があるから同性からも微妙に距離を取られるんだぞ」

「? なにが?」

「まあ、お前の体質から考えると不毛だろうが」

 ハヤテはそうわけのわからない事を言いながらため息をついた。

 何を言いたいのかはわからないが、とにかくは前へと進むしかないと言う事だけは確かだ。と、俺は思いながら、冒険者組合と言う所へと向かう。

「おお。わりとしっかりとした建物だ」

 と、俺は呟く。

 壁はレンガと漆喰の西洋風の中性的な建物。そして、看板が賭けられており看板には、冒険者組合と書かれている。

「……日本語」

「英語だったら読めないだろ」

 ハヤテの言葉に俺はそう突っ込む。

 ゲーム機の本体はプレイヤーの頭につけており、脳に刺激を与えている。おそらくだが、自動的に文字を日本語に翻訳するようになっているのだろう。

 ネットを基本としているはずなので、おそらくだが世界中になるのだろう。そのために、自動的に脳内で文字が自分たちの故郷の言語に変換されるようにされているのだろう。

 とにかく、組合へと向かうと無人だった。

「うわ。誰も居ない」

「いらっしゃいませ」

 と、クレセントが呟く中でそんな声と共に声をかけてきたのは一人の女性だ。金髪碧眼の色白の女性。おそらく、NPCなのだろう。

「お客様、初めてですね」

「解るんですか?」

「いえ、組合が出来てから中々に来なくって……。

 ようやっと冒険者の方が来てくれました」

「ああ」

 そりゃ、そうだろう。と、思う。当たり前と言えば、当たり前とも言える話しだが……。どうやら、この街に来たのは俺たちが最初らしい。

「それで、何用ですか?」

「あ、まずは組合について説明を聞かせて下さい」

「あ、すみません。初めてのお客様で興奮してしまいました。

 では、冒険者組合のご説明をさせていただきます。

 組合は各地の町などに支店をしております。組合に登録いたしますと、冒険者としての仕事を受ける事が出来ます。最初は、白ランクから始めており、白から黄色、青、緑、赤、黒、銀、白銀、金と依頼の達成回数によってランクが上がります。

 最上ランクの黄金ランクを目指して下さい。

 仕事の内容は、討伐、探索、採取などあります。また、組合に所属している方のお金やアイテムを預かっておくことも可能となって居ます。

 ランクが上がる事によって、利用できる施設や受ける事が出来るクエスト行く事が出来る場所や町、ダンジョンなどが増えて行きます」

 と、お姉さんは言う。

 なるほど……。わかりやすいと言えば、わかりやすい。

 ランクを上げると言うのは、まあたしかに一つの憧れだろう。それに明確なメリットがあると言うのはわかりやすい。それに、現実的に考えても理解は出来る。

 言ってしまえば、ランクが上がると言うのはそれだけやっている。と、言う事や実力があると言う事である。難易度が高いのを素人がやって負け続けると言うのは、あまり良くないと言うことだろう。

「なお、ランクに上がるのに関しては、一般市民に被害を与える。同じ冒険者に対して強奪、略奪行為があまりにもありすぎるとランクを下げる。と、言う事もあります。

 冒険者協会に登録するならばマナーを守って活動をしてください」

「なるほど」

 それは良い。

 こう言ったゲームの中にはプレイヤーキルを重視しているプレイヤーと言うのもいるのである。言ってしまえば、プレイヤーキラーと、いうやつ……のはずだ。

 あいにくと、姉さんの補佐として通り一遍しかしていない。

 そのために、そこまで詳しくないが……。

「つまり、マナーの悪いやつは実力や装備がどれだけ充実していても……。所詮はそこそこの腕前までと言う事だな」

 と、ハヤテが言う。それを考えると、あいつら……この街に来る前に来ていた連中の事も言っておいた方がよいだろう。と、思っている中で、すでにハヤテがそう言う事をしていた。

 まあ、あいつらのあの根性だとこの街に来ようと思うかどうかすら怪しい。

 ハヤテはきちんとあいつらの名前なども覚えていたらしい。

 きっちりと名前まで言っていた。

「了解しました。まあ、被害届けが一つだけと言う事なので彼らも問題無く、活動が今は出来ておりますが要注意人物として記録をしておきます」

 と、受付のお姉さんは見事な営業スマイルを浮かべている。

 とにかく、登録をしておく。

「お客様たちは一緒に行動をしている様子ですね。

 ギルド登録をしますか?」

「ギルド?」

 お姉さんの言葉に僕は思わず聞き返す。

「はい。ギルド登録です。

 二名以上の方がギルドを作ると言う事でチームを組みます。

 ギルドをお作りになると、そこで活動をすると言う形となります。

 ギルドを作りますと、そのギルド同士でパーティーを組みました場合、そのパーティー内での経験値獲得のボーナスが割増しされます。

 また、ギルドとしてお金やアイテムを預けられました場合、同じギルドの方なら別の客様でも引き出しが可能となります。

 さらに購入出来るものにギルドではないと、購入が出来ない商品などもあります」

「たとえば?」

 と、カエデさんが尋ねると、

「そうですね。お家や飛行艇、要塞や街などはギルドではないと購入が出来ません」

 ですが、お高いでしょう。と、言う言葉が脳裏に浮かんだ。

 どうやら、販売されている品の中にも個人で購入が難しいものというのがあるらしい。まあ、考えて見れば当たり前と言えば当たり前だ。

 ただし、個人で購入出来る金額では無いだろう。

「他にも、一定の評価によってはギルドを中心とした町を作る事も可能です。

 有名なギルドとなれば、その分だけでもいろんな特典があると思われます」

 と、言うお姉さん。

 なるほど、ギルドにも利点があるというわけか……。

「ただし、ギルドの行動は全体責任となります。

 ギルドに一員が、あまりにも酷い問題行動が確認された場合、ギルド全体の名称が悪くなります。その結果、そのギルドの方々の冒険者としてのランクが下がったり、冒険者組合から除籍されます」

「なるほどな。ずいぶんとマナーに厳しいんだな」

 と、ハヤテが言う。

 たしかに、マナーに厳しい。

 こう言ったゲームならば、そう言うプレイヤー同士の行動は判断させてもらう。と、言う意味合いが強い。つまりは、問題行為……プレイヤーキルや初心者からアイテムや所持金を奪ったりする。そう言った行動を繰り返す悪質プレイヤー。

 そう言った存在でも、運営側はあまりにも酷くない限りは個々個人の判断。と、言う事も手伝い、あまりそう言うのはしない。

 経営側に不利益にならなければ、良いと言う経営スタンスだ。

 まあ、なによりもそういった一人一人に全てに細かく対応すると言うのは容量が大変なのだ。その場合は、バックカップメモリーなどが途方もない。

 だから、難しいというのも理由なのかも知れないが……。

 とにかく、

「ギルド登録は良いですよ。

 とにかく、冒険者協会に登録だけで良いです」

 と、言う。そもそも、本音を言えば協会に登録する予定すら無かったのだ。

 本来ならば、すでにゲームを終えていたはずなのだ。

 テストプレイぐらいなので、こういった冒険者などの部分も必要無くそれこそ、初心者が最初に来る町などについての情報をまとめておけば良かっただけなのだ。

 とは言え、それも出来なくなった。

 と、言うのが現状の問題である。

「畏まりました」

 と、 言うと記入する画面が浮かび上がった。

 不思議な空間から、一気にゲームと言うか近未来的な状況になったな。と、言う雰囲気の変化に呆れながらも登録をする。

 そして、

「はい。登録完了です。皆様、白ランクとなります。ランクアップを目指して頑張ってくださいね」

 と、お姉さんは言ったのだった

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[良い点] 発想は色んなものの二番煎じのごった煮だけど、ソコソコ面白いと思えます。 [気になる点] 誤字脱字、言い回しが変など、日本語が怪しい感が出ているので、upする前にちゃんと推敲して、校正したほ…
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