事件当日 そこで全ては終わるはずだった
長い前置きと言うか序章が終わりました。
さて、物語が本格的に始動されます。
気が付いたらもうすでに一週間がたっていた。
宿に戻った僕たちは、一息つく。すでに町に居る人達も大半を遊んでおり満喫をしたと言う印象であり、いろいろとアイテムの整理などをしているのがほとんどだ。
まあ、当たり前と言えば当たり前だろう。
あと、ほんの一日なのだ。ここで、遠出をしたところでゲーム的には面白く無い。今日は、テストプレイと言う事もありゲームの装置などを貰ったところで、本格的に始まるのは、なんでも来週(現実時間換算)らしい。
つまり、しばらくはゲームが出来ないのである。
ゲームでの時間の流れがテストプレイからその後は、どうなるのかまでは知らないが……。万が一、変わらずに流れていると言う設定などだとしたら、ちょっとばかり悲惨である。俺はと言うと、作った食材などを調理をして売っておく。
お金ならとっておけると言う理由などである。
ゲームで時間がたつなら、料理や食材が駄目になる可能性がある。
「なんでまた、急に料理を作ったり売ったりして居るの?」
と、メロンが言うが、ごまかしておく。
しかし、もうすぐメロンともお別れか……。これが、ソフトのゲームなら時間が止まるのだろうが、ネットでつながるので問答無用で時間は流れるだろうし……。
それを、考えるとしばらくメロンには会えなくなる時があるだろう。ついでに、俺はあまり自分から進んでゲームをしないのもあるし……。と、僕は考えて居た。
「あー。ウィンディの進化、見て見たかったな。
もうちょっと早くに会えていればな」
「キュー?」
「何を言っているのよ。後、少しで進化すると思うわよ。そいつ」
ハヤテの言葉に困惑したように言うメロン。
メロン……彼女には、一時とはいえ世界が止まると言う事が解らないのだろう。みんな、ゲームがいったん、終了する事も考えていろいろと整理をしている様子だ。
「ああ、ちょっと出かけるからな」
と、俺は言う。
「ああ、ようやっとこの町から出るのね。
この村は、出来たての村だもんね。
それなら、もっとちゃんとした保存食も必要よ」
と、言うメロン。
いや、違うのだが……。
俺は、宿屋の地図を見る。どうやら、この地図を見る。どうやら、一週間ほど先には町があるらしい。この町より大きい町らしい。
それを地図で見る。
「近くにあるのは、交易が盛んな町ね。
冒険者ギルドなんかもちゃんとあるし、魔法やスキルショップもあるわよ」
「スキルショップ?」
聞き返してみると、スキルを購入出来るらしい。
他にもいろいろとあるらしく、それなりに発展している町らしい。
ここから、最も近い町でありそこから、いろんな町や国へと行くことも出来るそうだ。
「あたしさ。この自然王国のネイチャーに行きたい。
その国にある妖精国、フェアリアテイルに行きたいの」
と、メロンが指さしたのは地図が見る限りだと自然が溢れた場所のようだ。
「お母さんが昔、あたしに話してくれた場所なのよ」
と、楽しそうに言うメロン。
つか、いるのか……。お母さん。
そう思う中で、俺は静かに考える。
俺はこの後に、ゲームをまたやるのだろうか?
あいにくと、俺の日常は忙しい。
朝は朝食作りに洗濯に掃除。学業だって真面目にしているから、予習と復習を欠かしたことはない。正直な話、高校生徒となるとネットゲームに続けてやっている余裕ばかりではないのだ。それを、考えると大変なのだ。
……あした、メロンにうまく言って契約を破棄しようか……。と、俺は考える。なんなら、ハヤテに任せても良いかもしれない。
いろいろと中途半端だが、それが最も良いだろう。
と、俺はぼんやりと考えて居た。
その翌日の昼頃である。俺はハヤテと一緒にいろいろと町を見て回った。そして、地図などを見たり外の町の情報なども集める。
この世界と言うかゲームの世界では今は、四つの国。今、俺たちがいるのは人間の領土で小国であるヒュード国だ。
大した規模ではない国だそうであり、国と言ってもそれぞれの町が連盟で考えて居るらしくそのため、首都もないそうだ。
あえて首都なのは、交易が盛んなアスフェリアだそうだ。
ちなみに、この町から近づける町だ。
そして、大きな国は自然王国ネイチャーと技術帝国マギスティルだそうだ。そして、三つ目の国はこの国以上の小国らしい。
その国の名前は、歴史国メモリアラだそうだ。
なんでも、国は王都以外にはないそうで沢山の蔵書があふれかえっているそうだ。
歴史に関係しており、いろんな歴史をまとめ上げているそうである。
「まあ、今後にもいろんな王国とかがありそうだよな」
と、俺は呟く。
技術の国と自然の国。
人間の国に歴史の国。
中々に面白い国だ。これなら、他にも滅びた国とか隠された国、あるいは宗教国家とかもありそうだな。と、思う。
宗教と言えば、この世界は宗教とかはどうなんだろうか?
やっぱ、そう言うのは神官に聞くべきだろうか。
まあ、なんとなくだが宗教は一つのような気がする。
多分だけれど、宗教が複数あって宗教戦争なんて面倒だし……。
などと、思ったりする。
そもそも、宗教戦争なんてのがあったりしたらゲームの世界とは言えややこしいだろう。
けれど、場合によったら邪教ぐらいはありそうだ。
そんな事をぼんやりと思っていると、
「なあ、そろそろじゃねえか」
と、言う言葉が聞こえた。そろそろらしい。
僕は宿屋の一室に戻る。
そして、ゲーム終了の案内が出るのを待っていた。
そして、真昼のちょうど、一週間と半日たった瞬間だった。
『わはははははは』
と、言う高笑いが響き渡った。
「? なんだ?」
ゲームが終了を伝えるアナウンスではないのか?
と、思っている中でそれは発動しない。
『この世界は私が支配した。
お前達は現実の世界へ帰る事は出来ない』
と、言う声が響き渡った。俺は窓を開けて外を見てみると、そこには一つの黒い影が浮かんでいた。
それが、全ての始まりであった。