咲くのなら
もうすこしね、
優しくなりたかったよ
君の影を踏まないように
そばにいればよかったのかな
もうすぐ桜が咲くよ
あと何日か寒い日が続けば
北から南へ
下るように
あのメジロは
ためらいもなく
君の影をつついては
蕾へ花へ
飛んでいっては啄みながら
もうすこしね、
優しくなりたかったよ
なみだを止めることも
拭うことも結局は
出来ないけれど
澄んだ空の下
君の影をくっきりと
目に焼き付けてる
もうすぐ桜が咲くよ
音もなく密やかに
蕾は花へ
摘まれても千切れても
なんてことないよ、
なんて
君以外に言わせちゃいけないよ




