【二章第六話】 お互い何にも分かっちゃいない
同じ日々、小は変われど大は変わらない日々。
あとこの日々を何回繰り返せば俺はあの血を血で洗い、人が人でなくなる地に行けるのか。
「えーっと次は……。草薙教科書読んでみろ」
ああ下らない、下らない。
俺は椅子から立ち上がり教科書の英文を早々と読んだ。
詰まらない、詰まらない。英語も国語も化学も数学もこの学校も、このクラスも。
耳には英語交じりの雑音が響いてくる。
暇だ、暇だ。
しかしこんな日々もただただ何も思わず、どうとも思わず行動していると案外早々と過ぎていってしまうのである。
無駄な日々。
ただただ影に徹する日々。
「時は紀元前、とある天才軍師がいた名はハンニバル・バルカ。彼はアルプス越えなど奇想天外な戦法でローマでさえも彼を恐れた、そんな彼が今でも通用するある戦術を考案してしまった。その名も包囲殲滅戦法この戦法の威力は絶大だ。自軍よりもはるかに多い敵をも蹴散らしてしまうほどにな、しかしローマは滅びなかった。何故滅びなかったか分かるか、天才の考え出した戦法は天才ですらも対処できなかったのだよ。これからその戦術がどう使われていったかを見ていこう」
進まぬ日々、進めぬ日々。
退屈ではない授業。
「うぁぁ、負けてしまいました」
間抜けな声が体の内からひねり出される。
目立つな、目立つな……。空気に成れ。空気に成れ。
そうだ、空気は読むものじゃない、空気に解け込むものだ。
武術の剣道の授業で見える太刀筋に、読めている攻撃にわざと辺りに行く日々。
退屈で廃退的な日常。
「今城塚古墳ってのはなぁ、戦国時代に三好氏が其処に城を置いてたから今城塚っていうんだぞ。ちなみにだが埼玉古墳群の丸墓山古墳は秀吉の小田原征伐で石田三成が其処に陣を敷いて水攻めを行っているぞ。このように古墳は後世でも利用されていたんだぞ」
知った。
退屈な日々、たまの退屈凌ぎ。
楽しいよ、確かに歴史は楽しいでもウキウキと喜々として聞ける訳が無い。
俺は大衆の一部になればいいのだ。普通に普通の普通で普通な。
「そこはベクトルの公式を使って……」
進まない日々、進めない日々、進んでくれない日々。
人に与えられた時間は何時だって平等だ、きっと彼らは楽しんでいるのだろう。この青春をいう極僅かな日常を。
心地よい昼の風が自分がなんだるかを忘れさせてくれる。
ただただ自分を隠す日々。苦ではない、直に何も感じなくなってくる。嬉しいも、楽しいも、悲しいも、退屈も、悔しいも、直に何も感じなくなってしまう。
壊れたビデオを見るように穏やかな毎日という名の破壊された映像を目で追うだけの日々がやってくる。そうなってしまえば一瞬だ。
時間が早くなる、そして時間を止めることは誰にもできなくなる。
「宇治川の先陣は……」
眠気覚ましにはなるな。
ただ宇治川の先陣は読んだことがある。
「はい、34ページを」
眠い。怠い。さようなら。
とても退屈な日々だ。何も満ち足りても、満ち溢れてもいない。俺はただただ流れに流されるだけだ。出来るだけ青色の服を着て、出来るだけ水に近いものになりながらただただ流されて行けばいい。
変わらない日々、別段忙しくも、大変でもない、ループするだけのこの日常。
大差ない毎日。
世界は俺はそんなところに取り残して動いて行っている。
ああ今日も変わらぬ、いい一日であった。
下駄箱から靴を取り出し、スリッパと履き替えて校門へと向かっていく。
グランドからは部活に励むももの規則的な声が忙しなく聞こえてくる。
「待って下さいよ。大和君」
ああ声がする。
この変わらぬ日常で唯一変わっているモノ。
誰も話しかけない毎日で五月蝿く、やかましく、毎日どこかで話しかけてくる者。
「止まってくれたっていいのに、もう酷いじゃないですか大和君」
校門を出た辺りで彼女は俺に追いつき、後ろから制服の裾を掴み歩みを止めようとする。
「離してくんない?」
俺は彼女の顔も見ずに背中越しにそう一言呟いた。
「せっかく女の子が一緒に帰ってあげようって言っているのに何ですかその態度、その対応」
彼女は掴んでいた裾を解放しながらそんなことを訴えかけてくる。
「なら俺はそんなことしてもらわなくてもいいし、してほしくもない。以上、話は終わりだな」
早々とこの場を去ろうと足を進めようとしたとき、彼女が俺の眼前に立ち、手をパタパタと振りながら進路の妨害をする。
それも妙にあざとく。
「邪魔」
「もう本当に大和君は酷いですね。私だって学校では大和君を尊重してそれなりに干渉しない様我慢しているのに、なんですか校外でその言い草は」
頬を膨らませる彼女の言動からは幼さのようなものが感じられた。まるで計算されつくしたかのような意識的な幼さだ。
「だってお前うるさいし、うざい」
「だったらついて行くだけでもいいから一緒に居させてください。それに今日の夕飯の買い出しも手伝ってもらわなきゃならないんで」
俺は何も言わずに、歩き出した。無言の肯定とも、無言の圧力による否定ともどちらともとれる無言の行動だ。
俺は彼女の判断に全てを任せた。
俺はここら辺の住民がよく使用する、現名古屋市長の手腕によって見事活気を取り戻すことに成功した商店街に向かって歩き出した。
そしてそこには彼女が申し訳なさそうに付いてきていた。
「ふと疑問に思ったのだが?」
少し歩いたところで俺は思うところがあって横にいる彼女に向かって話を振った。
「なんですか?」
彼女はこちらにも伝わってくるような歓喜の色を浮かべれ話に応じた。
「なんでお前貴族なのに態々庶民的な事してんの? 食料品とかって頼めば実家に送ってもらえんじゃないの?」
少し速足めのスピードに決して遅れることなく隣を歩き続けたた彼女が何故かこの質問の後から少しばかり歩みを緩め、ほんの少しだが距離が出来る。
いつもいつも前のめり気味か、俺の前を先行していて、別段何もすることなく見れていた彼女の表情も今や体を少し捻らないと見えないところにある。
「大和君はそうして欲しいってことですか?」
彼女は切なそうな小声で俺に向かってそう問いかけて来た。
あー、絶対地雷踏んだな。そー言えば実家に嫌われてるとかなんとかと言ってたなぁ。
「いや? 別に今はただ純粋になぜそうなのかと思っただけなのだが。まぁどっちかと言えばそうして貰いたいのだが、楽だし、めんどいし」
そうだったんですか、はははと彼女は笑った。しかしそこには感情というモノが全く入っておらず、心ここに非ずな空笑いだった。
彼女のそんな反応に俺は何も返さなかった。そして話は本当にそれだけなので、俺はまた黙って歩みを進める。
「大和君、一つ聞いていいですか?」
いつもならこちらが話さなくても勝手に話をしている彼女との間に珍しく沈黙が生まれ、口を開いてはいけないという空気が形成される中、未だに距離を戻そうとしない彼女が声を震わせ俺に返事を求めて来た。
「いやっ」
正直、何かもうめんどくさくなった。ただただ楽をしたいが為に聞いてしまった質問が彼女の中の何かの地雷を踏み抜いてしまったことに後悔を隠し切れない。
「大和君の家族はどんな人たちでしたか?」
その言葉を聞いた瞬間俺の中の何かの堰が切れて、黒焦げの残りカスの山が決壊した。
どうしてお前はこういつも無能なの。
あんな人になってはいけませんよ。
このゲーム中毒者が。
なんでお前はいつもそうなの。
口答えするな、子供の分際で。
親の命令だ、従え。
子供が逆らってんじゃねぇ。
お前は人として駄目だ。
誰のお金で生活できてると思ってんのや、いいから早く結果を出せや。
自分で何も出来んくせに文句言うな。
貴方の妹はあんなに頑張っているのにどうして貴方はそうなんだよ。
お兄ちゃんのような人間にはならないよ。
それはどこかの努力していないアホな人間に言ってよー。
お兄ちゃんのような……。
大和のような……。
あいつのような……。
あそこにいる人間のような……。
人間にはなっていけませんよ。
そんな声たちは段々とノイズ交じりになっていき、そして消えてしまった。
彼奴らとの光景も情景も思い出も、全てが全て、時が止まり固定化され火の付いた写真のように端から隅々と焼き焦がされてしまっている。
俺の心にはいつもと違う感情が宿っている。怖い悲しい寂しい厳しい虚しい、そんな感情全てが消え失せ怒り……。
ただそれだけが俺を支配していた。
「俺の家族は皆死んだよ。俺の嫌いな家族は何も守れず無様に、滑稽に、皆鬼に殺されていたよ。死んださ、うん死んだよ、虚しく死んでいた。ただただ彼らは彼らが弱かったが為に、彼らの平生の理論を使うならば彼らの努力が足りなくて生きることが出来なかったよ」
少しの間をおいて俺は彼女の質問への回答を行う。
怒りの籠った饒舌で早口で……。
何故なんだろうか、どうしてだろうか。
「そうですか……」
彼女はそう一言だけ、申し訳なさそうに呟いた。
「俺は彼らに愛されていたのかもしれない、期待されていたのかもしれない。それでも、俺は奴らが嫌いだ。激しく憎んでいる、そんな分り辛い愛も、狂気染みた期待も俺にはいらなかった、でも普通の関係が欲しいと思ってしまった俺も過去には存在していた」
どうして俺はこんな事なんて話しているのだ。分かってもくれないような相手に、分かる筈もないそんな相手に。
理解してもらいたい訳でもないのにどうして俺はこんなに媚びるように話しているのだ。
――本当に馬鹿だよ。
そう俺は呟いた。それは今の俺に向かってなのか、過去の自分に向かってなのか、俺はそう漏らしてしまっていた。
「私も家族は嫌いです。御父様も御母様も、行方も連絡さえもつかない東京の御姉様も屋敷の人たちも……。嫌いです、皆大っ嫌いです」
俺に諭すように、俺に取り入るように彼女はただただ優し気に呟いた。
――どうして私も連れて行ってくれなかったの……。
彼女からそんな言葉が漏れ出て来た。
「そうかお前は大好きなんだな、家族が」
「いいえ、私はみんな嫌いですし、屋敷の連中も私の事をきっと嫌っているでしょう」
彼女の声が何故か低くそして悍まし気に聞こえた。
「大和君は突然自分の居場所が消えてしまったことがありますか?」
そんな問いに俺は返事を返すことはなかった。
彼女は俺の返事を聞く間もなく話を続けた。
「あそこにはもう私の居場所なんてものはどこにも無いのですよ、どこにも」
「そうか……」
それ以上の言葉を今までの俺なら言うことが出来たであろう。どこか傷を負っている彼女のそれを抉り出し、そして丁寧に丁寧にケアをして、彼女も彼女で俺の傷を見つけてはそこを切り取り空いてしまった心に自分を優しく埋め込む。お互い傷を見つけるたびに関係がより強固により依存的になってしまうであろう。
ただ俺はそんな関係など欲しくもない。
俺は歩みを止めて彼女の前に立ち彼女の表情を見た。
俺はそうだ、そうかもしれない。
理解はしてほしいが、相手を理解する気なんてさらさらない。
それも身勝手な理解、とても全部を理解してほしいわけじゃない、とある願いを尊重して貰いたい、ただそれだけ。
それ以外の理解は理解ではない。
そうなってしまったら終わりな気がした。
お互いがお互いに終わってしまう気がした。
「お前さぁ、世界は自分を中心に回っていると考えたことは一度でもあるか?」
下を向き俯いていた彼女の顔が上がりお互いの眼と眼が重なり合う。彼女は唇を震わせて中々言葉を発することはない。
彼女はこくりと首を縦に振った。
彼女の中ではきっと世界は自分を中心に回っていないのだろう。回っていると思った世界が突如として自分を弾き飛ばしたのであろう。
俺は、俺の世界は、自分を中心にして回ることなど一度たりともなかった、あの時までは。
俺の世界の中心はいつもいつも他者だった。
今は世界は俺を中心にして回っていると思っている。
きっと俺たちの違いはそれなのであろう、彼女はあくまで誰かの為に、他人の為に自らの世界を回しているのだろう。
そして俺はあくまで自己中心的に、自己の享楽だけで全てを回している。
彼女はきっとあの時の俺のようにその白い白い小さな掌で掬い上げられないような量の他者を抱えているのだろう。
お前は、お前自身はどうしたいんだ……。そんな言葉が浮かび上がってきたがそれが喉を超えて体外に出ることはなかった。
お互いがお互いの顔を、そして目を見合ったまま動きもせず、口を開けることも無い。
彼女は震えている、彼女はその平然を装った何かの後ろに多大なる悲しみが見え隠れしていた。
心の何処かで俺は踏み込むこと止めていた。
心の何かが人を理解しようとするのを止めていた。
――この世には我が身可愛さで親友に手を出す糞みたいな人間がいるんだぞ。こんな人間信用できるのか?
心の中で俺がそう呟いている。
また勝手に自分と同じだと期待して、また俺の事を分かってくれると期待して、また俺自身の理解者だと期待して、勝手に掌を返すだけだ。
――私の好きだった気持ちを、私の大切な日々を返して。私の紫水への気持ちを返して……。大和。
懐かしの日々いつかの彼女は俺に向かってそう言い放った。この瞬間俺の中の何かにひびが入り崩れそうになったのを必死で俺は押さえていた。
俺はお前なら分かってくれると思っていた。
俺はお前なら理由を聞いてくれると思っていた。
俺はお前のことが……。だったのに。
あの時の俺はお前の事を殆ど知っていると思っていた。それなのに。それなのに。
あの仲良くしていた日々が、あの楽しく笑っていた日常が俺一人では成り立っていなかったとは。
いつもお前の隣には彼奴がいたな。
いや違う、最初はお前と俺の関係は成り立ってた、成り立ってはいたが俺が見て見ぬふりをし続けていた。
でもいつの間にか、それに甘んじているうちに。
どうやらお前と俺の関係は俺だけでは成り立てなくなってしまっていたようだ。そう気づいたときにはもう終わっていた。
目の前の彼女と過去の彼奴が重なって見える。
いや、あれから俺は全ての女があいつのように、彼奴らのように見えてしまったのだ。
彼女は違う。彼女は違う。分かっている。でも俺のこの手は血に汚れている。そんな手でそんな人間が彼女に振れていい訳が無い。
違う……。俺は俺は何処までも自己中心的なんだ、俺は第二の紫水になるのが怖いんだ。第二の俺が現れるのも。俺がまたあれを繰り返すのも。
そしてこんなに俺に都合のいい存在になろうとしている彼女の事を何か裏があるのでは、ないか後ろ暗い存在なのではと常日頃、心の何処かで疑ってしまっている俺が恐ろしいのだ。
もしだ、もしもの話だ。もし彼女と俺が仲良くなって俺が心を許してしまえば俺はきっと心の底のとある感情を捨ててしまうだろう、そして俺は人としての尊厳を全て捨てるであろう。
もしだ、もしもの話だ。俺が彼女を信じてしまって、もしそこで彼女に裏切られてしまったら俺は俺自身はもう人間ではなくなってしまうであろう。
俺は俺でありたいのだ、いつまでもいつまでも。
心に課した志を成す時までは。
「すいません、変な話をしちゃいましたね」
彼女は俺の眼から逃げるように態度を一変させて明る気に振る舞った。
「思春期の娘の過保護な親への反抗程度で見て下さいね。そりゃあもう大和君のその心の底の悲しみとは比べ物にならない位ちっぽけなものですが」
多分彼女はこれ以上は触れられたくないのであろう、そして俺もそんなところに態々踏み込んでいく気もない。
「忘れて下さいね、今日の事は」
そういって彼女は俺を置いていき前に進んでいった。
ただ彼女は急に歩みを止めた。彼女の歩みを止めた理由は大方察しはついた。
彼女は移動販売の車をまじまじと見つめているのだ。
俺は彼女に追いつきため息交じりに問いかけた。
「どれを買って欲しいんだ?」
彼女は急にあたふたとした動作を取った。
「私そんな物欲しそうな眼で見てました?」
俺は首を縦に振る。
「ちょっと餡子が入っていないたい焼きを珍しいなぁと思って見ていた訳で、別に買って欲しいとかそんな気で見てたわけでは……」
はぁ、このお嬢様どうせ餡子のたい焼きしか食ったことがないのであろう。それにお店の人も急に注文もしないで見つめられていて迷惑そうだった。
「すいません、クリームたい焼き一つ」
店の人は型から完成しているたい焼きを抜き取り紙に包み、早く行けよと言わんばかりにたい焼きを押し付けて来た。
そんな空気を読み取って即座にお金を丁度支払って彼女を連れてそこから立ち去った。
「別に買ってくれなくても、私だってお金くらい持ってますし、自分で買えましたよ」
そういって鞄の中をごそごそと漁る。
中からは白黒の商店街の店のチラシが飛び出したりしていた。
「あっ……」
彼女は間の抜けた声を出した。
「今月何回目だ……」
俺は思わず頭を押さえていた。
彼女はハリマと買い物に行った時も財布を忘れてハリマに払わたことがあった、一度や二度ではなく今月何回も。
「ごめんなさい……」
彼女は俺に向かってぺこりと頭話下げた。
そして俺は彼女に押し付けるようにたい焼きを持たせた。
「ありがとう」
澄んだ声が俺の体の中を木霊した。
「別にお前のやりたいようにやればいいんじゃねぇのか。そうも誰かの眼を気にせずに、お前が一番に思っていることをしないといずれ後悔するぞ」
彼女はたい焼きを一口咀嚼し、口に手を当ててそれの破片を上品に食べていた。
多分俺はもう忠告なんてしない。
これはただの気まぐれ。
「何の話ですか?」
彼女はおずおずと俺に向かって問いかけた。
「お前の心の中の迷いに対してのだ。家族に関してか、はたまた問題はそこにあるのかイマイチ知らんけど、他人を優先すると後悔するぞ。自分が真に一番に信じている気持ちに正直になれよ」
彼女はその言葉に返事をすることはなかった。
「俺は、あの場所はお前にとって都合のいい居場所にはならないぞ。居場所が欲しければ自分で勝ちとってみろよ、あそこじゃないお前が真に欲している居場所をな」
「それでもあそこよりはまだ何億倍もマシです」
彼女はそう呟いたような気がした。
行くぞっと俺は彼女に向かって呟いた。
もう目前に迫った商店街のアーケードに向かい俺と彼女は歩き出した。
「今日のご飯は何がいいですか? 大和君」
「お前メニューも決めずになに買う気でいたんだよ?」
「とりあえず安いもん全部」
彼女は首を傾けながらそう笑った。




