★伝説の魔法★
「レインボーまほう?」
ゆかの言葉を聞いて全員がいっせいに聞いた。
「うん、このまえ、図書館にいったらきらきら金色に光る本を見つけたの。タイトルは「伝説の魔法」だったの。気になってかりたんだけど、こんな事が書いてあったの。」
伝説の魔法。それはあのとき以来だれもが使ったことがないレインボー魔法、かつて、3人の特別な魔力を持つ少女、カラフルクリスタルを持つ7人の少女、その少女たちの力で悪魔のすみかになる地球を守りぬき、平和な星にしたという言い伝えがあったという。魔法の言い伝えはあったが、その少女たちのことは知られていない。また再び、悪魔がせめてくるかもしれない。そうなったときは、きっと新たな伝説の少女がこの地球を守りぬいてくれるだろう。絶大な魔力をもつ少女たちが。
「で、そこでねむくなったの。もっとくわしく書いてあったのかもしれないけど、かえす日がきっちゃった。」
ゆかはがっかりしていった。
「はあ、ゆかはいっつもそうなんだから。」
さえはあきれ顔。
「でも、悪魔にのっとられるって。この地球を悪魔がすべて呪うってことだよね。もしそうなったら。」
ゆかが身ぶるいがした。
「たしかに催眠術学校では校長先生から催眠術をかけられて、全員が悪魔にあやつられたのよね。」
さえがいったが、
「ううん、そういえばひとり、催眠術にかからなかった子がいた。みどり、私の大親友で、みんなとも仲がよかった優等生なの。でも、校長先生の催眠術にみんながかかってから、みどりはいじめられてたの。緑ちゃんのうまれながらの魔力は悪魔法の隠れ魔力。努力し続けたけっか、呪文魔力を手に入れたの。そう、わたしにはなしてくれた。」
ルナはそういった。
すると、ゆかが身を乗り出す。
「いじめられてるって、どういう意味?」
「つまり、・・私が・・・中心となって、・・いじめてたの。催眠術にかからなかったみどりは、『やめて、みんな目を覚まして!』と何回も言いながら、毎日がまんしていたの。」
「そんなことが。・・・。」
ゆかは自分が言ったことがルナを苦しめてしまった。そう思った。ルナの部屋がシーンと静まりかえったころ、元気のいい、ルナママが帰ってきた。
「みんなー、どう?楽しんでる?」
「お母さん!ごめん、いままでひどいこと言って。」
「いきなりどうしたの?でも元気でよかった。」
二人はほほえんだ。だきあった。なみだををうかべた。
「そうだ!みんな、キャンプいってきたら?今なら魔法公園で、テントとか、キャンプに役立つ物があるみたいよ。ただで貸してくれるんだって!なんかみんな難しそうな顔してたから。とかいって、私が出張で10日家にいないからルナと遊んでほしいだけだけど。」
ゆかはうれしそうにはじけた。
「いいですね、いいですね。みんなもいくよね。いきぬきいきぬき!」
「もちろん!」
みんながいっせいにいった。
「きっまりーー!じゃあ春休み初日でいいよね?」
ゆかはわくわく気分。
「いいよ。」
全員がOKした。
きっとだいじょうぶ。悪魔なんかにやられりゃしない。むずかしい顔なんてしちゃいけない。つまらない。元気よくつっぱしる。そうしないと楽しい毎日がおくれない。げったいに。ゆかたちは、元気よく桜に向かって走り出した。
これからの悪夢なんてしらずに・・。