★悪魔力★
ルナは、今までにない笑顔で、
「ありがとう」
といい、ばったりたおれたのだった。
「ありがとう・・・って。どういう意味?」
さえがたおれたルナをベットに運びながらいった。ゆかは話し始めた。
「あの写真、絶対に本当のルナだった。あんないじわるな顔、できるはずない。それで、解除魔法を、ルナにかけた。かけるのは、この3人じゃない。ルナだった。」
ゆかは後ろの3人をみた。
「ルナは本当は悪い子じゃない。でも、解除魔法を3年生いらい、つかってないって・・。4年からなにか異変が起きたのかも。」
「解除まほうが効いたってことは、何かの魔法、魔術にかかっていたのかしら?。」
さえは首をかしげる。
「きっとそう・・」
そう話しているうちに、ルナが、ベットから起き上がった。
「うっ。うういたい。強く効いたみたい。解除魔法。」
ゆっくりと立ったが、よろよろしている。全身傷だらけ。相当強力な力がやどっていたにちがいない。
「まだ寝てていいよ。」
ゆかはルナをベットへもどす。すると、ルナが地面につきそうなくらい頭をさげていった。
「ごめんなさい。私のせいでみんなを、苦しませてしまって。」
さえは小さくひとりごとののように、つぶやいく。
「うそ、こんなにちがうなんて。」
今のルナと前のルナではまったくの別人だ。
「そこにいる3人、私のせいで・・ごめんね。」
ルナは泣きながら、笑顔をつくった。
「この催眠術、どんな効果が?」
さえがいったら、ルナはうつむき、顔を上げると、3人のうち、みみにこういった。
「私のへやからアルバムとってきて。」
そうすると、
「えっ。どこにあるの?」
ルナは何も言わない。ただ、じっとみみを見ている。と、そのとき、
「あ、あれ。体がかってに。ちょっと、どこ行くの私!」
そしてすこしすると、アルバムを持ってきた。
「いいよ。もうだいじょうぶ。」
そうルナがいったしゅんかん、みみの体がやわらいだ。
「はあ、びっくりした。」
「これは自由に人をあやつれる催眠術これが、悪魔力。
ルナはかなしそうにいった。
「悪魔力?」
こんどはルナ以外のみんながあわせて言った。
「どこかで・・・あっ。あの?」
さえはいままでにない大声で言った。
「そうね・・あれは本当だったの。」
そして、ルナは話しはじめた。ゆかたちは、アルバムを見ながら、聞いた。
催眠術学校は最初は悪い学校じゃなかった。催眠術を主に、魔術もならってる学校なの。平和で、やさしい子ばかり、友達もいっぱいできた。でも、4年生の新学期のことだったの。新しいクラス、新しい学年、そして、今年は校長先生も新しくなる。そうなふうに、ウキウキしていた。でも始業式のことだった。校長先生のあいさつのとき、
「みなさん、リラックスして。よーく聞いてください。」
なんだろう。なぜだか、校長先生の話を聞きたい。体育館全体がそんなくうきだった。
【こい。悪魔。いけ。悪の道を進め。】
そう校長先生が言った。それは催眠術だった。私は、意味がわからなかった。でもだんだんいやな気持ち、かなしい気持ち。いかりが、よみがえった。私の頭はだんだんとぼやっとしてきた。そして、気がついたら、私の心は真っ黒だった。悪魔にとりつかれたの。
「やっと人間の力を手に入れた。これから月野ルナとして、一生生きていこうかしら。」
本当の私は心のおくのおくのそこで、ねむっていたのかもしれない。悪魔がとりつくと、悪魔力が身についてしまう。人を呪ったり、操ったりできちゃうの。悪魔。それは、ひとのかなしい、苦しい、いかりの心から生まれた地の底で生きている闇。とりつけば、3年もたてばで完全にとりつかれてしまう。
話が終わったころ、ゆかがいった。
「そうなんだ。でも、私、そんな悪魔をおいはらう魔法の本、見たことある。たしか・・・[レインボー魔法]だったかな。」