4.一覧表
すると七星さんの叩いた暗闇にモニターのようなものがまた出来上がり、そこには"好感度一覧表"と書いてあった。
そこには此処に居る人全員と"此処には居ない少女"の顔と名前が書いてあり、それぞれ顔の下に名前、そして名前の下には長細いバーがあった。
朝山さんと此処に居ない少女以外バーの色は灰色であり、朝山さんのバーは半分だけピンク色に染まっていた。
「こ、好感度一覧表…?なにこれ…」
すると青山さんが
「これは元の世界での私たちが近江海斗にどれぐらい好意を持っているかの一覧表みたいよ」
「へぇ…なんか凄いですね…これ皆さんが作ったんですか?」
「いえ、七星が探してくれたのよ、ここは何かと情報が集まっているみたいなの、私もよくわからないけど」
「そうなんですか」
すると七星さんは顔から火が噴出しそうなぐらい赤くなりながら、好感度一覧表の朝山さんの顔をタッチした、すると
画面が切り替わり、そこには10行ぐらいの文字がならんでいた、そこには
[1.朝山との出会いイベント
2.朝山と部活イベント
3.朝山と放課後イベント
4.朝山と朝の挨拶イベント
5.朝山の秘密イベント
6.朝山の秘密2イベント
7.朝山と青山イベント
8.朝山と???の修羅場イベント
9.朝山のバッドエンド
10.朝山とのハッピーエンド]
と書いてあった。なんだこれ…部活とか図書館、それにすごく気になるのは8行目の朝山さんと???の修羅場て…いったいなんなのこれ…。
すると青山さんが
「これがイベント一覧表、今は4行目の[朝山と朝の挨拶イベント]の真っ最中よ」
「えっ!イベント一覧表…?」
「そう、さっき下のモニターで朝山と近江海斗接触していたでしょ?それをイベントといって、そのイベントがこの一覧表になっているのよ」
「ほ、ほぉ…」
なにやらよくわからないが、納得しているかのように装おうと思った、此処は私の理解できる範囲内を超えているような気がする…それを全部いま理解しようと思ってもできないような気がした。
そうしている間にも足元のモニターはいつの間にか朝山さんはいなくなっていて、近江海斗と先ほどの好感度一覧表に載っていた"此処には居ない少女"が移っていた。
すると一宮さんが髪をかき上げながら
「この子の名前は工藤 琴美、元の世界で近江海斗にもっとも好意を寄せている女生徒ですわ」
一宮さんが口にしたこの少女の名前…私は聞き覚えのある名前だなーと思った、確か誰よりも謙虚で清楚で影ながら男子に人気のある女生徒であったような覚えがある。
すると青山さんは
「今の近江海斗は工藤琴美とのバッドエンドを狙っていると思うわ」
「え…バッドエンド!?」