NDA00 -prologue-
最近話題?のVRMMOに手を出してみました。ぶっちゃけ、勢いで書いています。
矛盾点・誤字などありましたらご指摘お願いします。
文明の進歩というのは恐ろしいもので、ヴァーチャルリアリティの世界が開発されて、十年。史上初のVRMMORPG『 Non Division Adventure 』が開発されてもう一年近くが経つ。ベータテストもようやく終了し、正式サービス開始までもう24時間を切った。
史上初のVRMMORPGということでネットでは入手困難だ、転売云々だ、と色々騒がれたりしているけど、受験勉強真っ只中の俺はゲームとは無縁の生活を送っていて、そして、これからも受験が終わるまでは無縁のはずだった。
しかし、何の因果か、俺の手元にはそのゲームを遊ぶためのハード一式が揃っていた。
「あのさ、姉さん、俺が受験生だってこと、知ってるよね?」
ため息交じりに俺、近衛有理の目の前で目をキラキラと輝かせている姉を見た。
「大丈夫だって。有理は頭いいからちょっとくらいゲームしても問題ないよ。うん、私が保証する」
自信満々に笑う姉、有紀は弟に迷惑をかけている自覚はないのだろう。7歳年上の姉はいわゆる、ゲーマーだった。就職を期にやめるはずだったが、就職した会社がそのゲームの開発に関わっていたらしく、ずっとベータ版のテスターをしていた。というか、きっと、それを狙いで就職したに違いない。
まぁ、その縁もあり、簡単に手に入らないはずもゲームが我が家には二人分あったりする。
「だから、一緒にしよ?」
「あの……俺の話、聞いてた?」
受験勉強で忙しいからできない、という副音声は姉さんの耳には聞こえなかったらしい。
「せっかく、有理の分ももらってきたんだから、するよね?」
姉さんは満面の笑みを浮かべていた。俺と一緒にゲームできることがよほど嬉しいらしい。姉さんには、まぁ、いわゆるブラコンの気があるのだけど、それは今はどうでもよくて、案の定、俺の話は聞いてなかった。ゲーム関係で姉の暴走を止めることができないこともう何年も前に学習済みだ。下手に言い争っても、俺にメリットはない。時間を無駄にするだけだ。
「……はい、やらせていただきます」
結局、俺はそう言うしかなかった。
ちなみに、一人称はプロローグのみで次からは書き慣れた三人称で書かせていただきます。
また、作者はオンラインゲームの経験がほとんどないので至らないところもあるかと思いますがよろしくお願いします。