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第6話 青空猟奇(5)
直接、話すしかない。
青空猟奇は決心した。
神山君の通学コースは把握している。
ただ、登校する時間は毎日バラバラのようだ。
朝六時から待ち伏せ。
それは異常だ。
―――二時間後、彼は現れた。
手には何故かサボテンを持っている。
彼がサボテンを持っているのは、そのサボテンがモクキリンという珍しい品種な上、花を咲かせているという異常性志向をくすぐるものだったからに他ならない。
だが、青空猟奇にはサボテンを持って登校するその姿が異常だった。
単純にして明快、こういう『異常』の姿もあるんだ―――――。
彼女は感涙した。
ただ、彼女は気づいていない。
彼女の二メートルの青髪という単純にして明快な異常が、神山君を引きつけたことに。