6/89
第5話 青空猟奇(4)
青空猟奇は理解者を望まない。
他人に理解される異常などニセモノだと理解しているからだ。
ただ、『こいつは変だ』と思われればいい。
他人に関心を示さない彼女だが、最近気になっている人間がいる。
名を、神山君といった。
登校の際にたまに見かけるのだが、彼は異常だ。
一見普通の高校生に見えるが、違うのだ。
説明は出来ない。
故に異常なのだ。
彼女は、彼が自分を探していることなど知らない。
類は友を呼ぶ、あぁ、なんと偉大なことわざか。
彼女は知りたかった。
彼の異常性を。
『他人に理解できないから異常なのだ』という持論を持つ彼女がこういう考えを持つのは、異常だ。
あぁ罪深きは神山君、君だ。
君は青空猟奇を更に異常にしてしまったのだ