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第2話 青空猟奇(1)
神山君は高校生である。
一日も休まずに通う。
一日も休まない高校生が、異常だと考えているからだ。
実はそんな事ないのに。
闊歩闊歩、彼の学校までは徒歩五分である。
電車や自転車に乗っての通学は普通だと考え、県内一ランクが低いことなどおかまいなしでこの高校を選んだ。
もっとも、『受験勉強をするなんて普通の受験生だ』などど言い、全く受験勉強のしていない彼が他の高校を受けても受からなかっただろう。
ふと、彼は道に落ちている髪の毛を発見した。
本来そんなものに気づけるはずがないのだが、神山君は常識など持ち合わせていない。
その髪は青く、そして二メートルはあった。
異常だ。
彼は歓喜した。
身近に異常があるぞ!
彼の足取りは軽い
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