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第16話 通常逃避
「えぇとね、それでその部活は何をする部活だい?」
「ですから、未定です」
翌日、神山君と青空猟奇は部活申請をしに職員室にやって来た。
「えぇとね、何をするかはっきりしてないと設立は認められない。第一、五人揃ってないじゃないか」
この先生は、普通だ。
神山君は失望する。
二人は職員室を後にする。
「困ったわね、神山君」
「全く、これだから普通の人間は嫌いなんだ」
「もうすぐ一時限目がはじまるわ」
「青空さん、これから屋上にいかないか?ちょっと思いついたんだ」
「サボる……と言うの?神山君、それは普通の高校生よ」
「たまには普通になってみよう、青空さん。僕たちにとってそれは異常だ」
「そうね、皆勤賞なんてとったら普通かも」
次回からシリーズに入ります