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第13話 悲壮遊戯
神山君は高揚していた。
青空猟奇の家にお邪魔するからだ。
彼女の昼飯にヘリウムガス入りのおにぎりを与える母親、娘の奇行を容認する父親、そして異常な彼女が普通だと断ずる妹。
最高じゃないか。
「ただいま」
神山君は無言のまま後に続く。
これから異常な家族との対面……こちらが礼儀を守っていては飲まれてしまうと考えたからだ。
彼女は居間に向かって話す。
「お母さん、お父さん。友達を連れてきたわ。神山君というの」
神山君は居間を覗いた。
神山君は硬直した。
そこに彼女の両親はいない。
マネキンが二つ置いてあり、片方には『お母さん』、もう片方には『お父さん』と書いてある
「紹介するわ、神山君。私の両親よ」
「青空さん、君は異常だ」