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第0話 異常性志向
のほほん、と本日も神山君は街を闊歩する。
闊歩闊歩、馬かお前は。
などという自己ツッコミは彼にとって日常茶飯事。
彼は『異常性』に惹かれる特性がある。
否、性癖というべきだろうか?
異常なモノを愛し、愛でることに彼は生き甲斐を感じてさえいた。
闊歩闊歩、彼は自分こそが一番異常であることに気がつかない。
彼は『普通』を嫌悪する。
だが、何が普通なのか、彼は知らない。
目に映るモノは、異常か、それ以外の二つに分類される。
彼にとっては異常でないモノが普通なのだ。
否、異常でないモノこそが彼にとっては異常なのかもしれぬ。
異常なまでの異常性志向。
神山君とその世界の住民による異常性物語
ゆっくりと、そして速やかに
お楽しみ下さい
でははじまりです