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あーかい部! 〜部室棟 乙女の干物 集まりて 怠惰を極め 綴るは実績 電子の海へ あゝあーかい部〜 17話 トランプ

ここは県内でも有名な部活動強豪校、私立池図(いけず)女学院。


そんな学院の会議室、現場……いや、部室棟の片隅で日々事件は起こる。


あーかい部に所属するうら若き乙女の干物達は、今日も活動実績(アーカイブ)を作るべく、部室に集い小説投稿サイトという名の電子の海へ日常を垂れ流すのであった……。

ここは県内でも有名な部活動強豪校、私立池図(いけず)女学院。


そんな学院の会議室、現場……いや、部室棟の片隅で日々事件は起こる。


あーかい部に所属するうら若き乙女の干物達は、今日も活動実績(アーカイブ)を作るべく、部室に集い小説投稿サイトという名の電子の海へ日常を垂れ流すのであった……。






池図女学院部室棟、あーかい部部室。




「……なんで蝋燭(ろうそく)?」




仄暗い休日の部室であさぎと居合わせた白ちゃんは、テーブルの上に鎮座している蝋燭から立ちこめるほっそい煙が天井に登るのを目で追った。




「た、たまには良いですよねこういうのも……!?」




白ちゃんの来訪が予想外とでもいうように、あさぎはどこか慌てている様子だった。




「それもそうねぇ……、




白ちゃんは蝋燭に点火すると、部屋の電気を消した。




「怖い話でもしてみる?」


「白ちゃん先生がもうすぐ三十路なこととかですか?」




あさぎの視界が白ちゃんの手のひらで覆われ、こめかみに指が食い込んだ。




「あばばばば……!?」


「それはそれで怖いけども……!」






「いだだ…….いきなりは酷いですって……!?」


「三十路だっていきなりやってくるのよ……。」




白ちゃんは天井の隅を見つめてたそがれた。




「じゃあ今日の話題は三十路で


「良いわけないでしょ……!!」


「自分で振ったのに……。」


「振ったのはあさぎちゃんでしょ?」


「……あれ?そういえば白ちゃん先生、怖い話大丈夫なんですか?この前なんか塩袋買い込んで除霊するぞ〜!って息巻いてたのに。」


「持ち歩いてるからね♪」




白ちゃんはカバンから1キロサイズの業務用食塩の袋を取り出した。




「お化けが出て来てもこれで殴ればいっか……って思ったら怖くなくなったわ♪」


「使い道が鈍器……。」


「いや〜、塩って便利よね♪」


「主に調味料としてですけどね。」


「フッフッフ……、」


「なんですか。」


「甘い、甘いわよあさぎちゃん……!」


「そりゃ、塩抱き枕にしてる人からしたら甘いですよ。」


「塩を甘く見たら……死ぬわよ?」


「この流れで養護教諭トーク持っていこうとしてます?」


「塩といえば塩分だけど、


「……。」


「健康体のヒトの塩分は体重の




蝋燭の火があさぎに吹き消され、部室が真っ暗になった。




「ちょっと!何するの!?」


「それはこっちのセリフです。平日の部活動中ならともかく、プライベートの時間まで知識マウントに付き合う気はありません。」


「労働扱いかっ!?」


「部活は学生の仕事ですから。」


「それを言うなら勉強でしょうが……って、そんな貴重なプライベートタイムを割いてまでここでしてたことって、ちょっと気になるんだけど……?」


「そうですか?」




あさぎは素知らぬ顔でトランプ大のカードを滑らかにシャッフルしていた。




「トランプ……?」


「私が暗室で1人、寂しくトランプに興じるように見えますか?」


「めっっちゃ見える。」


「えぇぇ……。」




あさぎは火の消えた蝋燭をテーブルの端に寄せると、真ん中にカードを裏向きで配置し、混ぜた。




「トランプにそんなゲームあったっけ……?」


「……タロットって知りません?」


「あ〜、占うやつ!」


「占っていきます?」


「あさぎちゃんってそんなスピリチュアルな子だったかしら?……いやまあ、影響受けやすいタイプだとは思うけど。」


「私ってそんなに影響受けやすいですかね?」


「サメ映画の主題歌ヘビロテしたり落語の壁打ちしてたことはあったわね。」


「…………、どうぞ。」


「話題逸らすの下手かっ!?」




あさぎは裏向きに整置したカードを白ちゃんに見せつけた。




「お多感なのはしょうがないとして……、選べばいいの?」


「簡単な運試しってことで。」


「ふ〜ん……?」




白ちゃんはなんとなしに裏向きになっていたカードの1枚に触れた。




「じゃあこれで。」


「……裏返してみてください。」


「私がひっくり返しちゃって良いの?」


「どうぞどうぞ♪」


「なんだかちょっとドキドキするわね……!」




白ちゃんはワクワクしながら選んだカードをひっくり返すと、カードには大きく




[JOKER]




と書かれていた……。




「ババやないかいっ!?」


「私はタロットだなんて一言も言ってませんよ……w」




笑いを堪え、プルプルと震えるあさぎの襟足が窓からの隙間風にそよいでいた。














あーかい部!(4)




あさぎ:投稿完了


白ちゃん:殊勝ね……


きはだ:今日部活あったのぉ?


白ちゃん:休日出勤したらあさぎちゃんが部室にいたのよ


ひいろ:今週補習あったか?


あさぎ:今週はないね


白ちゃん:今週……『は』?


きはだ:おおっと墓穴


あさぎ:私に補習させたくなかったら理系科目の先生を説得してください


白ちゃん:何様なのよ……


きはだ:文系科目主席様


あさぎ:ひれ伏してください


白ちゃん:偉いのか偉くないのかわからないわね……


ひいろ:1番なんだぞ?褒めてやったらどうだ


きはだ:……と、あさぎちゃんのせいで科目1番が取れないひいろちゃんが申しておりますゆえ


白ちゃん:はいはいすごいすごい


きはだ:きはだちゃんは〜?


白ちゃん:まずは解答欄を全部埋めましょう


きはだ:ケッ




ひいろ:あさぎ今度はカードにはまったのか?


あさぎ:いいおもちゃを見つけちゃってね


白ちゃん:トランプって、そんなにのめり込むほど面白いかしら?


あさぎ:そりゃババを引かせた時はもうw


白ちゃん:おもちゃって私のことかいっ!?

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