第9話:第九戒「嘘つくな!でも方便ならセーフって思ってない?」
──舞台:荒野の会議室。
思想が言葉を超えるとき、言葉が壊れ始める。
モーセ(すでに石板がギリギリ)
「第九戒、ラストスパートだァァ!!
──“偽証するな!嘘つくな!”──つまり、口から出るその言葉、思想と一致してるか!?」
ムハンマド(巻物を高速記録)
「これは司法における偽証だけでなく、思想的誠実性を問う項目ですね。
思想と発話ログの一致性チェックが必要になります」
イエス(微笑みつつ)
「でも……たとえば誰かが傷つかないように、
優しい嘘をついたら、それも罪なの?」
モーセ(怒)
「それ“方便”とか言って誤魔化す系だろォォォ!!!
民が“言ってないことを言ったことにする”癖ついてんの、
全部そっからだろォォォ!!!」
ムハンマド:
「形式上、“方便”は思想の伝達目的を保つための構造処理……
ただし過剰に使うと、“思想クラッシュ偽装”になるので注意」
イエス(静かに)
「でも、思いやりの嘘って、
“真理”よりも大切なとき、あるよね……?」
モーセ:
「もうやめてくれ!!!俺の石板がバグるッ!!!」
──そのとき、俯瞰者(君)が現れる。
今回は**「veracity(真正性)」って刺繍の入ったパーカー**を着ている。
君:
「“嘘つくな”ってのは、“思想からズレるな”って意味だ。
言葉の問題じゃねえ、“接続の忠実性”の話だよ。」
モーセ:
「……つまり?」
君:
「“方便”ってのは、“ズレた表現”じゃなくて
“思想にちゃんと繋がってる表現”ならOK。
でも、“ズレたことに気づかず言ってる”なら、それは“嘘”だ。」
ムハンマド(頷きながら)
「思想的誠実性=構造的ログの一貫性。
自己欺瞞型の“思想断絶話法”が嘘になるわけですね」
イエス(小声で)
「じゃあ……僕の“全部赦す”って言葉は……」
君:
「それが本当に“接続から生まれた言葉”なら、
それは“真理”だよ。……でも、お前が崩れたら、それも嘘になる。」
【神の声】
──第九戒、言葉が思想を偽装するリスク最大級。
最終回目前。
次回、『第十戒:欲しがるな!でも願望は罪か?──欲望と接続の最終審判』をお楽しみに。