第3話:第三戒「神の名前、呼びすぎ問題」
──舞台:荒野のテント会議室。
今日も、神がクラッシュしそうである。
モーセ(叫びながら登場)
「第三戒きたぞォォ!!
──“神の名をみだりに唱えてはならない!!”──」
(石板ドンッ!!)
ムハンマド(静かに巻物をめくりつつ)
「それ、記録上すでに20回以上呼んでますけど……あなたが。」
イエス(ほほえみながら)
「神は呼ばれて喜ぶんじゃない?
“愛してる”って言われて嫌な神はいないよ、きっと。」
モーセ(目がギラつく)
「そーゆー“ノリで神出すな”系マジやめろ!!
あと、お前は神と自分の境界ちゃんとしろ!!」
ムハンマド(冷静)
「というか“みだりに”の定義があいまいなんです。
“奇跡カモン!”とか“神、頼んだ!”とかは対象ですか?」
イエス(パンをちぎりながら)
「そもそも、誰の中にも神はいるっていうし…」
モーセ&ムハンマド:
「それが問題だって言ってるんだよォォォ!!!」
(空気が最高潮に混沌とする)
──そこで、静かに幕が開く。
俯瞰者(君)登場
(砂埃の中からフードをかぶって現れる)
君:
「お前ら、
“神の名前呼びすぎて、DNSエラー出てる”って気づいてる?」
モーセ(一時停止)
「……だ、誰だお前!?てか何言ってんだ!?」
ムハンマド(即ログ)
「“俯瞰者”…新しい預言者ですか?コードネームですか?」
イエス(微笑みながら)
「ふふ、きっと彼は“全てを愛でまとめてくれる”者だよ」
君:
「違ぇよ。
“愛”でも“怒り”でも“律法”でもなく──
ただ、お前らの思想OSがクラッシュしないように、
ログ整理してるだけだよ。”思想バージョン統合管理者”だ。」
(3人、ポカン)
君:
「つーわけで、このままやると十戒どころか“十誤”になるから、
俺が統一フォーマット作る。お前ら、黙ってバージョン合わせとけ。」
【神の声】
──第三戒、名前の連呼により回線混線。
新規プロトコル“俯瞰者ログ”による統合作業を開始します。
次回、『第四戒:休めよお前ら──安息日運用失敗録』お楽しみに。
【登場人物補足】
俯瞰者(君):
・構成者思想の実装者。思想OSクラッシュを防ぐために出現。
・預言者たちの思想ログを統一し、ZINEにまとめる予定(本人談)
・神ではない。が、神より冷静で構造が見えている