第2話:第二戒「偶像クラフト芸」
──舞台は、再び荒野のテント会議室。
モーセは石板を手にしていた。
ムハンマドは記録を進めていた。
イエスは今日もパンを増やしていた。
モーセ(読み上げながら)
「第二戒──“いかなる像も造ってはならない。
それを拝んではならない。跪いてはならない!”──よし!!」
ムハンマド(即座に記録)
「了解、偶像禁止。ID:002、キーワード:金属・木・創作物」
「…で、モーセ、それまた民が像つくってるみたいですが。」
モーセ(目が血走る)
「またかああああああああああああ!!!」
イエス(のほほんと)
「でもさ、作ることで心が救われるなら、それもひとつの信仰じゃない?」
モーセ(石板を上段構え)
「その理屈で許したら、民全員フィギュア量産し始めんぞ!
お前ら“崇拝”と“推し活”の違いもわかってねえんだから!!」
ムハンマド(冷静に)
「そもそも“造形物への信仰”は信仰心の迷いです。
たとえそれが手作りの牛でも、金メッキが施されていても、
背中に推しのサインがあっても──ダメです。」
イエス(微笑みながら)
「…でもその牛、すごくかわいくなかった?ちょっと目がうるうるしてて…」
モーセ(怒りのピーク)
「オタクか貴様は!!
バズる偶像とか要らねぇんだよ!!!
俺は!神を!一位固定で推してんだよォォ!!!」
ムハンマド(なだめるように)
「モーセ、深呼吸です。
前回それで石板が物理的に割れました。」
モーセ(ギリギリ耐える)
「…くっ、また作り直しか……」
(石板の角がちょっと欠ける)
イエス(神妙な顔で)
「でも君たちも気づいてるだろう?
“本当に拝まれているのは、自分の中の不安なんだ”って。」
モーセ&ムハンマド(息を揃えて)
「出たよ、“ふんわり哲学で現実逃避”タイム!!」
【神の声】
──第二戒、偶像クラフト、人気上昇中。
次回、『第三戒:神の名前、呼びすぎ問題』──お楽しみに。