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転生したら不正入国者だった。終わった。  作者: 旅人凛人
一章

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16/23

第十五話 身体強化は超極ムズだった。


「身体強化は、その名の通り身体の能力を向上させる魔法よ。」

「身体強化は、身体をいつもより強化されている『状態』にするから、魔術じゃなくて魔法ね!」

「難しいな……」


 学校の授業を受けているみたいだ……

 この世界に学校があるのかすら分からないが、これは義務教育レベルの話なのか、それとも専門的な話なのか、そこだけ気になるな。

 身体強化とか防御魔法って、一般的な魔法なイメージがあるし。


「……防御魔法とか身体強化って、この世界では、基礎の基礎みたいな魔法なのか?」

「防御魔法は、魔法戦闘で使いこなせたらS級レベル。身体強化を自由に操れたら、SS級ね。」

「超極ムズのレベルじゃねえか。もっと……簡単なところから教えてくれよ!」

「でも、魔術や魔法を使える人達にとっては、基礎レベルになるわね。」

「魔法とか魔術を使った戦闘自体が、超極ムズなんだよ!さくたんは魔術のセンスがあるから、身体強化も 使えるかな?って感じで。」


 ……なるほど。防御魔法とか身体強化は、魔術や魔法を使った戦闘では基礎レベル。

 だが、そもそも魔術や魔法自体が超極ムズと。


「……じゃあ、2属性の適正がある俺って、素材としては結構強いのか。」

「素材としては、ね。私は一属性だから、素材としては負けているわ。」

「私は全部使えるけどね!」

「やっぱ……トワって魔術に関してなら、マジでチート級だな。」

「魔族なら、全魔法、全属性が使えて当たり前!魔族同士の戦いになると、その練度が大切になるかなぁ。」


 ……魔族同士の戦いは、ひとつ次元が違うらしい。


「身体強化……パッと加速するくらいは、出来るようになりたいな。」

「加速は、足全体の筋肉を、一度に強化するから、身体(からだ)への負担が大きいわよ。関節を強化し忘れると、普通に脱臼するし。」

「……グロいな。」

「足首とかふくらはぎとか太ももで、強化の仕方も全然違うし……激ムズだよ?加速。」


 異世界に来たからには、バンっ!って加速したりしたい……が、膝を脱臼とかしたら、シャレにならない。


「……足首だけうまく強化したら、パッと移動出来たりしない?」

「ヘルシアの使い方が、まさにそれね。」

「マジか!?」

「器用だよねー、あれ。アキレス腱をグッと縮めて、足首を強制的に動かして加速とか、頭おかしいよ。あんな使い方して、なんで身体のバランス取れるのか……私にも分からないや。」


 そっか。もし加速出来ても、止まれなかったり、バランスを崩したりしたら、大きな隙を見せることになるな。


「まあ、実用的に使えるかどうかは置いておいて、身体強化自体はシンプルな魔法よ。」

「魔力を体の部位に込めるだけ。単純に強度を上げる程度なら、簡単に出来るわ。」

「強度を上げる……なら、足首あたりの強度を上げて、斜め下から風でぶっ飛ばせば、加速出来るかもな。」

「……その発想力に脱帽だわ。」

「発想力って、魔術を扱う上でイチバン大切な力だから、佐久間は魔術に向いてるよ!」


 背中から風を噴射して加速するのは、異世界系だとよくある使い方だ。

 

 だが……この世界でそれをやったら、内臓がぐっちゃぐちゃになるかもしれない。

 

 だから、この世界に元々住んでいる皆からは、風魔術で加速するという発想自体が出てこないんだろう。

 

 ……全身を強化すれば、今の俺でも加速に耐えられるかもしれない。

 

 でも、それをやれるだけの魔力量が無いし、イグニスと筋トレするか、魔力量にポイントを全ツッパするしかない。


「一応、まだポイントを振らずに貯めてあるんだけど、魔力に全ツッパしたらいけるか……?」

「まだ振ってなかったの……?運に振れって言ったのに……。」


 イエスタは、軽く失望したような声色でそう言った。


「……いや、こういうポイントって、取っておきたくなるだろ。エリクサーとか、ラスボスまで残して置くだろ?」

「何を言ってるの?」

「いや……あれだよ。レアアイテムを使えないで、結局ゲームオーバーになるあれの事だよ。」

「そっちの世界の話を急にされても、分からないわよ……」


 そっか……こっちの世界には、ゲームとか無いのか。

 俺からすれば、この世界は半分ゲームみたいな世界だけど、みんなからしたら、ここが普通の世界なんだよな。


「……俺の世界の話とかもしてえな。今はそれどころじゃ無いけど。」

「ポイントね……私は、魔力全ツッパでいいと思うよ?魔力量こそ正義!魔術をバンバン打てるようになれば、それこそ超強くなれるし。」

「私は運に振ることをおすすめするわ。ギャンブラーと思うかもしれないけど、あなたは運のステータスが低すぎる。これだと、勝てる戦いも勝てなくなるわ。」


 うーん……これは、どっちが正解なんだ?

 魔術を沢山打てるようにして、防御魔法、身体強化とか色々使って戦うか、運のステータスを上げて、不安要素を取り除くか……


 今、俺の自己強化ポイントは、希望組との戦闘(?)もあってか、105.2ポイントもある。

 1ポイントごとに能力値が1.001倍されるから、魔力に全ツッパしたら、1.1倍くらいになるのか。


「……よし。100ポイント魔力に振って、5ポイント運に振る。」

「ビミョーに運も捨てられない感じ、凄っごいさくたんっぽいね。」

「……チキン。」

「チ、チキンとか言うなよ!」


 イエスタに煽られたが、そんなの関係ねぇ!俺はどっちも取るんだよ!


 半分ヤケになって、ポイントを魔力と運に振ると、身体が変わっていく感覚に襲われた。

 流石に100ポイント一気に振ると……変化を直接感じられるな。


「……魔力量がだいぶ増えたか。」

「ええ。その魔力量なら、風の刃を100個くらい飛ばせるわね。」

「そんなに!?」


 今までは、だいたい30個打ったらキツかった。すぐ3倍以上になったりするのかよ。


「魔力のステータスは、魔力量以外にも、魔術の効率や魔法陣生成にかかる時間の減少……魔術や魔法に関する、あらゆる能力が強化されるの。」

「それに魔術の適性もレベルアップするから、一気に扱いやすくなったって訳だね。私も、また魔力に振ろうかな……」

「トワ、もう魔力のステータスはカンストしてるでしょう?他のステータスに使いなさい。」

「魔力のステータスを限界突破させる!」

「はぁ……そんなこと、出来るわけ無いでしょう?」


 ステータスにはカンストもあるのか。

 ……まずい。俺みたいなザコは、カンストのステータスが低い可能性が極めて高い。


 ポイントを貯めて、バンバン強化しまくれば、いつかは無双出来ると思ってたのに……


「カンスト……か。俺の場合、いつ来るんだろうな。」

「さあ?そんなの誰にも分からないわ。」

「私は生まれてからずっと筋力に全ツッパしているが、まだカンストの気配がない!多分、佐久間がカンストするのは結構後になるはずだ!」


 冒険者ギルドの依頼をこなしまくって、ポイントを稼ぎまくってるイグニスが全ツッパしてカンストしないのなら、希望は全然あるか。


 ……って、筋力全振りとか、イグニスの筋力のステータスどうなってんだよ。バグってるだろ絶対。

 

「魔力のステータスがカンストした時の絶望感はヤバかったな……私、これ以上強くなれないんだって思うと、超辛かったよ。」

「魔族の魔力ステータスカンストは、重い意味を持つと言われているわ。魔族にとって、魔術は全てだから……」

「そう!ついに来ちゃったかー!って感じ。でも、魔道具で無理やり強化したりとか、魔眼(まがん)を鍛えればまだまだ伸びるけどね。」

「魔眼……だと?」


 魔眼……?そんな、素晴らしいものがあるのか?


「魔眼は、身体強化の極みの魔法だね。そもそも魔力って、細胞から出てくるパワーなんだけど、眼球の細胞から沢山出てるんだよ。だから、眼球を強化しまくると、すっごく魔力が手に入るって感じ。」

「ちなみに、人間が魔眼の状態になるまで眼球に魔力を込めると、ほぼ確実に失明するわ。」

「そんな……俺、魔族に転生したかった。」


 魔眼……俺には使えないのか。悔しいな!いつか絶対に、魔眼を成功させてやる!


「魔眼って、魔族の奥義みたいなものなんだよ?魔族でも、長時間やるときついよ。」

「人間で、魔眼を使えた例って無いのか?」

「あるわ。」

「あるのかよ!」

「私が使えるわ。」

「!?!?!?」


 まさかの、イエスタが魔眼を使えた例だった。

 イエスタの魔眼……うっわ想像しただけで超かっこいい。見たい。


「魔眼って……目の色が変わったりするのか?」

「するよ!魔族の場合はだいたい赤色だけど、人間は個人差があるかな。」

「私の場合は、元々の水色が輝くわね。」

「輝く……」


 目が輝く……やっべ、ガチで魔眼使いたくなってきた。

 防御魔法とか身体強化の練習、全部サボって魔眼の練習しようかな。


「魔眼の前に、やることは山ほどあるわよ。魔眼は身体強化魔法の頂点。基礎の基礎も出来てないクソザコには、到底扱えないわ。」

「身体強化魔法を超詳しく教えてくれ。頼む。」

「いいよ!まずはね……」

「身体強化なら、私も力になれるぞ!久々の出番だ!」

「2人とも直感的な説明しか出来ないだろうし、理屈は私が説明するわね。」


 そうして、身体強化魔法の猛特訓が始まった。

 魔術を初めてやった時よりもキツくて、何回も魔力切れになった。


 途中から魔力切れの感覚に慣れて、イエスタから引かれたりしたが、その分上達は早くなった。

 

 数日かけて、強度を上げるシンプルな身体強化は、使いこなせるようになった。




 その間、エスマリアは一度も帰って来なかった。

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