プロローグ
誰もが青春という時間を過ごし、また誰もが恋をする。
これを見ているあなたは今、恋をしているだろうか?もしかするともういないかもしれないし、これからできるかもしれない。
叶うはずもない偶像を無限大に楽しもう!せめて偶像の中では青春物語を完結させてくれ。
それはまるで舞い落ちる雪のように、ただただ美しく私の前を降っていた。ふとした時に会いたくなるようで、なんだかずっと考えているみたいだった。みんなと笑った君を、ずっと見ていたい。だけど、話しかけられたらきっと君の、ルビーよりも綺麗な目に夢中になるだろう。とても知らない、みんな知らない私の恋心。
それはまるで溶けきった雪のように、ただただ儚く俺の前を散っていた。みんなと笑った俺を見て先輩が少しでも軽くなった、と聞いたことがあったがきっと本当にそうなのだろう。暑さの中でも俺を見ていた。雪が降りしきる季節にも俺を待っていた。初めて話しかけたときは俺のことをルビーか何かと思っているような目でとても夢中になっていた。その瞬間わかってしまったんだ。この何も知らない先輩が自分に夢中になっていたということに。きっとこれは誰も知らない先輩から俺への恋心。
(続く)