閑話休題
「今回は地味に気になってること。『觔斗雲に乗ればすぐにこの旅終わるよね?』について検証していくのヨ」
「西遊記もので必ず生じる疑問ね」
「それなあ」
「じ、実は乗せて頂いたことはあるんですよね」
「あるのネ」
「俺も一度乗せてもらったけど無理無理無理」
「その…酔ってしまって」
「おいら重量オーバーだって言われた」
「根性ねえよな」
「あれは根性じゃどうにもならないわよこの脳筋」
「ここで觔斗雲の速さを見てみるのヨ。公式だとひとっ飛びで108,000里進むことになってるヨ。これは時速にすると900キロ、秒速だと250メートルになるヨ」
「ひとっ飛びの基準とは」
「さすがおじさん、お金に厳しいだけあって数字に細かいわね」
「これはゾウガメの約300倍の速さヨ」
「比較がおかしい」
「ナマケモノだと約8,000倍ネ」
「だから比較がおかしいだろ!」
「セ○ウェイだと45倍の速さヨ」
「絶滅危惧種」
「要は旅客機とほぼ同じ速さらしいヨ」
「最初からそれ言えばよくねえか?」
「はあ、時代を先取りした乗り物なんですねえ」
「典型的なクラッシャー設定っすね」
「一応、天界とかにも行くからそれくらいないと駄目なのかな」
「行かねえし行く気もねえ」
「でも旅客機と一緒ってことは、長安から天竺まで長くても半日で行けちゃうってことよね」
「西遊記日帰りコース」
「西遊記弾丸ツアー」
「でも、酔っちゃうんで…すみません。私は白竜で行く!」
「ヴヒヒッ」
「あのお師匠さまが断固拒否してる」
「だーからー觔斗雲に乗らなくても縄で縛ってぶら下げて天竺上空に着いたら空中投下すりゃあいいじゃねえか」
「ドローン配達でもそんな雑なことしないわよ?」
「乗ってりゃ慣れるって」
「教習所の先生みたいなこと言ってる」
「想像してみるヨ。45倍速で走るハンドルの無いセグ○ェイに乗ってみたときを」
「おいおい觔斗雲は夢の乗り物だろ」
「…お分かりいただけただろうか。あの雲のエグさが」
「天井の無い旅客機に乗ってるってことだね」
「速いにこしたことねえだろが」
「まともな乗り物じゃないってことは分かったわ」
「まともじゃない奴の乗り物ヨ」
「何で俺がおかしいみたいになってんだよ!?」




