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オタな俺とオタク少女  作者: 蟻の巣
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親バカ

 客間に入ると、いつも通り俺と向かい合う形で剣心さんが座り、俺も腰を下ろした。

「急で驚かせてしまったな」

 剣心さんは机の上にグラスを二つ置くと、一つにお茶を、もう一つにブランデーのような甘い匂いとアルコール臭のする飲み物を注いだ。

「飲みたまえ」

「ありがとうございます」

 当然俺に渡されたのはお茶だった。俺はお茶をちびちびと飲みながら剣心さんの出方を伺った。

 見知らぬ少女を連れてくるのは予想外で、これから何を言われるのか全く想像がつかない。

「甘いものは好きか?」

「はい、人並みには」

 剣心さんは戸棚を開けると中から金平糖の入ったお椀皿を取り出し、また差し出された。

「あ、ありがとうございます。いただきます」

 室内に響く音はポリポリと金平糖を食べる音だけだった。

「三石のせがれよ、先に儂の用件から済ますことにする」

「はい」

 儂の用件からってことは、水咲さんの話がまた別にあるんだろうな。

 剣心さんはブランデー?を一口飲むと腕を組んで続けた。

「お前は火恋と雷火どちらと仲が良い?」

 来たやっぱり、この話か。

「そうですね、雷火ちゃんとは非常に仲良く…」

「らぁぁぁぁーいかちゃーん?」

 ライデ○ーンでも呼びそうな、底いドスの利いた声で紡がれる雷火ちゃんの名前。

「ら、雷火さんとは非常に仲良くさせていただいています」

「火恋はどうなのだ?」

「火恋さんとも仲良くさせていただいています」

「二股かぁ!!」

 薄く閉じられた瞳がカッと見開かれ、何処にあったのか刀が引き抜かれ突きつけられた。

「ち、違います違います違います!まだ清いお友達関係でして」

「貴様!お友達感覚で娘をたぶらかしておるのか!」

「違います!真剣です!」

「真剣にたぶらかしておるのか!」

 何この人めんどくさいんですけど!

 こぉろぉすぞぉとヤクザ顔負けの眼光と突きつけられた刀にびびってしまう。

「娘とはどこまでいったのだ?」

「ど、どこまでとは?」

 冷や汗を垂らしながら質問に答えるが、先ほどから隣の部屋の障子に写った人影がゴソゴソと動いている気がする。

「手を握ったとか一緒に散歩したとかあるであろう!」

 手を握ったとか、昭和か!

「て、手を握らせていただいたことはあります!」

「なぁにぃ!?」

 血走った目をして、刀が首筋に突きつけられる。チャキって音が凄く恐い。

 本当は雷火ちゃんには指舐められちゃった、しかも火恋先輩の指は舐めちゃったよテヘとか言ったらどうなるんだろう。

 一瞬自分の首が吹っ飛ぶ映像が浮かんで身震いした。

 更に一緒にお風呂に入って、三姉妹一緒に寝たよ、昨日。とか言ったらロデオに乗った剣心さんに市中引き回しの刑にされるんだろうな。そして翌日役所の前に俺の首が吊られていると。

「ら、雷火さんも火恋さんも非常にお優しい方で、僕みたいな人間でも丁寧に扱っていただいていますので手が触れる機会がございました」

「そうか、娘は優しいからな…。娘をどう思う?」

「火恋さんは非常に真面目で責任感が強く、何事も正面から向かっていく姿勢に感服しています!雷火さんは気さくな一面もあり、誰かの為に一生懸命になれる優しさを持っている、そんな素晴らしい方たちだと思います!」

 刀が恐くて目を瞑っていたが、反応がないのでそっと開けてみると、剣心さんはニカーっと狂気な、違う、満面の笑みを浮かべて頷いていた。

「やはりお前は見所があるな」

 うん、わかった。この人超ド級の親バカなんだと思う。

「そうだ、儂の娘達は非の打ち所がないほどに可愛い、それは事実だ。今回儂が呼んだのは他でもない、お前の事をしっかりと確認しようと思ったからだ。この前の居土の件、話は全て娘から聞かせてもらった。真に感謝する。儂の眼力が衰えていたとしか言い様がない」

 そう言って剣心さんは頭を下げた。あの、頭はいいですから刀下げてもらっていいですか?

「あのような者に儂の可愛い娘を渡すことになったかと思うと気が気ではない。だから今後は儂が直接この目で確かめる事にする」

 いやーそれは参ったな、いやマジで真剣に勘弁して下さい。

「儂としては大事な娘はしっかりした男の下にやりたいと思っておる、出来ることなら社会的地位と経験がある人格者の下にな。しかし玲愛と火恋からの猛反対にあった。それほどまでに、お前を買っているのだと」

「あ、ありがとうございます」

「しかしな、娘は買っているかもしれんが、儂にはまだお前の力量が見えん。言ってしまえば、ただのひょろいもやしにしか見えんのだ」

 でしょうな。

「儂はお前に任せるのは不安なのだ。見てみ、娘達の心配しようを」

 剣心さんは視線を隣室の障子の方に向ける、そこには身を屈めているが、バレバレな影が写っている。あれが雷火ちゃんなのか火恋先輩なのかはわからないが、気になってしょうがないのだろう。

「お前を心配しているのではないか?」

 いや、単に野次馬根性な気がしますが…。

「お前はしっかりと未来を持っておるか?その点は居土の方がしっかりしておった」

 確かに自身の未来が見えない、なんなら最終的にどちらかに絞れるかどうかすら疑問だ。

「自分の未来も見えない若造に、儂は娘をやることが出来ん、悠介よ…」

 初めて俺の名前を呼ぶと剣心さん深く唸るようにため息をつき、俺の目をまっすぐに捉えて離さない。

「この話、降りるつもりはないか?」

 あー成程、それが目的か。

「こちらも本気の好意を寄せています、だから自分から降りる事はしません」

「今なら迷惑をかけたとして、望む物を与えよう。金であろうと、女であろうと望む物を用意しよう」

 障子からバンと何か叩く音が聞こえた、障子の裏側の人が怒っているのだろう。

「必要ないです」

 なんら逡巡することなく、きっぱりと言い切った。

「………ふむ、そうか。ここで降りる等と言うのであれば叩き切ってやろうかと思っていたが、その意気やよし」

 どうやら剣心さんに試されていたようだ。変な事言わなくて良かった。

「貴様はまだまだ荒削りだ、いや形にすらなっておらん原石にすぎん。娘達はその原石を気に入っておるようじゃが、それではまだまだだ。伊達に入る以上はきっちりと研磨された刀のような男にならなくてはいかん」

「はい」

「そこでだ、儂から試練を与えたい」

「試練ですか?」

 剣心さんはチラリと外を見やると、丁度のタイミングで水咲さんが帰ってきた。

「水咲よ、さっそくだが話をしてくれ」

 水咲さんは何故かツインロールの形を若干歪めて帰ってくると、手元に資料を準備して話を切り出した。

「はい、先ほどお名前は申し上げました通り、水咲・アリスティア・嵐と言います。以後お見知りおきを」

 丁寧に礼を受けたので、俺も土下座に近い形で礼をする。しかし凄い名前だな。

「私の水咲グループは伊達家とこれまで相反する位置にいる、言わば犬猿の仲に当たる位置づけでした。しかし昨今の景気を鑑みて、対立するのではなくお互い協力し合う方向で事業提携を行っていくことになりましたの」

「はぁ」

 なんだか凄く真面目な話をされているが、俺はあのツインテールドリルが気になってしょうがない、凄く引っ張ってみょんみょんさせたい。

「今回初の伊達、水咲共同事業として新型アミューズメント施設、アリスランドが先月に開園したのですが、これの運営が非常に芳しくありませんの」

「はぁ」

 みょんみょんしたい、くるくるもしたい。

「地方に出展させていただいているのですが、昔は交通事情が非常に悪いところで、都内からでは片道五時間と、長時間かかっていましたが、今は改善され片道二時間弱で行く事ができます。しかし昔のイメージが強く、客足が思うように伸びませんの」

「はぁ」

 俺は水咲さんから、アリスランドのパンフレットを渡される。そこにはきっしょい兎や、リアルなおっさんの顔が描かれた卵など、おおよそアリスシリーズに出てくるキャラクターをモチーフとしたであろう着ぐるみの写真が並べられていた。

 これはどう考えても交通事情だけが問題じゃないだろ…。

「マスコットキャラクターとして、鏡の国のアリスに登場するジャバウォックをモチーフとした、ジャバジャバ君もあまり効果をなさず…」

 パンフレットのところどころに毛玉?真っ黒な球体の真ん中にギョロッとした一つ目、周りから無数の触手のようなものが伸びている、バックベアード様みたいな奴が「遊びに来てね」と吹き出しを出している。遊びに行ったら最後取り憑かれて、呪い殺されそうな風貌だ。

 大体何でマスコットに怪物のジャバウォックを起用するんだ。兎とか猫とか、それこそアリスにしてしまえばいいのに。

「こちらとしてはその状況を打破するために私も着ぐるみを着て園内を回っているのですが、やはり客足は伸びず」

 いや、別に貴女はそのままでいいんじゃないですか?ドリルがちょっとあれですけど、むしろそれをイメージしてたんじゃないんだ。

「この状況を打破するために、大型ツアー企画がたてられまして」

「ツアー?」

「ええ、アミューズメント施設と言えば、カップルですわ」

「まぁそうですね」

 確かに一番のリア充爆破スポットであることは間違いないだろう。

「そこでカップル限定ツアーを考えたのです」

 あー成程、なんとなく読めてきた。それで現在半カップルみたいな俺たちに参加の呼びかけにきたんじゃないだろうか?

「その企画はパンフレットの後半ページに書いていますわ」

 俺はページをめくると[カップルVSカップル、史上最強のカップルはどいつ達だ!?カップルの中のカップル達、でてこいや!]とバカでかく書かれていた。

 俺は思わず頭を抱えた、ここの企画担当はマジでクビにした方がいいと思う。

 更にめくるとたくさんの筋肉質な男たちが腕を組みながら、炎のCGを背景にまるでK-○でも始まりそうな写真がとられていた。

 間違いない、近いうちにこの遊園地は潰れる。

「それでですね、現在出場者を募集していまして、そこに丁度伊達家の方から良い人材がいるとお聞きしましたので」

 そう言って少女はチラリとこちらを見ると、後は言わなくてもわかるだろ?的な空気をだした。

「はぁ…最強のカップルですか?」

 正直意味がわからない、何だ最強のカップルって?このパンフレットにはまるでカップルという新しい格闘技があるみたいだけど。オランダとかでやってそうだ、オランダの人ごめんなさい。

「既に一○○組の応募をいただいていますわ」

 マジかよ、一○○組ってことは、二○○人も、こんな頭沸いたイベントに参加するのかよ。

 もっとよく見てみると、最強のカップルにはアリスランドでの挙式と賞金一○○万円、更に恋人未満の方にはアリスランド以外でも使える、水咲、伊達グループでのアミューズメント施設、生涯使い放題券と日本何処でも旅行券をペアでプレゼント。

 賞品はお金を使ったものにしてるな、これ別れた時どうするんだ?

「この恋人未満の方っていうのはなんですか?」

「参加資格は男女ペアでしたら構いませんの、ですからこれを機会に仲を深めていただくということもできますの」

「成程」

 しかもイベント参加者は入場料半額か、大規模なイベントなんだな。更にもう一枚めくると開催予定競技と書かれていた。

「競技?…競技!?」

 驚いて二回言ってしまった。何だ競技って、確かに最強のカップルを決めるって言ってたから何かしら競わせるのだとわかるが。

「ゲーム大会に、ミスコン男女、クイズ大会、棒高跳びに、25メートル自由型水泳、男女ガチンコタッグバトル、に仮装コンテスト」

 マジで早急に企画担当者をクビにするべきだと思う、クイズ大会の後が酷い、それ以外に何か思い浮かばなかったのかよ…。

 これだけたくさん競技が書かれていたが、隅の方に赤ペンでと屋内ビーチバレー、とゲーム大会、コスプレミスコンとペン書きされ丸で囲まれていた。

「これは?結局何をするんですか?」

「申し訳ありません、そちらは修正前のパンフレットになっていますので、その赤ペンで書かれたものが競技になります」

「屋内バレーにゲーム大会、コスプレミスコンか…」

 まぁアウトドア、インドア、ミスコンと競技的にはまともになったと思う。

「三石のせがれよ、儂からの試練だ。この催し事で見事一位をとってくるのだ!」

 クワっと再び目を見開く剣心さん、漫画だったらここは集中線だと思う。これは完全に強いられているぞ。

 とってくるのだと言われいましてもですね。

「これ一日で行うんですか?」

「二日間を予定していますわ、一日目終了後と、二日目終了後にはそれぞれ自由時間を設けています。言い忘れましたが、最終種目のコスプレミスコン終了後にテレビ中継を入れながら優勝者がキスをしていただき永遠の愛を誓っていただきますわ」

 日本中の晒しもんじゃないか!

 素敵でしょうという水咲さん、もしかしたらこの人企画に参加してる可能性があるな。

「私も参加いたしますので、ここで伊達と水咲勝負するのも面白いのではないかと」

 あー勝負とか剣心さん好きそうだな。勝手に受けて後で娘たちに怒られると。

 ここで安請け合いしていいものかと迷うところだが、剣心さんの目もある、一位になれなくても即婚約解消じゃーとはならないと思う…多分。

「こちらは構わないですけど、火恋先輩や雷火ちゃんに確認をとった方が良いのでは?」

「あら、私は雷火…さんがでると思っていましたが?」

 こちらにもいろいろあるのですよ。

 その事について意外な人が意外な答えを出した。

「その件だが伊達は玲愛を出そうと思っておる」

 えっ?今回の話で一番遠い人が出てきたぞ。

「最近玲愛への婚約申し込みが激増しておる、火恋の約三倍を超え、日に日に増えるばかりだ。儂も伊達より先に自身の身を固める事をしてほしいと思っておるが本人にその気は全くない」

「そうですね、玲愛さん伊達を回す事に必死ですからね」

「挙句の果てには時期になったらダーツで結婚相手を決める等と抜かしおった」

 はは、玲愛さんマジぱねぇっす。

「それで儂の娘が幸せになると思うか?」

「無理でしょうね」

「であろう、だから今回のこのイベント参加者に玲愛の婚約者候補を複数忍ばせておる、そいつらには秘密裏にお前たちと接触させる手はずになっている。お前の目的は一○分以上その男たちと玲愛を会話させること、可能であるならランデブーさせるのだ」

 ら、ランデブー?何その混乱魔法みたいなの。

「それはもしかして、玲愛さんにお見合いさせようとしていますか?」

 苦い顔で頷く剣心さん。

 成るほどな一○○組ってもしかしたらほとんど玲愛さんのお見合い相手かもしいれないな。

「儂には火恋、雷火だけでなく玲愛の面倒も父として見る必要がある」

 キリっと言い切る剣心さんの顔は正に父の顔だった。

 本来の目的は玲愛さんにお見合いさせるところにあって、恐らく俺の一位をとるってのはどうでもいいんだろうな。

「あの、もし僕と玲愛さんが一位になったら大変な事になると思うんですが?」

 テレビ中継で愛を誓うことになって、その上キスするとか、玲愛さんの未来が終わる。

「玲愛一人なら優勝も可能かもしれんが、お前のようなもやしがいては優勝なんて出来ん」

 オイ!さっきの一位を取ってくるのだ!(集中線)はどうなったんだ。

「万に一つそんなことがおきても玲愛が了承せんから安心しろ」

 そりゃまぁそうですけどね。イベントとしてはどうなんだろうな?

「それにしても他の人と出場させる事はできないんですか?」

「玲愛は敵と味方の線引きがはっきりしていて、身内以外はほぼ敵と思い込んでおる。それも全て、様々な敵から伊達を守る為だ。そんなハリネズミのような娘になってしもうた。しかしお前は特別だ、唯一儂以外の男で認められておる、それが何故かはわからんがこれは奇跡だ」

「は、はぁ」

「だからこれはお前にしか頼めんのだ」

 剣心さんは両手をつき頭を下げた。

「いや、本当にいいですから、頭を上げてください」

「我が娘の未来をどうか少しでも明るいものにしてやりたい」

 剣心さんにここまで言われて断ることなんて出来ないだろう。

 これ雷火ちゃんや火恋先輩にどう言うんだ?って聞いてるんだったな。もしかしてわざと聞かせたのか?だとしたらこの人凄いな。

「わ、わかりました。引き受けさせていただきます」

 本当に玲愛さん納得するのかな?そこが疑問だ。

 俺がそう言うと水咲さんはニコやかに、書類を取り出した。

「そうですか、それではこちらのエントリー用紙にご記載下さいませ」

 俺は手渡された用紙をまじまじと見つめた。俺は意外とこういうのはよく見るタイプの人間だ。

 ごくごく普通のイベントに関しての事や、怪我の事に関しての話が並んでいる中、最後の方でひっかかるのが出てきた。

「今後水咲グループ主催のイベントに無条件参加します?…また伊達家への婚姻の際、両者間での問題等で許嫁関係が解消された場合、水咲家次女、水咲アリスティア嵐との許嫁関係になることを認めます」

 何コレ?最後の方全然関係ない文入ってるんですけど、しかも結構重要そうなの。

「別にその辺は気にしなくても結構ですので、それより全て確認していただいてからご署名下さいませ」

 オホホホと笑う水咲さんだが、更にもう一ページあったのでめくってみると、水咲さんのプロフィールとグラビア写真みたいなのが載っていて最早何だかわからなかった。

 一六歳って事は年下か、と思いながら更に下を見ると、署名欄の横にでっかく婚姻届って書いてるんですけど。

「あの…婚姻届って書いてるんですけど…」

「そこも気にしなくて結構ですわ」

「結構ですわじゃない!」

 障子の奥で話を聞いていたであろう雷火ちゃんが乱入してきて、俺からエントリーシート(?)を取り上げる。

「やっぱり、変な事してたわね」

「あら雷火さん、無作法ではありませんくて?」

 雷火ちゃんは俺からペンを取り上げると、婚姻届の文字を横線で消した。

「なんてことを!」

「こっちのセリフよ!やることがこすいのよ!」

 俺には二人のやりとりに?マークしか浮かばなかった。

「雷火ちゃんこれは何かの間違いだよ、初対面で人を好きになる人なんていないよ」

 初対面と言われて何故かショックを受けている水咲さんと、あんまりにも濁った瞳で断言する俺を不憫に思ったのか二人して目に手を当てている。

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