詩歌叙事

【プライド高い恋心】

　弱気を見せない

　プライドの高い貴方(あなた)が

　私を焦(じ)らして

　思わせ振りな態度に　疲れて

　貴方に愛されていないんだって

　判断して

　諦めてもう貴方への一方的な片想いは終わりにするわ

　そう言って顔を背(そむ)けた　瞬間

　貴方は

　ずっと心の内に閉まっていた

　今までの己の想い全てを吐き出すように

　一言だけの言葉を　私へ怒鳴った

　私の名前を　一言だけ

　いつも冷静で

　物静かにものを言う貴方が

　我を忘れて　ただ一言の怒声に

　自分でも驚いて

　そして貴方は　涙を流した

　私も驚いたけど　貴方自身も驚いて

　その涙が意識的に流したものではなく

　自然に零れた涙で

　私はその瞬間(とき)

　はっきりと悟った

　本当は　

　私を愛してくれていたんだと

　私よりも強く大きな気持ちで

　愛してくれていたんだと

　気が付くと　

　私は貴方の腕の中に　いた……