表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
心のヒストリー【現在推敲中】  作者: 西影
第6章 スペル
87/96

086 難儀な性格

 結局、あれから部屋に戻った私はベッドの上で横たわっていた。


 誰もいない部屋なのに眼帯を着ける。不安になれば左目に着いている眼帯を触って存在感を確かめ、また少し時間が経てば眼帯に触る。


 そんな動作をずっと繰り返していた。今は眼帯があることで不思議と安心感を湧いてくる。だけど……。


「今日は学校行きたくないなぁ」


 いや、正確に言うならば翔に会いたくない。いつもは会いたいと思う。でも……今日は眼を見られたばかりで、少し怖かった。


 今日はお母さんが朝早くに出て行ったから、私は学校を休むことができる。もういっそのこと休もうか?


 家に帰ってからは食欲もないし、少し体調が悪い気がする。だったら体調不良でもいいんじゃないかな。


 そんなことを考えているとピンポーンとインターホンの音が鳴り響いた。窓から気付かれないように外を確認する。


 インターホンを鳴らしたのは華だった。いつものように私を迎えに来てくれたのだろう。


 ……どうしよ、出ようか、出ないか……。


 窓から見える華を見ながら考えている。すると目があってしまった。……あ。


 刹那、鳴り響く私のスマホ。恐る恐る画面を確認すると、やはり華だった。私は恐る恐る通話に応じる。


「も、もしもし?」

「もしもし。ゆづ、今何してるの?」

「あ、ええと……今準備してるところだったんだ」

「準備? 珍しいね。いつもは終わらせてるのに」

「あはは、昨日疲れたからかな」


 言いながらカバンを肩にかける私。やっぱり私は休めそうになかった。


 昔から変に正義感が強い私はズル休みをしたことがない。だけどこれまで何度かしようと思ったことはある。


 でも、出来なかった。休もうと思っても気が落ち着かなくて、最終的には学校に行っているのだ。


 本当に……難儀な性格だよ。これもお父さんの子供……だからなのかな。


 ゆっくりとした足取りで階段を降りるとそのまま玄関に向かう。そして、扉を押し開けた。


「おはよう、華」

「ゆづ! よかったぁぁ。今日は学校休むのかと思ったよ」

「そんな訳ないじゃん。ほら、行こ?」


 私たちはいつも通り如月家の前で足を止める。私はインターホンに指を置くとそのまま押そうとした。


 でも指が動かない。これを押したら翔が出てきてしまう。そう思うとつい、押すのを躊躇ってしまった。


「ゆづ?」


 後ろで華が私を心配して声を上げる。


 ヤバイ。そろそろ押さないと……。


 意を決してインターホンを押そうとしたその瞬間、玄関のドアが開いた。中から当然というように翔が出てくる。


「お、もう来てたのか。インターホン鳴らないから寝坊してるのかと思ったよ」


 私の様子も知らずに、いつものように隣に立つ翔。私はその場で動くことができなかった。心臓がバクバクと激しく動く。


「結月、そんなとこで突っ立ってどうした?」


 私の肩に手を乗せられる。それを反射的に弾いてしまった。


「結月……?」

「あ、ご、ごめん」


 すぐに謝って華の隣に足を進める。いつもは私を挟んで翔と華の二人がいるのに、今日は華を私と翔が挟む感じになった。


 それからは会話もなくただひたすら歩く。途中、神崎くんが合流して翔と話すけど、私はずっと無言だった。


 私に気を使ってか、私に話が振られない。神崎くんも途中合流だったのに、流れに合わせて私以外と話していた。


 だけど、そうなると居心地が悪くなってしまう。私一人が話していなくて、いつもより雰囲気も悪いように感じた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ