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心のヒストリー【現在推敲中】  作者: 西影
第6章 スペル
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67 ゲーム

 焼きそばを食べ終えた私たちは勉強を再開する。食器洗いも私がしようと思っていたが「何もしていないから」と言って華と神崎くんがしてくれた。


 2人の食器洗いが終わると私は先程のように華に教える。本当に華の成長速度に驚きを隠せない。地頭がいいのか、私が言ったことやノートで見せたところを1発で覚えてスラスラと問題を解いていった。


 今は華と神崎くんは数学の課題をしている。始めた時は華の方が量が多かったはずなのに華が先に終わらせた。


「うーーん……終わったぁ‼」

「え⁉ 佐々木さん僕より量あったよね⁉」

「うん、まぁね」

「華、次生物やるよ」

「嫌だぁー!! ちょっとぐらい休憩させてよ」

「それならゲームでもやってるか?」

「ゲーム? どういうのある?」

「そうだなぁ、色々あるから自分の目で確かめてくれ」


 翔はテレビの近くに置いてあったカセットケースを華に渡す。華は中身を1つずつ見ていった。私も横から中を覗き込む。


 そこにはレースゲーム、FPS、対戦型格闘ゲームなどがあった。私はそこで違和感を感じる。カセットケースの中にRPGがないのだ。


 翔は昔からRPGが好きだった。昔はよくおすすめのRPGを私にやらせたものだ。初めは嫌々始めたが、途中からは翔の隣で楽しんでやっていた。


 わざわざ買いたいと思うことはなかったけど、それでも翔とゲームをしながら過ごしたあの日々は楽しい思い出だ。


 そんな日々を過ごしたカセットが1つもない。それに翔は対戦系のゲームをあまり好まない。なのに今は対戦系のゲームだけ……。思わず翔に聞いてみた。


「翔、昔に私と遊んでたRPGはもうないの?」

「ん? あぁ、最近は対戦系のゲームが熱いからな。それらを買うために売ったんだ」

「そう……なんだ」


 翔の所有物なんだからそれをどうするかは勝手だ。そうだけどなぜかあのカセットたちが無くて寂しく思う自分がいた。


 私と華は数あるカセットの中からレースゲームを選んで遊ぶ。これは昔に翔と遊んだことがあるからだ。


 初めはCPにも負けて下の順位だった私たちだったが、レースを重ねるに連れてどんどん順位は上がっていった。


 そして今はレース中だが華は1位、私が2位だ。3位のCPは私が変なミスをしない限りは追いつけないだろう。なので華を抜かすことに集中しようとする。


 すると後ろから翔と神崎くんの声が聞こえてきた。


「結月って曲がる時にその方向に傾くんだよな」

「そうなんだ」


(え!? 本当に⁉)


 私は自分の体に目を向ける。しかし何も変なところはない。まぁ、今は止まってるんだから傾く時じゃないしね。


 私はテレビに視線を戻す。するといつの間にか私の順位が6位になっていた。しかも私の車がレースの場外にいる。


「あー!! 凄い順位落ちてる‼」

「やっとゆづ気付いたの? これならあたしが1位確定かな〜」

「なぁ、次から俺も入れてくれよ」

「僕も入れてほしいな」

「別に許可とかいらないんじゃない? ここって如月くんの家なんだし」

「翔、でもさ……ここってコントローラー4個もあるの?」


 翔の家には翔、翔のお父さんの2人しかいない。一応海外には翔のお母さんもいるけど、その人を数えても3人だ。なのでコントローラーは4つも要らないし、ないはず……だったんだけど……。


「そこは心配いらんぞ。ちゃんと4つある」


 翔は箱の中から2つのコントローラーを取り出した。それを見た私は驚きで思わず手を止めてしまう。


「ゆづ、また抜かされてるよ」

「あ、うん……」


 私は残りの距離を走り終えると設定からプレイヤーを4人にする。翔と神崎くんが入ってきたのを確認して私はレースを始めた。


「今回こそ!」

「このゲーム久々だな」

「あたしは1位キープ頑張らないと」

「僕さ、このゲーム初めてだからやり方教えて」

「えっと、まずそのボタンで進んでこっちのボタンで減速と停止。んでこのボタンでドリフト」

「んー……結構難しいんだな」

「やってる内に慣れるよ」


 それからは4人で遊んだ。神崎くんは本当に初めてだったらしく何回も場外に出ていた。しかしすぐに慣れてきたらしく、さっきの私たちみたいにどんどん順位を上げていく。


 一方私たちは1位、2位、3位をそれぞれ守っていた。各レースで毎回順位が変わるほど白熱したレースをしている。


 1度、1位になった時に神崎くんを見てみたが曲がる時に体が傾いていた。どうやら私はこんな感じだったらしい。なんだか……可愛い。翔は傾いてなくて少し残念かも……。




 こうして時間が過ぎ、いつの間にか18時になっていた。もうそろそろ夕食を何にするか決めないと……ってここは翔の家か。でも、夕食はどうするんだろ?


「翔、今日の夕食ってどうするの?」

「そうだなぁ……みんなは何がいい?」

「僕はなんでもいいよ」

「あたしはカレーかな? 最近はレトルトのしか食べてないんだよね。だからちゃんと家で作ったのを食べたくなっちゃった」

「確かに。そう言われたら僕も食べたくなったかも」


 2人の意見を聞いた翔がキッチンに入る。そして何かを探すように棚を開けた。


「じゃあカレー作るかぁ。ってカレーのルーがねぇな。買いに行かねぇと」

「なら僕と佐々木さんが買いに行くよ。食べたいって言ったのは僕たちなんだし」

「いや、俺が行く。ついでに他の食材も買いたいからさ。だから拓也は来てほしい。荷物持ちとして」

「了解」

「じゃあ私たちは何しとけばいい?」

「先に作り始めといてくれ。必ず20分以内に帰るから」

「分かった。じゃあ華、手洗って料理始めようか」

「うん。如月くんと神崎くん、行ってらっしゃい」

「行ってらっしゃい」

「「行ってきます」」


 そう言って翔と神崎くんはリビングから出ていった。私はキッチンに立つと手を洗い、冷蔵庫からカレーの材料を取り出していく。


 そして華と一緒に料理を始めた。まず野菜を洗うと食材を切る。鍋に油を入れて熱すると豚肉を先に炒め、いい感じの色が付くと玉ねぎ、人参、ジャガイモを入れた。玉ねぎが透明になったのを確認して水を加える。


 後は15分から20分煮込むだけだ。それまでに翔たちが帰ってこれるか少し不安に思うとドアが開く音が聞こえてきた。


「「ただいま」」

「「おかえり〜」」

「それじゃあ最後は俺がやるから結月と佐々木さんは休んでくれ」

「うん。翔、ありがとね」

「あたしもお言葉に甘えさせてもらうよ〜」


 私たちはソファーに座るとテレビを見る。数分経つとカレーの良い匂いがしてきた。


 今日の夕食は賑やかで楽しくなりそうだ!

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